第44話 ダンジョンへっ! その2
「ということで……早速やってきました! 謎の
一瞬で視界が切り替わり、目の前に広がるのはグレンさんから持ちかけられた緊急依頼。
イストワール王国が王都ノリアナの近郊に突如として出現した謎の迷宮っ!!
「むふっ!」
グレンさんに見せてもらった依頼書にはちゃんとこのダンジョンの場所も書かれていた。
ちゃんと座標さえわかっていれば……私にかかれば転移魔法で転移することなんて容易いのだっ!!
「ふふふ、流石はソフィー!
凄いわっ!」
「ふふんっ!」
自慢じゃないけど。
僅か10歳にしてここまで転移魔法を使いこなせるのは多分世界を探しても私くらいだと思う!
なにせ天才と称され、弱冠15歳で賢者に至ったアルトお兄様ですら転移魔法を使えるようになったのは13歳のときらしいし!
っと、悦に浸ってる場合じゃなかった。
ノリと勢いでいきなり転移して来ちゃったけど、グレンさん達の前では仮面を外してたから仮面を着けないと!
まぁ、グレンさんから一番最初に話を聞いて、すぐに転移してやってきたわけだし。
他の冒険者達はまだ誰もいないだろうから大丈夫だとは思うけど……念には念を入れないとね!
「しかし、これは……すごいですね」
見た感じは荘厳で巨大な神殿って感じで、竜王の姿になったルミエ様にも劣らないほどの神聖な空気に満ちてる。
上に連なってないってことは地下迷宮なんだろうけど……うん、これはぶっちゃけイストワール王国の王城よりもすごい!!
「まぁ、そうでしょうね」
そうでしょうねって……そのいい方だとルミエ様はこのダンジョンの外観がすごいってことをある程度察していたってことかな?
グレンさんに見せられた依頼書にはダンジョンの場所とか、報酬とかは記載されてたけど、ダンジョンの外観については載ってなかったのに。
「ふふふ、気にしないで。
ただ、このダンジョンを創った人に心当たりがあってね。
あの人の事だから、どうせ外観も凝った造りにしてるだろうと想定してただけだから」
「なるほど……ん?」
んん? ルミエ様、今さらっとすごいことを口走りませんでしたか?
このダンジョンを創った人に心当たりがあるって……
「そこの2人!」
「むっ」
来たな!
ダンジョンの入り口前に設営されてる騎士団の仮設陣営から軽装で走ってくる1人の騎士。
騎士が私達の方に向かって来てることは知っていた!!
だって普通に見えてたし。
グレンさんから騎士団が既にダンジョン前に陣営を作って待機してるなんて話は聞いてなかったから騎士団の目の前に転移しちゃったけど……
まぁ、さすがにこの距離に転移で突然現れたら気付かれるのは当然だけから仕方ない。
この距離なら私の顔までは見られてないだろうし問題なし!!
もしかしたら顔を見られてたかも知れないけど……うん、細かいことは気にしたら負けだ!!
「あの、今突然そこに現れたように見えたのですが……貴女達はいったい……」
きたっ!!
「私はソフィー。
冒険者ギルドより依頼を受けて来たAランク冒険者だ」
き、決まった〜っ!!
「ふふっ!」
ルミエ様!! どうですか!? どうですかっ!?
「ふふふ、カッコよかったわよ」
「ふっふっふ〜!」
そうでしょう! そうでしょう!!
「Aランク冒険者……」
「えぇ、私もソフィーと一緒に依頼を受けて来たAランク冒険者よ。
突然現れたのはソフィーが転移魔法を使ったからね」
「っ!! 確かに転移魔法なら突然現れたのは事にも納得できる。
だが、こんな小さい子が本当にAランク冒険者なのか……?」
むっ! 失礼な!!
騎士さんは私達には聞こえてないと思って小声でぶつぶつ呟いてるけど、私達にはしっかりと聞こえてるんだぞ!
「むぅ〜」
そりゃあ、冒険者登録を行なって冒険者になったのも、Aランク冒険者になったのも昨日だけど……
私は歴としたAランク冒険者なのだよ!!
「まぁまぁ、ソフィーと私が冒険者になったのは昨日なのだからこの人が私達のことを知らないのも、Aランク冒険者だって信じられないのも仕方ないわ」
「それは、そうですけど……」
「昨日……っ!! ま、まさか貴女達が噂の……!!」
噂って?
「し、失礼しました。
指揮官の所までご案内しますので、こちらへお願いできますか?」
「あっ、はい。
わかりました」
よかった、なんで指揮官の所に案内されるのかは謎だけど……とりあえず。追い返されたりせずにちゃんと案内してくれるらしい。
「う〜ん」
それにしても、騎士さんがいった噂ってなんだろ?
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