第528話 魔族、魔物襲来7

今回、言った場所で、レリックを採取していることがわかった。


いつも通りに魔物と魔族を倒して、ブラックボックスも消滅させて、休憩を取ることにした。


もちろん休憩を取るのは空間の中。


今は夜になってきたので、仮眠をとることと、食事をとることにした。


俺が用意するのもいいと思うけど、たまには、イーノック王国で食べた焼き肉を食べにいくことにした。


空間の出口を、イーノック王国の路地に開いて、俺だけが誰もいないことを確認して、みんなに出てもらった。


みんなで路地から歩いていくと焼肉店は、すぐ近くなんだけど、一度に14人が入れるところがなく、店先で待つことにした。


「なんだか、今まで戦っていたのが、嘘みたいだね」とアリシア


「うん、私も、そう思う、焼肉屋の前に並んでいるなんて」とソフィア


シャーロットが「私なんて生まれてから焼肉を食べるなんて2回目ですから」


セラフィーナが「私は冒険者をしていたから、1回食べたことがあるよ」


「えっ、セラフィーナさんは、いいな」


「そういうシャーロットだって、今から何回でもクリス様が連れて行ってくれるわよ」とセラフィーナ


と話していたら店主が顔を出して、どうぞと言われたので中に入っていった。


人数が多いので1つのテーブルに座れる場所がなく、座ったテーブルは3つに分かれている。


「じゃ、みんな好きなの頼んで‥‥‥」というと


「はーい」

「食べさせていただきます」

「あとは、よろしく」などの声が上がり皆んなが、こぞって注文して店主を困らせた。



「はぁ、おいしかったね」とエイミー

「うん、食べた、食べた」とアイリス


「お腹、こんなになったちゃった」とアデル

「うん、私も、もうお腹パンパン」とアレク


ジャネットが「ご主人さま、ありがとうございます」

みんなが「ありがとう」「ありがとうございます」

 

「いや、みんなが頑張ってくれているからだよ」


俺たちは、路地に行き、空間を開いて中に入っていく。


全員が入ったことを確認して空間の入り口を閉じた。


「じゃ、みんな今日は早く寝るんだよ」


「え〜っ、お風呂は?」とアレク


「俺は疲れたから、みんなと行っといで」と言ってブラッドフォード大公国にある山荘に繋げた。


メンバーしか出入りできないように厳重に結界魔法を張った。


俺は自室に入ってレリックのことを研究する。


レリックは、ウルフが欲しがるほどのものだけど、世界中、探しても16個しかない。


しかし、俺が確認した時で16個だから、もっとある可能性もある。


逆に言えば16個しか残っていなかったということもあり得る


どれぐらいの量が世界中にあったのかわからない。


それも、どこかで確認する必要もあるかな?


しかし、そんなのどうやって確認すればいいのか? どこかの書物に書いてあるのか?


俺の異空間から取り出した結界魔法が張っているレリックを一つ取り出して鑑定魔法で確認してみる。


そうすると色々書いてあるんだけど。


1つ目は魔法を保存できる。


2つ目は魔法の威力が増すことができる。


3つ目は自分で使えない魔法を使うことができる。


なるほど‥‥‥って意味ないじゃん。


あっ、そうだ、俺が使うんじゃなくてメンバーに持たせればいいんだ。


試してみなければいけないが、俺がレリックに魔法を込めたら使えない人でも使えるようになるんじゃないか?


もう夜だし、みんな寝ているかな?


