第27話 お家が一番です

【 勇気side】


 あぁ~ 楽しかった

 旅行から帰って来た僕らは、茶の間でくつろいでいた。

 ジンは、庭の畑でトマトや茄子なす胡瓜きゅうりを収穫している。


「 結構、とれたよ 」

 汗を流しながらジンが、竹籠たけかごに入れた収穫物を見せてくれた。


「「「 わぁー 美味しそうだね 」」」

 楓も瞳も収穫物を見ていたけど

 僕は、ジンを見ていた。


【 楓side】

 仁くんが、収穫してきた野菜を見て 晩御飯は、なんにしようか ? 」

 皆に、聞いてみると


 冷やし中華 二人 ( 仁、勇気 )

 ソーメン 二人 (瞳、楓 )


 なので造る人の権限で、ソーメンに決定。

 仁くんをアシスタントにしたのも私の権限で決定した。

 私が、お湯を沸かしてソーメンを茹でている間に仁くんが、薬味のネギ、生姜しょうが、ミョウガを用意してくれた。

 瞳ちゃんが、器や箸を用意して 勇気ちゃんがテーブルや座布団などを用意した。


 皆で、やると早いなぁ

 私達なら家族として仲良くやっていけそうね。

 茹で上がったソーメンを、井戸水で冷やし洗いながら考えていた。


【 瞳side 】


 旅行では、カロリーの高い食事ばかりだったので、こうしたさっぱりした食事を食べたかったんだ。

 楓や仁が、ソーメンと薬味とつけ汁を持ってきた。

 おぉー 美味しそうだなぁ。

 それらが、テーブルに並べられていると


 勇気

「 さっき、ジンが収穫したトマトと胡瓜を氷水で冷やして置いたから、切ってきたよ」


 トマトのスライスと胡瓜が縦に切られた皿に味噌が、添えられていた。


 私は、気づいてしまった。

 もしかしたら いや もしかしなくても 料理が、出来ないのは私だけなのか 。

 まっ 不味いぞ !

 私の女子力が、一番低いかも知れない。

 このままでは、仁にあきれられて婚約解消になってしまうかも知れない。


 由利子先生の姿が、頭に浮かんだ !

 嫌だぁー ! アレだけは、嫌だぁー !

 楓に料理を習おう

 と、決めたのだった。


【勇気side 】


 皆で、食べると本当に美味しいなぁ。

 ジンが、収穫したからという訳じゃないけどトマトも、胡瓜も凄く美味しそうだね。


 僕は、取り分けたトマトに少し塩をかけた。

「 うわぁ このトマト すごく美味しいよ」

 皆が、トマトをとり始めた。


 うわぁ !

 楓、あんなに砂糖をかけている。


 瞳は、僕と同じ『塩派』だね。

 ジンは、なにもかけないで食べている。

 僕もジンの真似まねをして、なにもかけないで食べてみた。

 これは、これで美味しいなぁ。


 好きな人の事が、またひとつ知って嬉しくなった。






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