第171話
「え、土属性ですか?」
ここはいつもの宰相閣下の執務室、ではなくもっと奥まった王族のプライベート区画にある一室だ。いつも案内してくれる人と違うなー、なんて思いながら後を付いて来たらこんな所へ来てしまった。俺達なんかが気軽にこんな所へ入って良いのかい?
「土属性の魔法も使えるのであろう?」
そして、奥まった部屋で国王陛下、王妃殿下、王子殿下お二人、宰相閣下に取り囲まれてつるし上げられている真っ最中です。折角
「誰からその様な話をお聞きになられたのでしょうか?」
大体土魔法は隠していた筈なんだよね。この人たちの耳目を集める様な所で使わない様にしていたんだけどなぁ?何故知っている。解せぬ。
「お前の相方のアンナが話をしているところを聞いた者がおる。お前の持っている真っ白なナイフは土魔法で作った物だとな。」
はい、リーク元はアンちゃんでしたー。違う奴なら暗い夜道でシバキ倒してやろうかとも思ったが、アンちゃんじゃあ仕方ないね。俺の袖をぎゅっと掴んで来るアンちゃん。怒らない、怒ってないから大丈夫だよ。その代わり、今晩の晩酌、多めに飲んでも怒らないでね。
「確かに私は土魔法も使えますが・・・。」
「4元素使いとは、恐れ入ったよ。」
俺としては貴方の方が恐ろしいです、宰相閣下。一体どの位情報収集網を張り巡らせているのですか?アンちゃんだって言いふらして回っている訳じゃ無いだろう。偶々何かの拍子にポロっと口に出しちゃった感じだと思う。それを拾い上げて、纏められているとは。俺ってこの国でどんな扱い何だ?危険人物扱いなのだろうか?あ、危険人物だったら陛下にお目通り出来る訳ないわな。
「話を戻させて頂きますと、ギルバート殿下のお望みは土魔法の強化という事でお間違いありませんか。」
「その通りだ。」
「何故土魔法なのか、理由をお聞きしても宜しいでしょうか。」
「それは儂から話そう。」
そこでギルバート殿下ご本人からこの国の行く末について国王陛下と兄殿下に質問があったらしい。領土的野心があるのか、と。その返答は領土を拡大するよりは先ず内政を充実させると言うものだった様だ。現国王と次期国王の治世では、侵略戦争は起こさないって事だ。平和が一番だよ。よその国が攻めて来たら戦わざるを得ないので、全く戦争が無いかと言われると分からないけどね。
もし戦争が起きたら、
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