第61話
俺の魔法の流派をコーラス流と名乗った途端、国王陛下から宰相閣下にお声が掛かった。何やら、またごにょごにょお話されているご様子。こちとら殆ど床しか見ていないから良く分らないもんね。
そうこうしているうちに話は纏まった様で、今度はアンちゃんに質問が飛んだ。
「アンナとやら。お前は剣の修行をしているそうだが、何処の流派だ?」
「レイウス流でございます。」
「おお、レイウス流か。確か
そう言えば、アンちゃんに俺の
「いえ、私はヘルツ
「おお、お前はカンデラ王国の民であったか。」
衝撃の事実。何とアンちゃんは外国人だった。うーん、正直あんまり変わらないと言うか実感わかないなぁ。見た目とかその辺の人とおんなじだし。言葉は・・・言葉はもしかしてコーラス様に頂いた言語理解が良い様に働いているのでは?もしかすると俺は知らず知らずバイリンガルになっていたのか。
(おまえに与えた能力とは関係ないと思うぞ。)
何かコーラス様のお声が聞こえた様な。コーラス様、またこちらを覗いてドラマでも見る気分で楽しんでいらっしゃるのでしょうか。台本を頂けない道化は大変です。って、アンちゃんの話を良く聞いておかなきゃ。
「我が国とカンデラ国のレイウス流はあまり仲が良くないと聞くが。」
「その件は何卒ご容赦を。身内の恥にございます。」
何だろう。こっちが本家だ、宗家だっていう言い争いでもあるのかな。江戸柳生と尾張柳生見たいなものか?
「かなりの腕と聞いているぞ。後で騎士団と模擬戦などしてみるか?」
「ありがとうございます。是非胸をお貸し頂きたくお願いいたします。」
元々が武者修行の旅だから、アンちゃん喜んでるよ。
「今回の功績に対して褒美を取らそうと思う。何か希望はあるか?」
俺は早く帰りたいだけです。でも一つだけあるか。
「恐れながら、こちらに居るアンナに他の流派の道場を見学するための紹介状を頂けないでしょうか。」
アンちゃん驚いたのか俺の方を見ちゃったよ。動いちゃダメだって。
「ほう、そんなもので良いのか?」
「ご存知とは思いますが、私とアンナはペアを組んでいます。私は魔法を使いますが、接近戦は苦手と言うより出来ません。アンナが強くなる事は私にとっても重要な事なのです。」
「分かった。後で紹介状を渡すとしよう。」
やれやれ、これでやっと国王陛下との謁見も終わりかな。
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