飴玉を舐めるような

天宮さくら

飴玉を舐めるような

 私には歳の離れた兄がいた。私の七つ上の、いたって普通の男性だった。勉強が出来るわけでもなく運動が得意というわけでもなかったし、身長が高いわけでも低いわけでもなかった。きっとクラス全員の男子を混ぜ合わせて人数分で割ったら兄が完成する。そのくらいに平凡で普通の人だった。

 でも、私はそんな兄が大好きだった。

 兄の名前は中塚楓樹ふうき。私が高校二年生の時、雨の多い日に事故に遭って死んでしまった。

 兄は私に対してとても優しい人だった。七つも歳が離れていたからだと思う。私が遊んで欲しいとねだれば遊んでくれたし、どこかに出かけたいと願えば連れて行ってくれた。あれが欲しいと言えば叶えようと努力してくれて、何かをあげればとても喜んでくれた。

「お兄さんがいなくなって悲しいね」

 事故で兄を失ったと説明すると、大抵の人はそう言って慰めてくれる。だから私はそう言ってくれた人には必ず言う言葉がある。

「寂しいけれど、兄は私にとって飴玉みたいな人だから」

 ───ベタベタと甘くてしつこくて、でも吐き出してしまうことができない飴玉。口に入れていれば少しずつ溶けていって、いつかは全部消えてしまう。消えたところですぐにその味が無くなるわけでもない。でも月日とともにその甘さが少しずつ薄れていって、いつか忘れる日が来るかもしれない。

 それが少し怖くて、待ち遠しい。

 忘れてしまうその時まで、全てが大事で大切な思い出だ。



「お兄さんを事故で亡くしてしまったのか………それは残念だったね」

 そう言ったのは私の今の彼氏である保坂孝司さんだ。彼は私が働いている会社の社員で私の三つ上。ある日彼の方から付き合いたいと申し出があり、それを受け入れたのが先月の話。

 保坂さんは兄とは違いイケメンだ。目はクリッとしているし、笑みは自然だし、背は高い。身だしなみにものすごく気を使っているのかスーツやワイシャツにシワがない。ネクタイのチョイスもオシャレで素敵。だから社内の女子の評判はとても良かった。

 私は保坂さんが女子の間で人気があるのは知っていた。けれど保坂さんは正社員で私は契約社員。仕事で何度か話をしたことはあったけれど、それだけの関係だった。そんな彼がまさか私のことを好きになるとは思いもよらなかった。

 ………彼は人を見る目がないのだな、と少し思った。

 今日は保坂さんが一人暮らしをしている私の家に泊まりに来た初めての日だ。私の部屋を物珍しそうに見る保坂さんは、ベッド側に飾っていた兄妹の写真を見つけた。

 保坂さんは写真をまじまじと見つめながら私に尋ねる。

「会ってみたかったな。どんなお兄さんだったの?」

 残念そうな声でそれを言う。私はその言葉を聞きながら、そこに本心がどの程度含まれているのか、きっと半分もないだろうな、と思った。

 私は保坂さんの後頭部を見ながらいつもの解答を口にする。

「飴玉みたいな人。私にすっごく甘かったの」

「お兄さん年上っぽいもんね。いくつ離れてたの?」

「七つ上。私が高二の時に死んじゃったから、享年二十四歳。保坂さんもくれぐれも事故には気をつけてね」

 私がそう言うと、保坂さんは振り返って穏やかに笑ってくれた。屈託のないその笑みに、この人は私に飴玉みたいな記憶は植え付けてくれないんだろうな、と残念になる。

 ───それだけ私は兄を強く覚えている。


 * * *


凪菜なぎな

 時々、兄が自分を呼ぶ幻聴が聞こえる時がある。それが聞こえる時は私は手を止めて目を閉じじっと動かずにその感覚を味わい尽くす。兄の幻聴が聞こえる回数は年々減ってきている。それだけ思い出が遠のいているのだろう。それを思うと寂しくて堪らない。だから一回一回を大切に味わうのだ。

 私のこの堪能を初めに指摘したのは、大学の時の友達・相川富子だった。

「凪菜は時々びっくりするくらい自分の世界に引きこもるよね。ねえ、いったい何を考えているの?」

 そう言われたのは心理学の授業が始まる直前だった。あまり人気のない授業だったから教室には私と富子含めて十人程しかいなくて閑散としていた。教室のある位置が悪いせいか、外はとても晴れているのに教室全体が薄暗かったのをとても覚えている。

