第78話
「はぁ…はぁ…」
今、何時だろう。
口から血の味がする。
外は夕方…なら、帰らなきゃ…。
でも、お腹は痛い、足も痛い、頭はぼうっとする。
完全に、やられた…。
「気分が良いや!今までのイライラがなくなってさ!」
「さて、ラストの一発やって帰すか」
「えーもう終わりー?」
「もう少しやろうよー」
「次いつにするんだよ?」
ラストとか言って十分に殴る蹴るをするんでしょ…。
「さ、やろうか」
この合図で、私はまた体力的にも精神的にも、壊れかけた。
※
「これ見て」
スマホ画面を突き付けるように見せた。
「な、何だよこれ…」
「僕が聞きたいくらいだよ」
文化祭の時に脅してきたけど本当は良いやつというか小心者の
「アイツ等、いつもどこにいるの?」
「えっ?どこって…」
努は少し考えてから「あっ!」と何かを思い出したようだ。
「ゲーセン、ファミレス…溜まり場は佐藤の家の地下室」
地下…室。
「大きな家なんだね」
「アイツの家、プールもあるし、ボンボンだからな」
「へぇー」
僕より、ボンボン、なーんだ。
「住所、知ってるなら教えて」
「お、おぉ」
努からソイツの住所を転送してもらった。
それを、直ぐに三瓶先輩に伝えた。
「ありがとう、じゃ」
用件は済んだ、行こう。
「待て待て!」
呼び止められた、迷惑。
「俺のことは…」
なんだ、そんなことか。
「言わない」
それだけ言って、努の前から去った。
早く行こう。
※
「ちくしょう…目を離した隙に…」
「一緒に帰れば、こんなことには…」
悔しがる
「起こったことは仕方がないよ~」
「あっ、
小祝が来た。
「三瓶先輩、見ましたか?」
「もちろん!発信器調べたらビンゴだよ~ありがとう~♪」
何の話をしてんだ、この2人。
「何の話って思ってるな?」
ニッと笑う挑夢。
「うん」
「小祝君、文化祭の時に会った努君からとっておきの情報を聞いて来てくれてね」
そう言うことね。
「と言うことで、みんな行こう~」
「「「えっ?」」」
もう行くの?
「走って行けば間に合うはず!それに手配もしてくれたし、ね?小祝君」
すると小祝は頷いた。
情報少なすぎて、会話について行けない。
「早く行かないと、証拠隠滅されかねないからね」
意味深な言葉に、少しだけ背中がゾッとした。
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