第18話 キャバ嬢の土産には焼き芋を
東京は朝から冷たい雨が降ってています。皆さまの街もやっぱり雨ですか?
風邪などひかないように、ご注意してくださいね。
昨日、お客さんからお土産をもらいました、それは焼き芋です。
しっとりしてるのにホクホクで、すっごくおいしい芋なんです、だから今朝はそのお芋を朝食にしました。
そのお客さんは私が芋好きってこと知ってるから、いっぱい買ってきてくれます。
ネオン街って焼き芋屋さんの車をよく見るでしょ。
芋好きの女の子って多いですからね
他の女の子にも分けてあげます。すると、私がありがとうっていわれます
ほんとうはお客さんに、いわなくちゃならないのにね。
それで、今日からうちの店ちょっと変わりました。
エスコートの女の子が入りました。
エスコートっていうのは、ホールマネージャーの補佐をするのが仕事なんだけど、主にお酒とかなつまみどを運んでくれる人のことです。
お客さんからは人気があって、あっちこっちの席から注文があって、売上にすごく貢献していました。
キャストの私たちよりもいい仕事してたかも知れません。キャストっていうのは私たちキャバ嬢の店内での呼び方です……なんだか女優みたいですね。
それにその子すごく可愛いいんです。名前は木下さんっていうんだけど、本名かな?
この世界で本名をつかう子が少ないのは、あるジンクスがあって、本名を店で使うとこの世界から抜け出せなくなると、言われてるからです。
それともうひとつ、私の店でも昨日から、店内でのスマホの使用を認められました。お客さんとたくさんコンタクトを取れる方がいいですからね。
他の店ではやってることですし。
今日もいろいろと素敵なお客さんの席に付きました。
きのうはダーティハリーさんが来店されたんだけど、今日はある日本映画の俳優さんに似た人が来て、その人のセリフがとっても印象的なんです。
「たとえ、世間が許しても、このおれが許さねえ」って言うんです。
「素敵、格好いい!」と、言ってしまいました。
それで、そのお客さん◯沼さんて言うんだけど、◯沼さんは肩幅が広くてガッチリした体をしてるから、ほんとうに凄みがあるんです。
昔はね、衣紋掛けって呼ばれてたんだって。衣紋掛け ってハンガーのことよね。
それでね、もうひとつのセリフが「おれの背中が言ってるだろ」って言うんです。
確かになにか、言ってるように感じなくもないです。
後ろ姿が格好良くてが目立つ人です。
ダーティハリーと仕置人と柿沼さんが言うセリフの映画のひと、の三人がいてくれたらほんとにいいのになって思いました、
今日も昨日に続いてまた、お土産を頂きました。
今日、頂いたのは干し芋です。私が芋好きってのは知られてるみたい。
前の店にいた頃から指名してくれているお客さんで、きっと芋の話をしたことがあったのね。私はすっかり忘れてたのに、お客さんはよく覚えていてくれたのね。
ゴルフの帰りに道の駅に寄って、買ってきたんだって。
そのお客さん、ゴローちゃんて呼んでるんだけど、ほんとうは全然違う名前です。
「ゴローちゃん」っていう呼び名は私がつけました。
理由は日曜日にテレビ東京でやってる(孤独のグルメ)って番組に出ている俳優の松重豊さんに似てるからです。
松重豊さんって背が高くて格好いいでしょ。ゴローちゃんも格好いいですよ。
その番組の主人公が、井の頭ゴローっていう名前なんです。
ただ黙々と食べるだけの番組なんだけど、不思議な面白さがあって、日曜日の午後が楽しみなんです。私のおすすめの一本です。
一話完結のドラマ仕立てになっているから、一回だけ見るってのもいいかも。
私の日記みたい。
今夜も干し芋の夜食で満足して眠れそうです
それじゃあ、今夜もお休みなさい。
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