第25話 第六層ボス

 ◇◇◇翌日◇◇◇


「おはようルグア‼ 昨日のあれ大丈夫なんすか?」

「ああ、負荷のことか……。処理は終わってるから問題ない。あいつら、五百人分のエレメントを持っていたみてぇで、少々苦労したけどな」

「はぁ……」


 謎がヤバいことなってる。謎の量がヤバいことなってんすけど‼ あの負荷を処理しきって自滅しないとか、ゾンビじゃん‼

 でも、俺がルグアのところへ来た別の理由があったので、忘れたらいけない。


「あの、ルグア。六層のボス部屋見つけたんですけど、一緒に行きませんか? ちょっと俺、サボってLAラストアタックしかしてないんで……。例の剣も」

「そういや、手柄取られてばっかだもんな。意外さには定評ありってことになる。その気持ちはわかったがちゃんと戦えよ?」

「はい‼」


 俺はルグアを連れて湖に向かう。ここのボスは青龍。と言っても、外国生まれのリヴァイアサン。

 青龍も確か外国生まれだけど、見た目そのものが違う。リヴァイアサンの方が可愛い。青龍はいかつい……。


「もうすぐでボス部屋です」


 湖に架かった橋を渡る。この先の広場がボス部屋だ。目の前でアーチを作る、青い蛇竜。オープンすぎるバトルフィールドだった。

 湖にはいるはずのないサメの群れ。きっと落ちても死しかない設定なのだろう。


「クリム‼ 来てくれ‼」

〖おや、お呼びのようで。ボス戦で使うのじゃな?〗


 ひょっこり顔を出したクリムが、ルグアに質問する。その質問に……


「いいや、使うのは私ではない。アレンの方だ。ま、私と交互に使うと言えば楽だろうが……」


 えっ⁈ マジっすか⁉ 最初から俺が使うってことじゃん‼ ルグアの優しさも最高だぁ~‼

 俺は喜びでいっぱいになった。もう、早く〈クリムゾン・ブレード〉持ちたい‼ どれだけ重いのか知りたい‼


「一旦、アイテムの所有権を解除して……、と。アレン、持って良いぞ‼」

「あざっす‼」


 剣に近づき柄を握る。ゆっくり持ち上げた剣は、10キログラムの米袋五、六袋分。何とか持てたが片手は難しそうだ。

 これを難なく片手で振り回すルグアは、ギャップだらけで面白い。早く戦いたくなってくる。


「んじゃ私は、神剣シリーズ初期段階装備の〈レヴェネス・ソード〉を……」


 なんかまたかっこいいの出てきた。それはさておき、第六層ボスリヴァイアサンとのバトルが先だ。

 カナヅチだから復帰が大変だと思うけど、できるだけ落ちないように慎重に戦えば良い。俺とルグアは、バトルフィールドに向かった。

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