第30話 デビューの晴れ舞台
お寒うございます。日本中が寒波に覆われているようですね。テレビの画面で各地の様子を見るたびに、あなたのことが気になって落ち着きません。風邪などひいていませんか。とても心配です。どうぞ十分にご注意をして下さいね。
私はいつもの通り、ほらこの通り元気ですよ。
今日からお仕事はお休みです。お店のお休みはあした30日からですが私は1日早くお休みを頂きました。
それで、今日は久しぶりに午後3時まで寝てしまいました。スッキリした気分でお部屋もスッキリさせようと、いつもより念入りに掃除をしました。もう使わないものがあるものですね。その一つが洋服。いつか着ることがあるかも知れないと思い、捨てずにいたものがいっぱい。でも仕事着であるドレスだけは捨てられません。
古いものほど捨てられないのです。一着ごとに思い出があり、これを着た日には誰と出逢ったとか、これを着た日は悔しくて、化粧も涙でぐちゃぐちゃになるほど泣いたとか。うれしいあの日のことも、悲しかったあの日のことも、思い出がいっぱい詰まったドレスたち。
また、捨てられなくなっちゃいました。そこで全部のドレスに袖を通して写真にして残すことにしました。つまり、ひとりフアッションショー。
始めてみたら時間がかかり、今日1日ではとても無理。明日もひとりフアッションショーの二日めになりそう。3日めもあるかも。
あなたにも見せたい。私のフアッションモデルデビューの晴れ舞台を。
その後は夕食の支度。冷蔵庫の中の在庫も冷凍食品以外は、ほぼ完売です。
よく売れました。完売御礼申し上げます。
またスーパーマーケットに行きました。
お正月用の食品が多く、いつもとは冷蔵ショーケースの中の風景が違います。
普段あまり並んでいない高級食品がずらり。
私はお刺身のパックを買いました。やや高級なネタの入ったやつを。
珍しいネタがありましたので、それも単品で1パック買いました。
太刀魚のお刺身。
知ってますか?これ東京湾で捕れる高級魚なんですよ。東京湾で捕れるのに何故かあまり見ないお魚です。実はこのウンチクはやっちゃんと同伴出勤した時にお寿司屋さんで聞いたネタなんですけどね。ネタのネタはお寿司屋さん。
あとはお新香。これもお魚が入った珍しいお新香。大根の切ずけ。美味しいですよ。
忘れていけないのは、アルコール関係。私、夜職なのにアルコール類の知識ほとんどないんです。陳列棚をみてラベルのデザインが美しいものを選んで買います。
今日、気に入ったデザインは発泡日本酒。紫の瓶に白いラベル。
それと食後のケーキ。これは私、知識豊富です。そのウンチクは語ると終わらなくなりそうなのでいずれまた。
今夜も発泡日本酒でひとり乾杯。
その後は寝るだけですが、撮影前のドレスが散乱しています。お掃除前よりもっとすごいことになっています。
仕舞い終えた後、買ったまま未開封の下着を発見しました。あるんです、こういうことが。着用してみました。
うーん、セクシー。
ひとりフアッションショー第二部の始まりです。
あなたのために買ったのに、今日はどうして私一人なの?。
これもあなたが居てくれないからよ。あなたが悪いのよ。
私、運命の皮肉さを感じました。愛しているのに逢えない。
逢いたい時には遠くにいる。
ほんとうにあなたって勝手なひと。
だから、私そのあとはひとり…エ○チ、やだーもう……こんなの写真にできない。
○○物陳列罪で逮捕されます。
あなたも私を思い出してひとり○○○ですね、きっと。
だから、今夜もそれぞれひとりでお休みなさい。
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