一人の天才の功罪。
- ★★★ Excellent!!!
<夏の日の扉>にて語られるは、博士の過去。それに端を発した自己救済のための発明品。
<秋の夕暮れと超機動合神サーガンディオン>にて語られるは、前章にて登場した発明品の根幹たる技術とその使い途。
最後の<冬の星に願いのようなものを>には、前章にて語られた技術の平和的運用がなされた例が描かれている。
卓越した技術力を備えた世界や未来を描きつつも、博士や博士周辺の登場人物たちは人間味を失うことなく躍動している。
時には攻めたネタも混ぜ込みながらテンポよく進む会話も心地好い。
影響力甚大な立派な医学博士もまた一人の人間であり、出発点はただ一人に向けた発明であったと思うと、なんだかとても愛おしく感じられる。
どれだけ技術が発達しても人間は人間らしく生きられるのかもしれない、そんな希望を抱かせてくれるSF×恋愛×ヒューマンドラマ。