3、15歳以降、そして18歳以降。
15歳から性ホルモン療法を受けることができます。
(※基本的には18才以上から受けるものですが、前述の思春期例としての治療を受けているものという前提で、15才以上から性ホルモン療法解禁、となります)
このあたりから不可逆な治療になります。
これは経口薬、パッチ剤、注射など処方は様々あります。
FtM(女性から男性)であれば筋肉量が増加したり、ヒゲや体毛が濃くなったりします。
MtF(男性から女性)であれば乳房が膨らむようになり、肌の質感がかわったりします。
副作用も更年期障害に似たものや、吐き気、イラつきなど、個人差も大きく症状も多様にあります。基本的には当事者の経験談やアライ(※支援者および支援者団体のこと)による啓発情報などを慎重に参照されることをおすすめします。
なお、SNS上でのこの種の情報収集は注意が必要です。
特に憎悪攻撃(いわゆるヘイトや差別)の扇動を目的としたデマや誤情報なども飛び交っています。それらを発信する立場の側面は政治的攻撃、性差別、嫌悪、被害者意識など様々に入り組んでいます。
それらを丁寧に掻い潜って当事者の情報にアクセスするには、当事者による大手のアライによる出版物や当事者が顔出しで配信しているyoutubeなどがきっかけになるかとは思いますが、そこは人生いろいろ。人によってサバイブしてきた変遷も異なるため、特定の個人の発信だけを資料に創作をすると、実はとんでもないものになってしまったりするので要注意です。(そもそも大抵のLGBTがそうであるように、隠せるものなら隠そうとするものです。それを身近な人にだけカミングアウトを通り越して、全世界に発信するという人はある意味でとても勇敢な人であることをわすれてはいけません)
トランスジェンダーは「トランスジェンダー」になりたいわけではなく、出生の性に強い違和感を覚えており、出生性とは違う自覚する性で生きたいという人々です。
つまりFtMであれば「男性」、MtFであれば「女性」として生きることが究極的な本音、くらいに思いましょう。
しかし現実の医療や社会の価値観などがそれを受け入れるまで進歩しておらず、だからトランスジェンダーというカテゴリーが存在し、そこに置かれているのだ、と。
さて、そうした望みに応える現代医療とトランスジェンダーの最後の選択。
『性別適合手術』
これは現在日本では18歳以上からのみ受けることができます。
海外においてはもっと若い頃から選択可能な国もありますし、そもそもトランスジェンダーの存在自体認めない(最悪の場合、死刑)という国もあります。
これをやったら「めでたしめでたし」かというと、そうではありません。
そこから先の人生の方が長いのです。
しかも性別適合手術は実質、生殖能力を失う手術でもあります。
現時点で、トランスジェンダーの自殺率が最も高いのは、性別適合手術後です。
理由は様々あると思います。
例えば
「想像していたのと実感が違う」
「ここまでは人生設計してきたけど、社会に出たら風当たりが強すぎて生きるのがつらい」
「借金返してる間にメンタルを病んだ(※性別適合手術は保険適用がありますが、国内より施術数が多く練度の高い海外での手術を希望する人が少なからずいます。また、術後のケアは精神的苦痛を伴う人もいます。更に重ねて書きますが、ホルモン剤には保険適用はありません)」
などなど……私が知ってるものだけでもつらみがぼろぼろ出てきます。
更に、一方でこういう望みを持つ人もいます。
「自分の血のつながった子供が欲しい」
……現在、性別移行を済ませたトランスジェンダーの方のこの望みに応える医療的手段はありません。
あるのは出生の性を取り除いて、人工的に再建する(作り変えて自分自身へ移植する)までが精一杯です。
つまり、性別適合手術を受けたら、子供は作れません。
そのために、子供を作るためにここまでの選択肢をすべて我慢して大人になり、成人し、子供を授かってから性別適合を始める人もいます。
(現在、この種の方の性別移行について一部法整備は追いついていません)
一方で、ご存知の方もいらっしゃるでしょうが、性別適合手術を受け、法的に性転換を済ませた上で法律婚をし、精子提供を受けて子供を授かったご夫婦は国内に存在します。(FtMの場合)
また海外を見れば卵子提供と代理出産などを経て子供を授かる方もいます。(MtFの場合)
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