あっ、そうだ、みんなは温泉に入りに行くって言ってたから、今行っているところなのか帰ってきているのか確認しなければいけない。


検索魔法で確認してみると、部屋には誰もいないみたいだから、まだ温泉に入っているところだと思うので、俺は待っている間にレリックに転移の魔法を込めてみた。


そして俺が実験することにした。


普段、使っている魔法を使わないようにしてレリックの力だけで転移してみると、すぐにできた。俺がいるのは部屋の外だ。


今、温泉に入っている女性たちが早く帰ってこないか待ち遠しい感じで待っていると検索魔法に反応があった。


俺は部屋から出て行って、女性たちの姿を確認した。


まだレリックに込めている魔法は転移の魔法しかないが、これで試してもらう。


「あっ、ちょっと、皆んないい?」


「あっ、うん、クリス、なに?」とアリシア


「うん、じゃ、アリシアが実験体ね」


「えっ、なんだか怖いんだけど」


「まぁまぁ、怖くはないと思うよ」


「思うよって、いうところが怖い‥‥‥」


「じゃ、う〜ん、他の人でもいいけど‥‥‥」とメンバーの顔を見渡していたら、「あっ、やっぱり、私、やる」とアリシア


「じゃ、アリシア、これを持って」と言ってレリックを渡した。


「えっ、なに? これ」


「それはね、前の戦いの時に見つけたレリックだよ」


「えっ、レリックって古代遺産というか、遺物?」


「そう、それ、土の中に埋まっていたんだ」


「へ〜、これが‥‥‥」と言いながら全員が前へ出したアリシアの手の中にあるレリックを興味深そうに見ている。


「本当に大丈夫なの?」とソフィア

「アリシアに危険はないの?」とイザベラ


セラフィーナが「でも、アリシアに持たせて何をするつもりなんです」


「このレリックにはね、俺の魔法が込められているんだ」


シャーロットが「えっ、クリス様の魔法が?」


「うん、そう」


「じゃ、私がやりたかったな」とシャーロット


「うん、みんなにも試してもらうから」


「じゃ、私が、先に試させてもらうわね」


「うん、まぁ、しょうがないな」とシャーロット


アリシアは、今度は不安な顔じゃなく、ウキウキしているみたい。


「クリス、それで、どうすればいいの?」


「そのレリックには、俺の転移魔法が入っているから、う〜ん、どう言えばいいんだろう?」


「じゃ、クリスが転移する時のことをやればいいと?」


「いや、そうじゃないよ、そうだな、レリックを強く握って、場所を決めるんだよ、あの場所に行きたいって、そこをイメージすることなんだ」


「あっ、いつもクリスが言っているようにイメージね」


「そう、だけど、場所のイメージと転移するイメージを同時に持つんだよ」


「つまり、レリックを持って、あの場所に行きたいと思えばいいと?」


「そうだね、それでいいよ、もう俺自身で実験したからね」


「うん、わかった、じゃ、やってみるね」と言ってアリシアは椅子から立ち上がって「どこにしようかな?」


「この空間の中限定だよ」


「あっ、そうなんだ、うん、わかった」他の女性たちも目を輝かせて期待している。


アリシアが集中のために目を閉じる。そうした瞬間、アリシアの姿が消えた。


「えっ、どこに行ったの?」とシャーロット

「すごい、成功ね」とセラフィーナ

「本当ね、これで私たちも使いこなせばクリスと同じ転移ができるのね」とイザベラ


アリシアが、どこに行ったかというと自分の部屋だ。


アリシアの部屋の中から「わ〜すごい、私って魔法使い」という声が響いてくる。


普通だったら声が響く事はないんだけど、アリシアは自分の部屋から飛び出して来ながら大声で言ったからだ。


「皆んな、見た?」


「はい、見ましたよ」とジャネット

「そうじゃな、しっかり見させてもらったのじゃ」とロゼッタ

「アリシア、喜びすぎ〜」とアレク

「まあまぁ、いいじゃないか」とパトリシア

「私たちは、前から使えるから、あんな感動ないね」とエイミー

「そうだね」とアイリス

「うん、新鮮」とアデル

「うん、すごいね、アリシア」とシャーロット

「うん、うん、すごい、すごい」とソフィア

「本当に、これでクリスに頼らなくて、転移することができる」とイザベラ

「あっ、でも、クリスの魔法だよ」とコリン

「あっ、そうか」とイザベラ

「そうだよ、私たちも試したい」とセラフィーナ




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