第177話 学年末試験 ③

【 由利子side 】


学年末試験が終わった。


警戒はしていたが、呆気あっけない程に順調に終わった事に『 ホッ 』としている。


流石に奴らも真面目に勉強して試験に挑んだようだな。


「 何時にもまして、みんな真剣だったわね。

由利子のクラスは、どうだったの ? 」


隣の二組担任である 真知子が微笑みながら聞いてきた。


「 今回は、奴らも真面目に挑んだようだな。

学園の高等部は入試が無いが、流石に『 赤点 』を取るようだと、後が大変だからな」


ウチのクラスの問題児達楓、聖子、秋奈、伊予、今日子、博子、深雪と、比べて真知子のクラスは目立つ問題児は 一人 竜ヶ崎 忠夫くらいしか思い付かないが、奴は生活面はともかく『授業・試験』では優等生だったりする。


高等部では外部入学者もいるから、クラスは増える訳だが………嫌な予感がするのは気のせいだと信じたい………信じていいですよね、学園長 !



【 勇気side 】


学年末試験が午前中に終わった僕らは、ショッピングセンター『ラブモア』に向かっていた。


「 必要なのは『猫用トイレ』『猫砂』『爪研ぎ』『 猫用の食器』………他には、何かあったかな ? 」


瞳がスマホで調べながら聞いてきた。


「 爪切りが必要だよ、 人間用だといろいろと不味いらしいから『タビ』用に猫用の爪切りも買わないといけないわね 」


楓もスマホを見ながら応えていた。


「 二人共、歩きスマホは危ないから止めなよ !

ジンに迷惑じゃないかぁー ! 」


そう、二人楓と瞳は ジンと腕組みしながら空いた手でスマホを操作しているんだよね。


じゃんけんに負けた僕が悪いんだけど………ウグゥ 悔しいよぉ。

一緒に歩いているアリスが


「 次は、絶対に勝つで~す ! 私は『負けヒロイン』には成りませんで~す ! 」

なんて、気合いを入れている。


真理姉が来てから、アリスが参戦を宣言した !

「 ジンの四番目に立候補しま~す !

清き一票を入れるで~す ! 」


どうやら、アリスは『政治マンガ』も見ているみたいだね。

ちなみに真理姉は『タビ』の姉妹猫に会いに行っている。

後で写真を見せて貰う約束をしているんだ、楽しみだよね。


ちなみに『タビ』は、夜 寝る時はジンの布団にもぐり混んでいる………いいなぁ~ ジンと一緒に寝る『タビ』も羨ましいけど、『タビ』と一緒に寝るジンも羨ましい。



── ── ── ── ── ──


『タビ』の為の荷物は結構な荷物に成った。

なので帰りは、誰もジンとは腕を組んでいない。

予定では帰りは、僕とアリスが腕組みするはずだったのにぃ~


せめてもの救いは、重たい『子猫用ミルク』と『 モ◌プチ(猫缶)』を瞳が持って、重たい『猫砂』二袋を楓が持っている事くらいかな。


アリスは『猫用トイレ』と『猫用食器』を持ち、僕は『猫用爪研ぎ』を持っている………これって軽いけど、まとめ買いをしたから かさばって両手がふさがっているからジンの手を握る事も出来ないんだよね。

ちなみにジンは『キャリーバック』と『 チュ◇ル(猫用おやつ)』『 首輪、ブラシ、爪切り』などを持っている。


猫を飼うのも大変なんだと感じながら帰った。



家に帰り玄関を開けると『 タビ 』がお座りしながら待っていてくれたんだ。


「 ウニャァ~ 」

と、鳴いた時『 おかえりなさい 』と言われた気がしたんだ。


「「「「「 ただいま、タビ ! 」」」」」



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