第605話 勇者のレゾンデートル(存在意義)13

オーリス王国の魔物襲来事件、そして今回のライオネル公国の魔族襲来事件、そして、その前にあった魔物襲来事件‥‥‥今回の3件の事件では、無事に倒すことができて、人の被害はなかった。


俺たちが、早めに察知することができたことが、一番の理由。


あっ、そうだった、他国では被害が少ないが出ていた。


今からも、こんなことが起きることが続いていくのか?


今のところ、俺たちの方が強いから、いいけど、奴だって対策くらいは立てるはずだ。



俺は世界中に、魔物や魔族の索敵を展開していくことにしているが、いつもと言うわけにはいかないので、一番、魔力消費が少ない検索魔法なら常時、発動させることができる。


メンバーを集めて「俺の検索魔法を、世界中に展開させているから察知したら、すぐに状況を把握する必要があるから、一人で見てくるから、連絡は絶やすことがないように頼むね」


「うん、それはいいけど、クリスが寝ている時は、どうするの?」とアリシア


「寝ている間も自動で展開しているから大丈夫だよ」


「寝ている間も魔法を行使できるの?」とソフィア


「うん、できるよ」


「もう、何でも有りね」とイザベラ


「本当ね」と半分、呆れているソフィア


「でも、クリス様ですから」とシャーロットが意味不明なことをいう。


「そうですよ、クリス様だから、もう諦めましょう」とセラフィーナがひどいことをいう。


「みなさん、ご主人さまに対して失礼ですよ」とジャネットが援護してくれる。


「は〜い」と全員の声が揃う。


そこに久しぶりにレイチェルから連絡が入った。


『クリス様、ちょっといいですか?』神レイチェルからの念話


『はい、なんですか、レイチェル』


『あの、デズモンド帝国に勇者が現れました』とレイチェル


『えっ、それで?』


『えっ』


『別に俺以外の勇者がいたって問題ないじゃない』


『それは、そうなんですが、勇者のパーティーと勇者信者が現れたんですよ』


『勇者だってパーティー暗い持つでしょ、俺に信者がいたって、いいんじゃない、信者というよりもファン?』


『それが、そうじゃないんですよ』


『以前も俺のことを語っていた紛い物がいなよね』


『今回の奴らは、以前からいたんですが、国王に取り入って変なことをしているんですよ』


『そんな奴、以前からいたの、いつから?』


『え〜とですね、1年前ですからです」』


『1年前‥‥‥それで勇者は本物なの?』


「それがわからないんですよ』


『どうして、わからないの? 神レイチェルなら知っているはずでしょう』


『私でもわからないことはありますよ。でも現世では勇者は1人のはずなんです』


『勇者は1人?』


『はい、その1人がクリス様じゃないんですよ』


『えっ、俺が勇者じゃない?』


『ええ、そうなんですよ』


『じゃ、向こうが本物ってこと?』


『はい、今のところ‥‥‥でも、でも、勇者はクリス様しかいないはずなんです』


『‥‥‥』


俺が勇者じゃないって言われると、嫌な感じがしてドキッとしてしまうが、ホッともしている。


『俺の勇者としての称号が相手に移ったということ?』


『いいえ、確認してみればわかると思いますが、クリス様は、変わらず勇者の称号がついています』


と言われたので、俺はステイタス表を出して確認して見たが、以前、見たことを変わりない。


勇者もついているし、救世主もある、そしてそれ以外のものもある。


『じゃ勇者が世界に1人しかいないはずなのに、2人出現したということ?』


『そうなんです、だから困ってしまって』


『相手は本物か、わからないということだよね』


『はい』


『これは確認する必要があるね』


『お願いできますか?デズモンド帝国は、地図を送っておきますから』


『うん、わかった』


『じゃ、あとはよろしく』と行って念話が切れた。


レイチェルは忙しいみたい。


しかし勇者は多いことにはいいんだけど、レイチェルが言うには、偽物っぽいわけだけど、称号がついている見たい、そこのところが意味不明なわけだ。


勇者の称号が付いている奴を確認するためにデズモンド帝国にいく必要ができた。


しかし、どこで、なにが起きても対処できるように検索魔法は展開したままにする。


俺たちには念話ができるから、どこにいても加盟国からは通信が可能だ、いまだにリンゴを使って話かけているけど。


俺? 俺はリンゴになんか、話かけないよ。なんだか人形に話しかけてる危ない人になってしまうから。


リンゴから変更しないのは、どこも言ってこないから…


コリンに他国にいくと言う紙をかいてもらい、加盟国に送ってもらう。そして各国から了承してもらって、正式にいく事ができるが、緊急の場合は違う。


緊急の場合はすべて俺に任されている。


俺も勇者と言っても、しがらみに縛りつけられている。


食っていくためには、しょうがないことだけど。


そんなおり、またサイラス帝国に魔族が襲来したみたい。


俺の検索魔法でも、数人しか反応しないが、魔族の数人という単位では大きい。


どうするべきか?


2箇所に同時にいくことはできないが、分身体を派遣することも可能だが、二つに分けることにした。


今回は、サイラス帝国には、王族であるセラフィーナ、シャーロットと俺の三人で対処することにした。


あとのメンバーたちは、先にデズモンド帝国に向かって情報収集をしてもらう。


サイラス帝国へのメンバーが少ないのは、もちろん俺の大規模魔法を使うつもりだからだ。


時間をかけてはいられないから、さっさと片付けるつもりでサイラス帝国に行くことを決めた。


しかし、メンバーから異論が出た、


アレクとアデルとエイミーとアイリスを連れて行けと。


俺はやむなく四人を連れて全員で俺も入れて七人で向かうことになった。


つまりちょうど半分になったのだった。


「じゃ、デズモンド帝国の方は頼んだね」


「はい、わかりました、ご主人さま」とジャネット


「じゃ、俺たちは、サイラス皇帝に挨拶して、魔物を倒してくるから、何かあったら連絡するように」


「はい、ご主人さま」とジャネット

「うん、わかった」とアリシア


それぞれが了解の意思を示して、転移していく。


俺は最後のアリシアとジャネットの転移を確認して「じゃ、みんな、行こうか?」


「どこに転移するの?」アレク


「えっと、サイラス皇帝の城の借りている部屋だよ」


「やった、ミーアに会える」


「あっ、そうだね、ミーアがいる城に行けるね、久しぶりに会うことができるね」


「うん、楽しみ」


サイラス皇帝陛下は、アレクのことをたいそう気に入っている。


以前にサイラス皇帝のお嬢さんのミーアを誘拐されて、それを助けたのが縁で、知り合っている。


アレクはサイラス皇帝のことを、”おじちゃん”と呼ぶ


サイラス皇帝も怒ることもなく、受け入れてくれてから、すごく仲がいい。


俺は久々だが、アレクは暇な時には、会いに行っているみたいだが、最近は、行けてない。


その理由は、あっちやらこっちやら飛び回っているせいだ。



俺たちは七人でサイラス帝国の城の中に借りている部屋に転移で現れてきた。


この部屋も久しぶりな気がするが、ちゃんと掃除もされている見たい。


俺は部屋のドアを開けて、誰か歩いている人がいないか、探してみたが、時間が良くなかったのか、誰もいない。


誰もいないけど、サイラス皇帝のいるところはわかっているし、そこに向かおうかと思って歩き出したところに後ろから人の気配がした。


俺が振り向くと、俺が思っていた通りの人が立っていた。



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