第4話 神降臨⁉
◇◇◇第二層ボスダンジョン◇◇◇
「んじゃ、肩慣らしに」
ルグアは狭い通路のダンジョン内で体操中。目の前には、どんどん近づくゴブリン達。だが、体操をやめようとしない。むしろ、気持ち良さそうにカウントしている。
もしや死ぬ気⁈ デスゲームなんだよ⁉ 普通は体操している場合じゃないじゃん‼ そんなルグアを守るべく剣を構える。
「アレン。ここは私一人でやらせてくれないか? 実は、まだこのゲームでバトルしてねぇんだよ。少しはウォーミングアップを……」
団長が体操している間も、ゴブリンは近づいてくる。敵との距離は約2メートル。
「でも、ルグアのステータスって瞬殺じゃん‼ ほんとに……、いない⁉ ルグアがいない‼」
俺が言い切る前に姿が消えていた。3分後。ゴブリンがいた場所を見ると、すでに全滅した後でルグアが歩いて戻ってくる。一千体以上いたはずなのに⁉
「終わったぜ‼」
速すぎる‼ 神? HPどれくらい残ってんの⁈ 鬼畜ゲーマー⁉ ってか何歳⁉
「ん? 二十二歳だが、それがどうした?」
二十二‼ 社会人⁉ 俺より歳上で処理速度速すぎね⁈ っていうよりなんで疑問がわかったんだよ‼
「勘」
なんですとぉ⁉ 勘ってヤバすぎる。千里眼あるんじゃね⁈ 超能力とか? やっぱ、団長神⁉
「おーい。アレーン。早くしないと置いてくぞー。今日中にこのダンジョン終わらせるんだからなー」
半分棒読みのセリフ。この人何者? プレイ感覚が異常すぎる。人のこと言えないけど……。
「は、はいぃ‼ 今、行きます‼」
先を急ぐルグアを追いかける。なんか、この人は激弱で超強なのかもしれない。やっぱり感覚がわからなかった。
ダンジョンは山の中。洞穴の中を進んでいく。道が枝分かれした場所もたくさんあったが、ルグアを追うと行き止まりになることが無い。
「ルグア……。道知ってるんじゃ……」
「ん。知らねぇけど? ただ単に勘と風向きに従っているだけだ」
「そうっすか……」
ルグアの勘。どこまで本当なのか? わからなくなってきた。どこかで突き当たりに引っかかって欲しい。
ということは一切無く、迷いもしないままボス部屋に到着してしまった。ルグアはやる気満々で、剣を手のひらで高速回転させている。
ってことは剣ってペン扱い⁈ ペン回しじゃん。それに良く刃に触れないなぁ~。
この人は謎すぎる。それよりもボス戦は⁉ ボス戦どうした⁉ ルグアはというと、なにやらメニューを操作している。
「よし‼ リミッター解除したし、早速行くか……」
えっ⁉ リミッター? リミッターって何⁈ 一体何のリミッターなの‼ 教えて‼ 早く教えて‼
そうしているうちに、ボス部屋の扉は開いていた。顔を出したのは狼。見上げた瞬間、大きすぎてルグアにぶつかってしまった。
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