第555話 救世主への道15

俺がレイチェルと会って話をして、なんだかレイチェルの行動がいい加減だとわかったような気がした。


しかし神だからといって世界を支配することは難しいことだと思う。


しかし俺が関与すると、歴史が変わってしまうのが、非常に気になる。


いいのか、そんなことをして?


いや、良いわけじゃない、歴史が変わると生まれるべき人は生まれなくなり、生まれなくて良い人が生まれてしまう。


どうする? たぶん神レイチェルは、そこまで関心がない。


これが神と人の違いなのか?


どうすれば良いんだ? 迷ってしまう。


でも、わからないな、どうすれば良いんだ?


国同士の戦争を止めると、滅ぶ国が存在してしまうことになる。


戦争で多くの人が死んでしまうわけだけど、戦争がなかったら、戦争で死ぬ人が、死ぬことがなく生きていると言うことは許されるのか?


もしかして死ぬ人が生きていても、その影響がないうちに病気なので死ぬことになるのか?


あ〜〜〜〜〜考えてもわからない‥‥‥


誰か助けてくれ‥‥‥、もう、どうすれば良いんだ‥‥‥


俺が悩んでいるとみんなが俺を方を見ている。


面白そうに見られているが‥‥‥俺は必死に悩んでいるんだ。


その時、助け舟が現れた。


「クリス、悩んでいないで、なるようにしかならないんだから‥‥‥」とアリシア


ソフィアが「そうだね、直接、クリスが殺人を犯すわけじゃないんだから、言葉で説得したり、また、言ってもわからない人や聞く耳持たない人もいるだろうけど、時代の変遷に消えていけばいいんじゃい?」


「そうだね、悪い人を減らすことができれば良いけど、悪いやつほど巧妙だから、簡単にはいかないよね」とイザベラ


コリンが「私も、そう思う、悪い人は、言っても聞かないし、聞くような人だったら、悪いことはしていないと思う。

クリスは、その力があるんだから世界の調停者になればいい」とコリンが爆弾発言する。


「世界の調停者?」


「うん、言葉のあやもあるけど、戦争を仕掛ける奴も、悪事に手を染める奴も街から泣く子供を減らすためにも、あらゆる手を使わないと減らないよ。

でも、それでもダメだったってことがあるかもしれない。

でも、私は、それでいいと思う、手を尽くしたと言えば、良いことのように思うけど、たぶん、クリスが、それでもまだ他に手があったんじゃないかと考えるよね。

でもね私、思うんだ、最高の手段なんかないって。

クリスが神でも手に負えないことをやろうとしても、人ひとりがやることなんて、たかが知れている。

そのたかが知れていることをやらないで、どうするのって。

だって、クリスも1人しかいないし、私たちも13人しかいないんだよ。

それで、何ができると思うの?

世界の人口がどれくらいいると思うの?

クリスは、人を相手にするよりも、国を相手にしなけりゃ、それが、できると思うの。

今ままで私たちは誘拐組織だったり、貴族だったり、王族だったり、国ごと何かをしたりしてきたよね。

でも、クリスが中心でなしたことに間違いないよ。

私たちじゃ、できない‥‥‥。

私が貴族で伯爵だなんて、烏滸おこがましいよ。

何もできない、貴族って言ったって何も、できない。

でもクリスなら違うでしょう。

今まで、クリスは私たちの前にいつもでいてくれる。

クリスの指示のもとも動いたら間違いない。

でも、そのクリスも悩んで、悩んで、悩んだことから導き出していることだよね。

私は、そんなクリスについてきたのは、間違いないと思っているよ。

私に限らず、みんなが、そう思っている。

今まで歴史の変遷でどれくらいの人が死んだか。数万か、数十万だと思う、クリスは盟主の立場をもっと前面に出して行動していいと思うの。たとえ過去に行っても、貴族という立場や盟主は使えないかも知れないけど、クリスだったらできるじゃない、勇者なんだから。