「亡くなった兄のことをね。時々ふっと思い出すんだ」

「亡くなった? お兄さん、死んじゃったの?」

「うん。事故でね。もう何年も前のことだよ」

 そう言って笑顔を見せた。そうしないと周囲の人たちは私がいつまでも立ち直っていないのだと勘違いするから。私なりの処世術。

 ───本心は、ずっとあの甘い感情を引き摺っている。そのことを誇りに思っている。

「そっかぁ。それは悲しかったね。そういうことなら納得。いいお兄さんだったの?」

 富子の問いに、私は首を傾げた。

「どうかな? 人としてはどうかしてたと思うよ? 嫌いじゃなかったけど。いつも私には甘かったから。ホント、飴玉みたいな人だった」

「へぇ。シスコンだったってこと?」

 富子が揶揄うように尋ねたので、私はそれに迷いなく頷いた。

「うん。すっごいシスコン。それでいて私はブラコンなの」

「中塚さん」

 急に私の目の前に誰かが立った。そちらに視線を向けると同級生の井上正志くんがそこにいた。彼の登場に富子は少し緊張した。富子は彼が好きなのだ。けれど彼は私が好き。それがいつも態度に現れていた。そして私は彼の髪型が兄に似ているところが好きだった。それ以外は興味もなかった。

「何?」

「あの、今度のゼミの教材、これだから」

 そう言って井上くんが手渡してくれたのは、執着と依存に関する文献のコピーだった。私はそれを受け取り、そこに書かれている文字に目を通した。

「教授が次のゼミまでに各自読んでおけって言ってた」

「うん、わかった。ありがとう」

 離れ難そうにする井上くんを無視して、依存、と書かれた太文字のタイトルを私は指でそっと撫でた。



 兄が亡くなった後すぐに私は高熱を出した。みんなはショックのためだろうと言って私を寝かせようとしたけれど、私はその声に逆らって通夜と葬式に参列した。

 ───これで兄にもう二度と会えなくなる、触れられなくなる。その恐怖で寝てなどいられなかった。

 兄の死体は、顔が変だった。ところどころ歪な形をしていて、肌の色はファンデーションで無理くりに誤魔化していた。体は見せられないと言われたから、仕方なしにその顔を凝視するしかなかった。

 そっと、兄の頬を指先で撫でた。どこまでも冷たくて無反応。生きている私を全力で拒絶していて、自然と涙が込み上げた。

「凪菜、あなたは寝ていなさい」

 二度と忘れられないようにしようと思って眼を見開いて兄の死体を見ていた私を現実に引き戻そうと母が私に声をかけた。私はその声が鬱陶しくて母を思わず睨んでしまったこと、いまだに後悔なんて微塵もしていない。

 ───私は何も間違っていない。

 母はずっと兄を疑っていた。あれはよくないものだと母が兄を認識したのはいつからだろう? 私はその視線が大嫌いで堪らない。憎らしくて堪らない。息の根を止めてしまいたくて、悶えるのは今でもそう。何一つ変わらない。

 私は母が嫌いだ。

 兄の遺体を燃やす焼却炉のボタンは、父が押した。父は母と違って兄を疑ってなどいなかった。父は兄を失った私を憐れんで、死んでしまった兄の将来を惜しんでくれた。涙を流してくれた。

 私はそのことで胸を痛めた。

 ………兄の遺体を焼いている間、私は熱にうなされつつも焼却している場所から離れられなかった。離れ難かったのだ。炎の燃える音が耳に響いて、現実と折り合うのが難しくて仕方がなかった。あの扉の向こうで兄の肉が焼かれて骨になって、そして何も残らない。それを思うと、これからどうすればよいのかわからなかった。胸の中にぽっかりと、空白ばかりが生まれ続けた。

 このままだと倒れて最後まで見届けられない、という肉体の限界がきて、私は揺れる視界の中、口に入れられる何かを探した。水では重く、固体は喉を通らない。その中間の何かを探した時───飴玉があった。

 欲しい人はどなたでも、と表示された籠の中の飴玉。個別にパッケージされた一つひとつを見て、私は濃厚ミルク味を選択した。

 飴玉の袋を開けて、口に運ぶ。ベタベタと甘ったるいミルクの味が口全体に蔓延する。逃れられない粘着が私の喉を乾かしていく。

 ───あの日から、私は兄を飴玉に喩えるようになった。



 高校一年の夏休み。私は兄と二人でいた。あの日は夏の日差しが暑くて堪らなかった。それなのに私の部屋のエアコンは外気温にやられたためか壊れてしまって、私はエアコンが生きている兄の部屋に避難していた。

「ねえお兄ちゃん。今の彼女の人ってどんな人?」

 私は兄のベッドに寝そべりながら尋ねた。枕には兄の匂いが染み付いていて、つい本能的にそれに顔を埋めた。そんな私の足元に座って兄はだるそうにスマホをいじっていた。誰かと頻繁にやり取りしているのか、視線は小刻みにスマホの画面を追いかけていた。

