帰宅すると


「それではネロ様、我々はこれで‥‥‥」

「お元気で‥‥‥」

「ありがとうございました」


「ん、はい。皆さんもお達者で‥‥‥」

 変貌してしまったこの国の実力者パーティーは亜空間から出てから、敬語のままだった。


 帝国西側の砂漠化の原因を調べるという調査依頼を受けたそうだが、時間もかかるし大変だろうな。


 ともかく報酬も頂いたし、我が家に帰るとしよう。美しい妻達と可愛い子供達が待っている。




「ただいまー、あれ? カミラさんどうしたの?」

「あっ! お帰りなさいませ、ネロ様。世界樹の枝が実を結びました‥‥‥。こんなに早く‥‥‥」


「あっ、そうなの? 良かった! どれ見せ‥‥‥」

 瞬間、視界が暗くなった!?


「だーれだっ!!!!」

「その声は‥‥‥、もしかして‥‥‥」

 視界が明るくなり、振り返るといた!! 


 ユラだ!


「ジャーン!! ボク参上!!!!」

「ユラ! 来たのか? あれ? でもどうやって?」


「世界樹の枝が根を張って、実をつけるまでになったから、ここに来られるようになったんだよ」

 ほうほう、世界樹としてとりあえず一人前になったからここにも精霊体として顕現出来る様になった訳だ。


「ネロ、おかえり。で、その子誰?」

「ネロくん、おかえりなさい。どちら様?」


 マリアとナタリーがビアンカ、フローラを抱っこして外に出てきた。


「キミ達がネロくんの奥さん? 赤ちゃんも! 可愛いねぇ~!!!! ボク、ユラだよ。これからよろしくね!!」

 

「これから‥‥‥!?」

「‥‥‥ネロくん、また増えるんですか!? 前もって言って、って言ったはずよ!」


「え? あぁ、違う違う。ユラは男の子だし」


「「どう見ても女の子でしょ!!」」

 ? !? え? 少年だろ? 

 ボクって言ってるし‥‥‥

 

「おい、ユラ。お前、男だよな?」

「え? どっちかって言うと女だよ!」


「は? 男じゃないの?」

「ネロくん、酷いなぁ。世界樹の実なんてつけるんだもの、女の木に決まってるじゃん!」


 !!!! 

 そう言われればそうかも‥‥‥


「コホン、改めて紹介するよ。世界樹の精霊体、ユグドラシルのユラだ」

「ユラだよ~! よろしくねー!!」


「世界樹の‥‥‥!?」

「精霊体‥‥‥!?」


 とりあえず屋敷の中に。

「ネロ、おかえり。で誰? その子?」

「シャル‥‥‥ただいま‥‥‥」

 再度、おんなじ説明をした。

 まったく、いっぺんに出てきてくれよ!

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