ROUND20 VS ファッション

南山之寿

「廃棄予定の漫画を、1巻から最終巻まで、ついつい読んでしまいました。あ、もうお昼か……。早起きしたけどなぁ、とちょっと後悔してます。皆様のスマホ画面を掴んで離さない心の友、南山之寿です」


ゼオン

「新手のウイルスか……?大した用事もないだろ。ちょうどいい、暇つぶしだ」


ロイド

「何かしら、用事があると思いますよ! ね、南山さん!」


南山之寿

「……」


ゼオン

「特に、無さそうだな……」


南山之寿

「ふっ……。今日ばかりは、予定があるんです」


ロイド

「何ですか?」


南山之寿

「服を買いに行きます!」


ロイド

「あ、このポイント期限が近いんですね」


南山之寿

「すっかり忘れてました! ポイントだけで服が一着買えそうなので、もったいないなと思いまして」


ゼオン

「なるほど。で、その散らかったケースは何だ?」


南山之寿

「今、どんな服があって、何が必要なのか。分析してます」


ゼオン

「彼を知りて己を知れば、百戦危うからずだな」


ロイド

「微妙に違うような……。それにしても、何で二人共、足の小指にテーピングをしているんですか」


南山之寿

「ケースと小指が衝突して、かなり痛みが……」


ゼオン

「誰しも、弱点はあるものだ……」


ロイド

「そこまで痛いなら、病院に行きませんか……」


南山之寿

「湿布で十分です」


ゼオン

「ツバでも付けておけば、十分だ」


ロイド

「病院嫌いなだけですね……」


ゼオン

「まあ、しかしだ。何を買うのか決めたのか?」


南山之寿

「何となく。大抵の買い物は、要らない物や、同じ色味のなりがちですが」


ロイド

「分析の意味、ありますか?」


ゼオン

「ニワトリ頭には、分析は無理だな」


南山之寿

「買い物の七不思議ですよ。セールストークにのせられてしまう。幻術には勝てません」


ロイド

「それで、結局何を買ったんですか?」


南山之寿

「春先に使える、ジャケットです」


ゼオン

「それ、店員も着ていたな……」


ロイド

「マネキン買いですね……」


南山之寿

「安牌……。マネキンが、私のファッションを掴んで離さないんですね」


ゼオン

「南山……お前のセンスは、一巻の終わりだな」


南山之寿

「打ち切り漫画……」


ロイド

「一巻で終わり……」


南山之寿

「……お後がよろしいようで……」


ゼオン

「きついだろ!!」


南山之寿

「試着しないで買った、このパンツばりに」


ロイド

「痩せれば……」


南山之寿

「試着は、面倒くさがらずしっかりと!」


ロイド

「では、また次回!」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る