小話 その7
「びっくりしちゃったよ本当に!」
「みぃの秘密を知ってしまったのか!」
「2人とも声が大きいってば!」
里と一緒にとある場所へ向かい、先にいたつばめと合流して、3人で中に入った。
色とりどりの世界だ。
可愛いの、クールなの、異彩を放つの、地味なの、シンプルにド派手と多種多様、取り揃えられている。
「まずは店員さん呼ぼう!ちゃんと調べてからじゃなきゃね」
「あー、確かに!」
「うぅっ…」
店員さんを呼んで測ってもらった。
それを元に早速どれにするか選び始めた。
話ながら楽しく選んで1時間は経過していた。
※
帰り道。
「決まったねー!」
「本当に夏を満喫する日が来るなんて!」
元気な2人だなぁ。
「みぃ、大丈夫?」
「バレる、じゃん…」
恥ずかしくて隠してきたのに…こんな形で…。
「大丈夫だって!あっちだって、
「そうかな?」
「上にTシャツ着れば良いよ」
里のその言葉に「それだ!」と思った。
良かった、目立たない方法だ!
「でも、もったいないよ」
もったいない?何で?
私は首を横に振る。
「出すとこ出さなきゃ!ね?」
「だねー!」
嫌なんだけど。
小学4年生から少しずつ身体の変化に気が付いて、最初は戸惑ったけど、そのうち直ぐ止まると思っていた。
でも、身長はあまり伸びないけど、そこだけは私の気持ちを無視するように成長していった。
だから、どうにか隠す方法はないものかと、ネットで調べたら見つけた。
私はそれを買い、ずっと使い続けている。
おかげで、高校の制服の採寸の時でも使っていた為、そのサイズに合った制服になっている。
夏の代名詞ともいえる所に行くという、予想外の展開に私はどうすることもできない。
「みぃ?」
「
ハッ…!
我に返る。
「な、何かな?」
私、不安な顔をしてるんだろうな。
すると2人は私の頭を撫でた。
「大丈夫、絶対に!」
つばめ…。
「何かあったら、私らが守るから!」
里…。
「ありがとう!」
この2人がいれば大丈夫か。
ホッとしたら、お腹空いてきた。
「コンビニ、寄らない?」
「良いね良いね!」
「ちょうど喉が渇いてさー」
みんなでコンビニに寄ってから、帰路に着いた。
もし、見たいって言ったら、ちゃんと見せようと思う。
2人きりの時に、ね。
どんな反応するのかな?
可愛い、似合ってる、て言ってくれるかな?
やっと、ちょぴっとだけ、楽しみになってきた。
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