第40話 勇気の青春 ①

【 仁side 】


 今日は、勇気の練習試合ということで、相手校が会場らしく、皆で応援に行くことになった。

 由利子先生は、剣道部の顧問なので先に会場に行っているらしく、バスか電車で行くのかな と思っていたら


 楓

「 今日は、真知子まちこ先生が車を出してくれるみたいだよ 」

 と、教えてくれた。


 真知子先生は、社会科の先生で最近 結婚した。

 なんでも、元・生徒が相手だそうだ。



 あっ 黄色いミニバンが、こちらに向かって来た。


 キキキー バタン


 車から真知子先生が、降りてきた。


「 私も、いるわよぉ~ ! 」


 瑠奈るな先生だ。

 瑠奈先生は、数学の先生で真知子先生と同じで、元・生徒と結婚したばかりだ。


 なんで、僕が知っているかというと

 二人が結婚した時に由利子先生が、ショックを受けて 自棄酒やけざけする時に愚痴を言っていたからだ。

 三人共、公私に渡り長い付き合いの上に同級生。

 密かに、ライバル視していたらしいんだけど結果は………


 車に乗せて貰い、僕達は後ろの席に座った。

 楓ちゃん、僕、瞳ちゃんの順に座り

 前は運転手が、真知子先生で助手席を瑠奈先生が座った。


 真知子

「 旦那様の健太くんたらねぇ……………

 ………………………………………………」

 瑠奈

「私の旦那様のわたるくんこそ……………………………………………

 …………………………………………………」


 会場に着くまで僕達は、ずっ~と先生達の惚気のろけを聞いていないと駄目なのかなぁ。


 それに対抗するように楓ちゃん や瞳ちゃんが、僕に抱きついている。


 しばらく走った後、パーキングエリアで飲み物と軽食を買って休憩した。


 先生達の惚気は続いていて、僕達が聞いてもいないのに馴れ初めまで話始めた。


 楓

「 こんな風に惚気ばかり聞かされたら由利子先生が、キレてもしょうがないよね」


 瞳

「 そうだな !

 少し由利子先生に、優しくしてあげよう 」


 僕を挟んで、ヒソヒソ話をしている二人。

 黙って先生達の惚気を聞く僕………


 なんでも先生達の旦那様は、二人共 当時 問題児で 今でいう『セクハラ 』を繰り返していたらしい。

 それが、成人して立派になり先生達に『プロポーズ 』をしたのだそうだ


 女の子達二人は

『『 きゃぁ~ ♬」」

 と喜んでいる。


 女の子って『恋ばな』が、好きだよなぁ

 そろそろ出発しないかなぁ~

 と、僕は考えていた。


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