属性剣(エレメントソード)を錬成する
「よし……」
下準備は整った。来斗が手にしているのは、先ほど苦労して生成した属性結晶(エレメントクリスタル)だ。
そして、先ほどSPを10支払い習得した『錬成』スキルを早速、使用する事になる。
「『錬成』スキル発動」
来斗は『錬成』スキルを発動した。来斗は剣をイメージする。鋭利な剣を手に取れるくらい、ありありと来斗は思い浮かべた。
――すると。バチバチという、静電気のようなものが発生する。これは魔力の奔流である。魔力が属性結晶(エレメントクリスタル)に注ぎ込まれ、その形を変容させているのだ。
そして、しばらくの間も経たないうちに、属性結晶(エレメントクリスタル)はその形を剣に変えた。
「……よし。完成だ」
思った以上に上手くいった事に、来斗は軽く感動した。属性結晶(エレメントクリスタル)から生成された剣なので属性剣(エレメントソード)といったところだろう。来斗は武器の装備を変更する。
新しい剣を手に入れた来斗は試し斬りをしたくなった。勿論、それだけではない。まずは足場を固めなければならない。経験値(EXP)が必要だ。モンスターを倒さなければならない。それもできれば効率的に……だ。無駄な時間を使っている余裕などないのだ。
この世界は確実に滅びの運命を辿っている。そして異世界転移してきた英雄達——クラスメイト40名達もまた、このままいけば前回と同じように全滅してしまう。その運命を変えられるのは前回の記憶がある来斗だけだ。
こうして最弱の外れ天職だと馬鹿にされ、そして見捨てられた来斗の逆転劇が本格的に始まっていくのである。
まずは来斗は経験値稼ぎに向かって動き出す事にした。
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三雲来斗 16歳 男 レベル:1
天職:無名剣士【ノービス】
攻撃力:5
HP:5
防御力:5
素早さ:5
魔法力:5
魔法耐性:5
スキル:錬成
装備。銅の剣。攻撃力+10→変更 属性剣(エレメントソード)攻撃力+50
※四属性の属性効果が付与(エンチャント)されている。
旅人の服。防御力+10
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◇
属性剣(エレメントソード)を手に入れた来斗は経験値を稼ぐ事に決めた。とはいえ、簡単ではない。強力な武器を手に入れたからと言って、来斗はLV1の無名剣士【ノービス】だ。
武器が強力になったところで、地下迷宮(ダンジョン)のモンスターとのLV差は著しかった。その為、とても侮ってかかれるような相手ではない。
戦闘は慎重を期す必要がある。何も正々堂々、正面から闘う必要などない。これはスポーツではないのだ。命の取り合い、戦争なんだ。
来斗は高い所から機会を伺う。じっと、様子を見ていた。下にいるのはオーク兵である。オーク兵はフロアを行ったり、来たりしている。見回りをしているようだ。
オーク兵の行動にはある程度の規則性がある事を来斗は知っていた。そしてその弱点もまた。
来斗は、オーク兵に奇襲をかける事にした。オーク兵は来斗のいる場所で、仲間の群れと別れ、一匹になる。そして、ちょうど、来斗の方へと歩いてきた。
「よし……パターン通りだ」
慎重を期さなければならないとはいえ、それだけではなにもできない。危険を冒さなければな何もできないのだ。来斗は意を決して、高台から飛び降りた。
「はあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」
そして、来斗は属性剣(エレメントソード)をオーク兵に突き刺しにかかる。
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