仲間達
転移陣で戻ってきた。心が沈んでいた。周りが騒いでいたが耳に入って来ず帰ろうとして止められた。
「疲れたので今日は休ませて下さい」
と言ったら解放された。
寮に戻る。寮の入口に三人がいた。
「「「ネロ、ごめんなさい」」」
三人が頭を下げる。
「別にいいよ」
投げやりな言葉を返す。
「ワタシ達、強くなるから」
「ネロ、先で待ってて」
「僕達、頑張るから」
泣けてきた。
「俺は強くない。腕力もない、体力も無い、あるのは魔力だけだ。少し素早くて先制出来るから勝てるだけなんだよ」
「わかってるわ。でもワタシ達が弱くてアナタを守れないのも事実なのよ」シャルも泣いている。
「今の僕達じゃネロの隣にいる資格がないんだ」クリフも涙目だった。
「グスッ、私達づよくなるがら。頑張るがら。グスッ、づよぐなったら今度は、グスッ、あなだを守らせでぐれる?」
マリア、涙で声が酷くて、でも言いたい事は伝わった。
「わがっだ」
そう言った俺も声が酷かった。
みんなで泣いていてさぞかし周りの人は変に映った事だろう。
大泣きしたら少し気持ちがスッキリした。冷静になって今後のことを考えよう。とりあえずダンジョン実習の単位が取れた。
コレにより学院に来るのは週三日になり時間が取れる様になった。もう一つ実習の単位が取得出来ると通常のダンジョンに入れる様になる。
通常のCランク以上の冒険者同様ダンジョンでの狩り、稼ぎ、レベリングが出来るのだ。
平原や森とは違いモンスターが強くて多い。二年次の実習も補助付きで通常ダンジョンで行われる。
仮免受かって路上教習みたいな感じだ。うん、我ながら例えが絶妙だ。
だが今日は疲れた、MP①を使い切るほど魔法を使ったのだ。こんな事しばらく経験してなかった。ステータスを見たら、レベルが上がっていた。
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