増える? 増えない?


「しっかし、ネロくん酷いよねぇ‥‥‥。こんな可愛い女の子なのに男の子だと思ってるなんてさ~」

「いや、お前。ボクって言ってるし、間違えるだろ」


「いや、間違えないでしょ」

「どう見ても女の子じゃない」

「また増える‥‥‥」


 ナタリー、増えないって! 


「あ、ボクはどっちでも良いよ、別に~。既に傷モノにされて、ネロくんのをいーっぱい注がれたからね~」

「言い方ぁ!!!」


 完全に誤解を招く言い方すんな!!

 木の幹に傷をつけて水魔法で水を注いだだけだから! 治療だから!

 

 ほら~、奥様方引いてるじゃないか。

 ユラはケラケラ笑ってやがる。

 クッソ、こいつ楽しんでるな?


「そう言う言い方するなら、もう俺の水はやらないからな」

「あ! ウソウソ! ごめんてば! 冗談じゃないか。奥さん方、ネロくんに治療してもらったのは本当だよ。感謝してるんだ」


「ユグドラシル様はこう言う戯れがお好きなのです。ネロ様は誓って治療を行われただけですのでご安心ください」

 カミラさん、ナイスフォロー!! 

 グッジョブ!!


「ふぅ、わかったわ。要するに増える訳ではないのね」

「これ以上はさすがに面倒だもんねぇ」

「ローテーション組み直すの大変なのよ? ポンポン増やさないで! って言っても無駄かなぁ‥‥‥」



「ただいまニャー、 ? 誰ニャ?」

「ただいま、旦那。また新しい女かい?」

 また別々に現れた。

 もういっぺんに来いっつーの。

 

 もう! 誰のせいだよ!!


 ‥‥‥俺だよ。俺が増やしたからいけないんだよ‥‥‥。すんません‥‥‥。


「ともかく、ボクが来たらこの辺の農作物は豊作になるよ。そういう加護を与えちゃうからね」

「あ、それはありがたいですね。よろしくお願いします」

 あ、ナタリーが陥落した。



「世界樹の実も毎日食べられるよ!」

「「ようこそ!」」

 シャルとマリアも秒で陥落した。

 二人とも現金だな‥‥‥。


「ウチらは元々どっちでもいいニャ~。でもあの実が食えるのは嬉しいニャ」

「旦那に拾われて本当嬉しいよ」



「あぁっ!!!! やっぱりネロくんの水は世界一ィィィィーーー!!!!」

「おい! その言い方やめい!」


 色々マズイかもしれんだろ! 


「お陰でだいぶ早く成長出来たしね、ありがと。ネロくん」

 チュッとほっぺにキスされた。まぁこの程度なら問題なかろう。


「世界樹の実、取っていって。足りなかったら本樹の方から持って来るし‥‥‥」

「ありがとう。みんなこれ好きだからな」


 これだけ有ると王宮にお裾分けした方がいいかな?


「出処を聞かれても大丈夫ならボクはいいけど‥‥‥」


王宮に持っていくにしても、出処を聞かれて、他の上級貴族にも話が広がって‥‥‥。

「うん、内緒で!」

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