「彼女? んー………可愛いよ。何も考えていないところが助かる」

「なにそれ」

「考えることがこれ以上増えるのは勘弁ってこと」

 そう言うと兄はベッドにスマホを放り投げた。ぽふ、とスマホが布団の上に無事に着地した音が耳に届いた。その動作が、私の心に一抹の不安を呼び寄せた。

 ───捨てる時は、きっと何の後悔もなくあっさりと手放す。

「ねえ」

 私は兄を人差し指でつついた。それに反応して兄が私を見た。その瞳の奥底に沈殿している甘い甘い感情を、この瞬間だけでも浮上させて欲しい。だから私はできうる限り思いっきりの甘えん坊の声を出した。

「大好きだよ、お兄ちゃん」

 私の言葉に、兄は他の誰にも見せない私だけの特別の表情を浮かべて頷いた。



 兄は私に対して本当に甘い人だった。私が物心つく前から私のオシメを変えたりお風呂に一緒に入って体を洗ってくれた。服の着替えを手伝ったり髪をクシで解いてくれたり、私の身の回りのことを全部してくれた。靴紐が結べないと泣いた私の頭を撫でてくれた。夜一人でトイレに行くのが怖いと怯えた私の手を引っ張ってくれた。私のために出来ることは何でもしてくれた。

 ───しつこく感じるくらい、甘い人だった。

 私は兄が好きだった。兄は私以上に私を愛していた。私の世界はそれで回っていた。兄の中には好きはなく、愛だけが存在していた。

 そんな兄が一度だけ、私を傷つけることを言ったことがある。

 あれは私が中学一年生の頃。私のことが好きだと言う同級生がいた。名前はもう忘れてしまったけれど、彼は純粋で一途で真っ直ぐだった。それが私の住む世界と違いすぎて、怖かった。そこに入っていけない自分を無理矢理認識させられるようで、眼を逸らしたくて仕方がなかった。

 彼が私に告白した日、私は返事を保留にして兄に相談した。

「お兄ちゃん、クラスの男子に告白されたんだけど」

 その事実を否定して欲しくて、拒絶して欲しくて、期待して、質問した。それなのに兄は平然としていたのが信じられなかった。

 そして、私が聞きたくなかった言葉を口にした。

「よかったじゃん。付き合えば?」

 ………それを言われた時の私の動揺は、兄から見てどうだったのだろう。期待が全部ひっくり返って混乱した。腹の底からの黒い感情が私の体を震わせた。

「なんでそんなことを言うの? 私にはお兄ちゃんだけがいればいいのに」

 声が少し裏返った。手が震えて仕方がなかった。捨てられるのではないかと思うと呼吸がうまくできなくなりそうだった。涙が溢れ出して止まらなかった。

 兄は震える私の手を握り、優しい声で慰めてくれた。

「凪菜。怖がることはない。凪菜が誰と付き合ったって誰と一緒に過ごしたって、俺は変わらない。変わらないよ。ずっと凪菜を思ってる」

 そう言って私を優しく抱きしめてくれた。

 私はあの後、告白してくれた男子とひと月だけお付き合いをした。結局は何もかも気持ち悪く思えて私から別れを切り出して終わった。相手は複雑そうな表情をしたけれど特に追求せず別れてくれたのが救いだった。

 別れたことをを伝えると、兄は安堵した表情で受け入れてくれた。そのことに私は心底ほっとした。

 ………あの時の兄の言葉の意味をしみじみと考えることがある。きっと兄は私が気づくよりも先に母の視線を感じていたのだろう。それを掻い潜らなくてはならないと考えた。だからこその言葉だった。今ではそう思う。

 私の身体には自由を、でもその心には束縛を。

 それが兄の愛なのだ。



 兄と一緒に寝た日は、何が起きたのかよくわからなかった。

 あの日はいつものように側に寄り添って互いの鼓動を聞いていた。兄は私の頭を優しく撫で、私を抱き寄せていた。私はその腕の中でうとうとと眠りかけていた。

 部屋には二人きり。他の誰にも邪魔されない空間。それがどこまでも安心と平穏を私に与えてくれた。

「キス、しよっか」

 兄の提案に私はいつものように頷いて顔を上げた。その頃には毎日のように兄とキスをしていて、きっといつかその一線を越えるのだろうなと学校で習った朧げな知識で思っていた。

 それがその日だった。

 兄は迷うような、それでいて深い覚悟を持った瞳を閉じて私の唇に唇を合わせた。温かくて柔らかい、でも形のしっかりとした唇。それが気持ちよくてもっともっととせがんでしまう自分をいつもどこかで感じていた。