勇者は、時間も歴史も関係ないんだよ。

勇者は世界共通だよ。

だから、だから‥‥‥」と行ってコリンは泣き始めた。


アリシアとソフィアがコリンのそばに寄る。


「うん、わかっているつもりだよ、もっと頑張らなけりゃいけないって」


泣いていたコリンが「クリスは過去に行っても、もっと勇者をひけらして良いと思う、グズっ‥‥‥」


「うん」


「クリスは私たちの希望なんだよ」


「うん」


みんながコリンの元に近づく。


「クリスも大変だろうけど、今しかないんだよ、世界は滅亡の道に動こうとしている、でも、それを止める方法も、なぜ、その道に進むのかも今はわからない。

でも、クリスならできるよ。

今までだってクリスは私たちの進む道を示してくれたから」


「うん、そうだね」


「うん、コリン、ありがとう、悩んでいないで行動しなければね」


「うん、クリス、、ごめんね、クリスも苦しいのがわかっている‥‥‥でも世界はね、クリスに希望を持ってしまったんだよ。

今まで行った国の人は、全員がクリスに希望を抱いている。

『あの人なら』とか、

『あの人なら、なんとか、やってくれる』とか、

『あの人なら切り開いてくれる』とか‥‥‥

だってクリスは時代が選んだ勇者なんだもの」


「そうだね‥‥」なんだか励まされているのか、落ち込ませようとしているのか、わからないけど‥‥‥俺がやらなければいけない‥‥‥


運命の子か‥‥‥神クリスティアナがいうことだが、ツラい役回りだ。


「さぁ、クリス、動きなさい、もう時間はないわよ」とコリンが言ったが‥‥‥


「神クリスティアナ様‥‥‥ですか?」


「はい、コリンの口を借りて話していますが、よく分かりましたね。もう時間がないのです。

あなたが動かなければ、未来はありません。

私も協力しますから、世界を救いましょう」というと、コリンの顔つきが変化して周りを見渡した。


「えっ、今のコリンじゃなかったの?」とイザベラ


「うん、たぶん、途中までコリンで、あとは神クリスティアナかな?」


「よく分かりましたね」とジャネット


「うん、コリンが半分話していて、あとは少し変な感じになったから。

そしてコリンが知らないことまで話していたから」


「でも、これでレイチェルと生命の神クリスティアナの協力を得ることができたよ」


「あっ、そういうことなんだ」


「そうだよ、2人に協力してもらわなければ、進まないよ。俺1人じゃ」


「そうなの?」


「いや、だって、そうなじゃい? 俺が行動して変えても、あとは手がつけられないよ」


「それを、あの2人に引き継いでもらうっていうこと?」


「あたり、俺たちが行動して、あとは、レイチェルと神クリスティアナだから、どうにもなるんじゃない?」


「まぁ、神だし」イザベラ


「そうだと思うよ。だって、あの2人以上に操作できる人っていないよ」


「なんだか、クリスって策士になってきたね」


「えっ、俺だって死ぬことはないとわかっていたって痛いんだよ」


「へ〜、痛さは感じるんだね」とイザベラ


「もちろん、俺が世界を救うのは、ここにいるメンバーのためだもの」


「‥‥‥」


「それじゃ、なかったら、他人のためにしないよ」


「まぁ、ここにいる女性たちを助けることになるのが、世界に共通するということだね」


「そういうこと」


「まぁ、それで良いんじゃない?」

「そうだね」

「それしかないよ、他の人は、そんなこと関係なく生活しているんだから」

「そうですよ、お酒ばかり飲んでいる人もいるんですから」とシャーロット

「私も、そう思う、冒険者になって色々なことがわかってきたから、汚いものをいっぱい見たし、お城にいたら、こんな経験はしていない‥‥‥この星の国に王族が多くいるけど、真面目な人もいるけど、悪政ばかりしている人もいるんだもの、そんな人が戦争になって死ぬなんて、許せない。

第一、良い人は戦争なんか起こさない。

欲や、妬みがある人が、満足しきれないで起こすだもの、そんな奴、許せない。

クリス様、私たち、全員を代表してお願いします。

世界を救ってください」


とセラフィーナに言われた途端、俺の頭に多くの思考が混入した。


俺の頭に入ってきた思考の正体は‥‥‥



























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