第41話 勇気の青春 ②

【 由利子side 】


 そろそろ あの子達仁、楓、瞳が、来る頃なんだけど遅いなぁ。

 真知子に車を出して貰うように頼んだけど、瑠奈も来ると言っていたしなぁ。

 大学時代からの親友だけど、あの二人に

 先を越されてからギクシャクしている。


 いや、意識しているのは 私だけか。

 正直、天然系の二人に結婚で負けるなんて思っていなかった。


 新任教師の時は、それぞれ別の学校に赴任していたけど、良く悩みを聞いたもんだ。

 真知子は、新任教師時代に今の旦那に よく『セクハラ』されていたそうだ。

 それを怒りもせずに許していたらしい。


 瑠奈は、よく誤解して逆に生徒に迷惑をかけていたらしいが、それが今の旦那なんだから『人の縁』とは解らないもんだ。


 私の場合は……………………………。


 そんな事を考えている内に真知子の車が来た。

 皆が、降りて来たので今日の会場である相手校の剣道道場に案内した。


 今日の練習試合は、我が学園のライバルである[ 県立 白薔薇しろばら学園]だ。

 我が[菖蒲あやめ学園]とは、昔からのライバル校である。


 どれどれ部員達は、ちゃんと『アップ』しているかな ?

 おぉー ! やってる やってる

 流石に今日は、真面目に練習しているか。

 特に勇気は、ライバルである『 水戸 桐子きりこ』との対戦だから気合いの入り方が違う。

 集中しているのか ?

 こちらにも気づいていないようだ。

 また 仁、楓、瞳も武道経験者だから静かにしている。

 問題は、私の親友二人である。

 大きな声で応援しようとしたので、口唇に指を当て『静かに 』と合図して黙らせた。



【 勇気side 】


 ジンが来た ! 気配でわかったよ。

 気合いが入る。

 今日の僕は 強いよ、 桐子 !!


 反対側で目をつむり精神統一をしているライバルを見た。



 まもなく練習試合が、始まる。

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