小話 その12

 ファミレスで待っていると「やほー♪」と、声をかけられた。

 その人を見ると、待っていた君。

 会いたかった、僕の

 

「のんちゃん、待たせてごめんね」

 向かいの席に着いて、開口一番がその一言。

 気にしなくて良いのに。

「大丈夫だから気にしないで」

「ありがとう!」

 1ヶ月ぶりに会ったけど、会うたんびにどんどん綺麗になってくなぁ~。

「そうだ、はい!これどうぞ!」

 淡いピンクでラッピングされた箱がテーブルの真ん中に置かれた。

「バレンタインのチョコです!お口に合うか分かんないけど…」

 不安そうな表情しないで。

「つばめちゃんの手作りは美味しいんだし、自信持って!」

「ぅぅっ…ありがとう」

 可愛いなぁ~。

 僕の中で自分と向き合い、お陰で大きな変化となった。

 タイミングが遅かったから、卒アルの個人写真は1学期の時に撮ったから、ビフォーのまま。

 それでもいい。

 目の前の女の子に、振り向いて欲しかったから。

 前の自分の時に初めて会って、友達になって仲良くしてくれて。

 淡い気持ちのまま、フェードアウトしていくものと思っていた。

 でも、あの夏。

 幸虎ゆきとら君の言葉がきっかけで踏み出せた。

 2学期が終わって冬休み。

 くさいかな、カッコつけ過ぎたかな。

 クリスマスに会って、ご飯食べて、帰りに僕から告白した。

 当たって砕けろ(砕けたくはないと願って)で伝えたら成功した。

 今はまだ付き合いたてで、最も楽しい時期。

 それが過ぎたとしても、僕達には関係ない。

 知らないうちに勢いで付き合っているんじゃなく、友達を通して互いにある程度知っているから。

 これから彼女のことをもっと知っていくと思うと楽しみだし、僕のことも知ってもらうとなると、受け入れてもらえると良いな。

「のんちゃん、パフェきたよ!」

「あっ!ほんとだ♪」

 ボーッとしていたら、注文した大きなパフェがきた。

「シェアしますか♪」

「だねっだねっ!」

 僕とつばめちゃんは、大きなパフェをシェアして食べた。

 いつもよりも甘くて、美味しかった。

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