「もう………ダメかも」

 長い長いキスを終えて、兄が私の耳元で囁いた。

「なにがもうダメなの?」

「理性」

 兄が私の頬に優しく何度もキスをした。こそばゆいような、しつこいキス。それで私の頬がベトベトになることを躊躇わない、優しいキスだった。

「本当はいけないことだとわかってるんだけど。俺は狂ってるからさ」

「お兄ちゃんは狂ってるの? どうして?」

「好きになっちゃいけない子を好きになって、愛してしまいたくてたまらないから」

 兄が私の額に額をくっつけて、至近距離で私の目を覗き込んだ。その眼には暗く重い泥のようなものが溜まっていた。

「それは、いけないことなの?」

 私は兄のその暗い瞳が嫌いではなかった。どこまでも落ちていくようなどうしようもない色。そこに染まっていく自分を、諦めていた。

「そうだね。いけないね。………いつか凪菜が普通に戻りたいと願っても、一生戻れない。手放そうと抗っても縛りつける。ずっとそれが続いていく。そんなの、凪菜の幸せを考えたらいけないことだ」

 兄の手がゆっくりと私の胸に触れた。触れるだけでそこから動かそうか戸惑って、上に乗せたまま止まっていた。私はそこから先をどうしたらいいのかわからなくて、静かにその瞬間を待った。

「きっと………不幸にする」

「お兄ちゃん」

 私は体を起こして兄の首に腕を回し、抱きついた。不安定な姿勢になった私を兄が優しく抱きしめた。

「………………………………………もう、遅いよ」

 あの後、兄は止まらなかった。


 * * *


 ………時々、後悔することがある。

 私と兄がホテルから家へと並んで歩いていた日の思い出。あの日は朝から重苦しい雲が空に立ち込めていて雨が永遠のように降り続いていた。

 あの頃の私と兄は、どこかが限界に達していた。互いに肉欲に負けていて、感情に支配されていた。どちらかが口を割れば終わる関係。それが二人を高揚させて、束縛していた。

 とにかく私は頭が痛くて重かった。誰かにこの関係を明かしてしまいたい欲求と、永遠に自分のものにしておきたい欲望。そこから逃れようと足掻いても不可能である現実。それらがいつも私の頭の全部を支配していて、どこにも行けなくてどうにもならなかった。

 だから、死ぬのならこんな雨の中がいいと思った。みんなが忌避するような鬱陶しい雨の中でこの肉体を単なる物質に変えることができたのなら、この想いも多少は浄化するんじゃないのかって、そう思ったのだ。

 私は横から来る車をわざと見ないで信号のない道路を横断しようとした。これで死んだのならそれでいいし、これで運よく助かったのならこれは一生抗えない───運命なのだ。私を捕らえて離さない、永遠の牢獄のような甘くてしつこい運命。この想いを抱えて生きていけという神の思し召。私の十字架。

 それを賭けてみた。

 兄も同じ気持ちだったのか、それはわからない。でも私が一歩足を踏み出したすぐ後に私と並んで一歩、前へと出てくれた。

 ………一緒に死ねる。それが運命だと思ったのに。

 あの瞬間を、スローモーションのように鮮明に覚えている。雨でスリップして止まらない車、ライトで照らされる私の横顔、反射的に飲んだ息。すくんだ足。

 そして私の背を思いっきり押した兄の手。

 目が覚めた時、私は道路にうつ伏せに倒れていた。周囲は車のクラクション音と人々の叫び声、激しく冷たい雨の音、そして兄の血が撒き散らされていた。

 私は賭けに負けた。


 * * *


 夜中、目が覚めると隣で保坂さんがいびきをかいて寝ていた。彼は私が眼を覚ましたことにこれっぽっちも気付かずにいる。そんな保坂さんの姿を確認して、私は彼に背を向けた。

 ………深夜になると、兄を強く思い出す。首筋に顔を寄せ、胸を優しく貪り、腰から膣へと移動していく、生々しい息遣い。全てを受け入れてくれるのに、でも結局は私が全てを受け入れていく関係。それが好きで嫌で堪らなかった。狂おしい程、依存していた。

 ───あれが嫌悪から無反応、そして快感に変わっていったのは、私が兄を愛したからだと思うのだ。

 愛している。

 まるで飴を舐めているかのような甘ったるいありきたりの愛情表現。でも、それが私にとって何よりも大切な兄との思い出。誰にも代行できない、私と兄の秘密の関係。脳みそに快楽の電流を走らせる、薄れつつある大切な記憶の束。

 誰にも渡さない、誰にも上書きできない、でもいつかは消えゆく儚い記憶。束縛の思い出。

 ───私はそれだけを胸に秘めて、日々を生きていく。

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