飴玉を舐めるような

作者 天宮さくら

23

8人が評価しました

★で称える

レビューを書く

★★★ Excellent!!!

シロクマさんが見出だしたことで自分はこの小説を知りました。
この作品を「行ける」と思ったシロクマさんの感性もすごいものです。

この作品は一見甘ったるい恋愛物語の中に死の描写(死体の描写)があり、それが消えない記憶となり、まったく関係ない二人の人間を、ヒロインが自身を介して結びつける妙があるんですよね。この甘さの中のえぐみが魅力なのだと思います。
それにここまで奇妙な心理がしつこく浮き出してくるからこそ人間味があり、現実っぽさを感じます。

あと、地の文が普通に素敵です。無駄なく決めるところは決める、重ねて厚みを作るところは作る、みたいな。