第29話 大牙
リゼが
それに気付いた
リゼは、素早い身のこなしで
「凄いなリゼさん。僕たちも
「りょうかいです先輩!」
レンとシュバルツは、次々と湧いてくる
しかし、
レンは後方のコトに向かって叫んだ。
「コト、何か攻撃スピードを上げる魔法あったらかけてくれないかな?」
「えー、そんなの覚えてないわ」
「あ、私、
「ありがとう!」
ルフナはレンとシュバルツに移動系魔法を放つ。二人の攻撃速度が増し、
「色々な魔法がつかえるのね。詠唱も素早いし、さすが王女ね」
コトはルフナの魔法に関心していた。
一方、リゼは
「やるな……ならば……」
リゼは
そして再び
グォォォォ……
ダメージはそれほどなさそうだが、
「今だ……」
リゼはその隙を見逃さず、素早く
グオオ!
しかし、まだ致命傷には至っていない。
リゼは
再び次の攻撃の機会を窺って行く。
その様子を傍目で見ながら、レンとシュバルツは
「くそう、倒しても倒してもキリがないな……どうなってんだこれ」
レンの顔には焦りの色が浮かんでいた。
「先輩……あそこ見てください。」
シュバルツは洞窟の奥を指差す。
洞窟の奥には、レン達が戦っている広い空間に、先へと繋がる通路がある。
しかし、その通路の左右にも小さな穴があいていた。
「そうか、
「えへへ。……先輩、あの穴を塞ぎましょう。私が
「わかった。
レンはシュバルツの元に駆け寄り、周りの
シュバルツは動きを止め、
激しい音が響き、穴の上部が崩れ落ちる。
崩れた岩が一気に崩れ落ち、這い出てこようとする
「よし、成功だ!」
穴の破壊に喜ぶレン。
「もう片方の穴も行きます」
間髪入れず、
再びエネルギーが溜まり、
そしてようやく、
「やったねシュバルツ、
「先輩、やっぱり私たち、良い
シュバルツがレンの前に広げた手を出し、レンはその手にハイタッチをする。
そしてすぐ目線を
「あとは、あいつだけだな……」
「行きましょう先輩」
レンとシュバルツは二人揃って走り出す。
リゼは
しかし、手負いの
最早、投げナイフにも怯まなくなっている。
「厄介だな……なんとかして、隙を作らねば、攻撃を与える事すらできないか……」
リゼは
「リゼさん、お待たせです!」
「
レンとシュバルツがリゼの元に駆け寄ってきた。
「レンさん、シュバルツさん。……助かります。では三人で一気に畳み掛けましょう」
「わかりました」
「りょうかいです」
シュバルツがシュトロイゼルを構え、
しかし、投げナイフ同様、
だが、
レンとリゼは左右から
グオオオオォォ
レンの剣戟が
間髪入れず、リゼの剣が
ついに
やがて、光の粒子となった後、消え去る。
「……はぁ、はぁ……やった!」
リゼは肩で息をしながら、安堵の安堵のため息を漏らす。
「……な、なんとか倒せましたね!」
レンは、動き回って疲れていた。
「これで、この
シュバルツはウインドゥを開いて、EXP
その時だった。
洞窟の奥、
その向こうが一瞬、きらりと光るのを、リゼは見逃さなかった。
「危ないっ!」
リゼは条件反射的に走り出していた。
闇の中から、一筋の、
その対角線上に割り込む様に、リゼは走り込んだ。
リゼの身体を通過する際に、角度が変わり、
「リゼっ!」
洞窟の中に、ルフナの叫び声がこだました……
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