#31 セージとキヨカの信頼関係
ねーちゃんが、過去の自分の行いをキヨカに告白すると決意した。
その為の段取り(タイミングとか事前の説明とか)は俺が責任をもってすることに。
それで翌日あさイチ、早速キヨカに連絡を取り、ウチに来てもらうことになった。
本当はこの日、キヨカの家で過ごすことになっていたけど、ねーちゃんのことで相談があると伝えると、すぐに予定変更を了承してくれた。
電話を切り、すぐに出かける用意をしてキヨカの家まで迎えに行く。
インタホーンをピンコーンと鳴らすと、この日はキヨカでは無く、妹のマリカちゃんが出迎えてくれた。
『お、マリカちゃん、ちーっす』
「うわ、軽! 相変わらずですね。 おネエ、まだ出かける準備中だから、中で待っててだって」
『そっか、サンキュー。 じゃあ上がらせてもらうね。キヨカはシャワーでも浴びてるの?』
「うん、おネエの部屋で待ってて」
『りょーかい、ありがとうね』
そして2階に上がりキヨカの部屋で待たせてもらう。
10分ほどすると、ドタドタ足音をさせてキヨカが急いで部屋に飛び込んできた。
『キヨカ、おはよう。今日は急に悪いね』
「セージくん、おはよう!」
そう言って、キヨカは思いっきり抱き着いてきた。
お風呂上りのせいで、いい匂いが。
思わずキスする。
「うふふふ、セージくんったら☆」
『早く来すぎちゃったかな? 慌てなくてもいいからな、ゆっくり準備して』
「あ、そうだ!着替えるから、部屋から出て待ってて下さい!」
『え?今更?』
「当たり前ですよ! 私だって恥じらう乙女なんですよ!」
『お、おぅ・・・そうだね・・・』
「なんか、その反応、イラっときますね」
ジト目で睨まれ、そそくさと部屋から出る。
仕方ないので、廊下で待たせてもらう。
日曜の朝から彼女のお家の廊下でポツンと一人で体操座り。
なかなかシュールだ。
20分ほど待たされ、ようやくキヨカの着替えが終わり、再び部屋に入れてもらう。
『あ、そうだ。俺んちに行く途中で、和菓子屋行くか? 豆大福買っていこう』
「え!!!ホントに!? いいんですか!!!」
『おう、今日は俺の我儘で予定変更して貰うし、お詫びとお礼にね』
「もう!セージくん、大っ好きっ!!!」
そう言って抱き着かれて、今度はキヨカからキスの嵐を受ける。
てかコレって、俺のこと好きって言いながら、実は豆大福のがもっと好きってことじゃね?
豆大福を買った後、手を繋いで歩きながら昨日ねーちゃんと相談したことを説明する。
『前にさ、ねーちゃんが高校生の時に色々やらかして退学になった話したでしょ? そのことをキヨカにちゃんと話しておきたいんだってさ』
「ほうほうほう、あまり楽しい話では無さそうですね」
『まぁそうだね。というかかなりヘビーな話だね。 キヨカでもどん引きするかも』
「なるほど。 でもそんな大事な話を改めて私に話しておきたいっていうことは・・・」
『うん、まぁそういうことだ。 ねーちゃんはキヨカのこと相当気に入ってて、でも自分の過去の悪行を隠して付き合うことに後ろめたさを感じてるんだよ。だから、俺からのお願いなんだけど、どんなに胸糞悪くなっても、できるだけ落ち着いて話聞いてあげて欲しいんだ』
「はい、分かりました。 セージくんのお願いなら、どんなことだって私はちゃんと聞きますからね、その辺は任せて下さい!」
『悪いね。でもそう言って貰えると助かるよ』
「その代わり! 今日の分は来週たっぷりと、可愛がって貰いますからね♡」
キヨカは、やっぱり良い子で、でもちゃっかりもしてて、キヨカのそんなトコロが俺は好きなんだと思った。
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