最終話 スマホのようなユニークスキルで異世界を生きる

 災厄ベルゼとの戦いから数日後……



 王都の外にレンはいた。


「荒れてるなぁ。ディザスターとの戦いがあった後の場所だから当然か」


「治したいけどみんなMP切れで疲れてたからね!」


 エリアスが答える。


「みんなでレンにMP注いだんだから、感謝しなさいよ?」


「そうだな。感謝するし、これからもしていくよ」


 ルティアの言葉にレンは答える。ナビゲーターだけでは、ユニークスキル《バックアップ》を使うのは無理だったようだが、みんなの助けがあって戻って来れた。




「やっぱり生きてるって素晴らしい!」


「それ、俺のセリフだろうに」


 ミラが大声をあげている。王都の中でやれば近所迷惑になることは間違いないが、外なので良いだろう。


「みんな死にかけてましたからなぁ〜、しかし、決戦を終えるとどんなものでも綺麗な景色に見えるもんだ」


 確かに、みんなが命がけで戦ったから今を生きている素晴らしさを感じるのも納得だ。




 4人並んで、のんびりと空を眺める。いつの間にか心地よい風も感じるようになっていた。


「アニメなら、ここでエンディングとか流れてそうじゃない?」


「アニ……メ?」


「何の話よ、ミラ?」


「ミラ、そんなこと考える奴はなかなかいないぞ」


 笑いながらレンが答える。


 こうしてると、ようやく終わったなぁ……としみじみと感じる。



「あ!レン、なんか終わったみたいな顔してるけど、これからがスタートなのよ?満足そうな顔してるけど」


 とルティアがレンの表情を見て言ってくる。


「まだまだやってないことばっかりでしょ?」


「ああ、よくよく考えると全くだよな!」



 訪れてみたい国がある。


 迷宮イージスの100層にも辿り着かないといけない。


 レイとの約束もある。


 元の世界に戻る手段も探してみたい。




 自分がこれからどこまでいけるのかもまだわからない。


「楽しみだな」


 初めて異世界にやってきた時のようなワクワクを感じる。ここまでも色々なことがあったが、これからも多くのことを経験していくのだろう。



「何が起きても大丈夫!だって私達みんな強くなったし、レンなんてもう誰にも負けないでしょ?」


 ミラが楽しそうに話す。これからの冒険を想像しているようだ。


「ホントよね、世界最強になったんじゃない?」


「どうだろうな?世界は広いから、もしかしたらとんでもない奴に出会うかも」


 行ったことがない場所の方が多い。出会ったことがない人の方が圧倒的に多い。それも楽しみの1つだ。


「私も、あなたとならどこまでだって行けそう」


 エリアスの言葉にレンは笑みを浮かべて、3人に振り返る。


「さあて、行こうか!」


 レンの言葉に3人は頷く。



 便利なユニークスキルで最強になったレン・オリガミのこの世界での冒険は、まだまだ始まったばかり……



                                       完




 ここまで読んでくださりありがとうございました!ボチボチ応援してくださったコメントに返信していけたらと思ってます。

 少しずつ、アフターストーリーも考えてますのでまたお会いできたらと思います。

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[完結してます]スマホのようなユニークスキルで異世界を生きる〜便利なスマホ能力で最強に〜 @Ritoha5680

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