第6話 セクシーランジェリー
今日のお客さんウーさんは昔、バイトでキャバレーのボーイをやっていました。
キャバレーって、キャバクラとどう違うのか聞いてみました、生バンドがあって、ショーがあって、ダンスができるのがキャバレーだったようです。
(飲んで、踊って、ショーを見て)これがキャバレーのキャッチフレーズだったといいます。
女の子の呼びかたも今とは違いました「社交さん」と言いました。
社交さんは和服姿が決まりだったみたいです。
それで東京にあった最後のキャバレーが去年閉店しました、銀座の並木通りにあった〈白いバラ〉っていう名前のお店です。
この店は本当にありました、私も名前は知っていました。
そのお客さんはその〈白いバラ〉の前を通るたびに、「いつか客として入ってみようと思っていたんだけど、実現できずに残念だ」っていってました。
私も入ってみたかったな、残念です。
社交さんてどんな仕事をするか知りたかったです。勝負じゃありません。
勝負をしたって絶対勝てません。和服は着れないし、ダンスもできません。
それで今日の日記は和服ではなく私の洋服の話です。
洋服はキャバ嬢でなくても女の子は数が必要だから大変なんです。
最近、お気に入りのお店をみつけました。
SHEINっていうネット通販のお店です、すっごくかわいい洋服がいっぱいあります。それに安いんです。
一週間前に注文した品が今日届きました、三着で合計1万円でした。安いと思いません?
外国から送られて来ますが2千円以上の注文は送料無料です。どんなシステムなんでしょう?
でも安いのは嬉しいです。可愛くてちょぴっりセクシー。三着ともぜんぶ背中が大きく空いていて街ではちょっと恥ずかしいデザインです。でもキャバ嬢にはうってつけです。お店の中で着るドレスはキャバ嬢専用がありますがたまには普通の洋服を着ることもあります。
今日届いたのは白とピンクとパープルです。その中から今日の一着をえらんだのがこれ白、生地が薄いから下着も選ばなくちゃ。見せられないのがちょっと残念です。
でもモデルさんが着用してる写真はすぐ見れます。
外国人のモデルさんが多いんだけどすごくセクシーです。
[SHEIN 検索] ですぐ見れます、私が注文する時は〈ドレス〉〈セクシー〉を選びます。
それで、おもしろいのは、購入したお客さんが自分が着用した写真をたくさん投稿していて、それもカタログの一部みたいなんです。外国の人達が多いんだけど、すごい写真がいっぱいあって、見てるだけで楽しくなります。
自分を見せたいと思ってる子が多いのね。
写真、動画などの投稿サイトっていっぱいあるでしょ、あれと同じね。
水着もあるし、中には強烈なセクシーランジェリーの写真もあります。
切手と同じサイズと言ったら分かってもらえるかな。そんな小さな布地が上に2枚下に1枚。そんなデザインもあって男の人にはみせられません。
自分のことじゃないのに何故か恥ずかしいです。私にはちょっと無理です。
でも買っちゃうかも、超強烈セクシーランジェリー…ふふふ……誰に見せよう。
買ってみたいと思った女の子にひとつだけ、珠理からのアドバイス、それはねサイズです。
外国人に合わせたのか少し大きめにできています。
わたしのサイズだとXSがちょうどいい感じ。いつもは7号です。
男性用もあります。Tシャツは100円からあります。
それで、今日出勤したらすぐご来店のお客さんがあって、洋服の話になりました。
私のじゃなくてお客さんの洋服です。そのお客さんは〈BOSS〉のスーツだったんです。大谷さんで話題のあのBOSSの洋服です。
そのお客さん、スキがない格好でよく似あっていました。それで時計が気になりました。
もし時計が〈セイコーアストロン〉なら、まんま大谷さんです。
でも、このお客さん高級時計でした〈ロレックス、デイトナ〉ちょっと自慢げに見えました。
ほんとすごい時計です、値段を知ったらびっくりすると思います。
でも、私たちキャバ嬢がお客さんの時計をみて「素敵な時計をお持ちなんですね」って、いった時は自分が時間を知りたい時なんです。
前にも一度書いたと思うけど、キャバ嬢は店内では時計を持たないのです。
でも時間が知りたい時もあるでしょ、そんな時に使う手なんです。
だから、ロレックスでなくても、セイコーアストロンでなくてもよかったんです。
ほんとうにごめんなさい。
時計以外にもこんなキャバ嬢の作戦はいっぱいあります。……それはいずれまた。
でも、このお客さんとても格好よかったです。タイプかも……?
それじゃあ、こんなランジェリー姿ですけど失礼して、今夜もお休みなさい。
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