第484話 1000年前の世界2

同じ方法で1000年前の宿に戻ってきた。


4人で俺の部屋に転移してきたが、俺だけ部屋から出てフロントの女性にところにいき、空き部屋があるか確認した。


そうするとあると言うことで、その部屋を確保して料金を支払い、表に出てきた。


表に出てきて誰もいない路地に行く。


そこにジャネットとアリシアが宿の部屋から瞬間転移してきた。


そして3人を連れ立って宿に戻る、さも他から連れてきたと言う感じで、フロントの女性に言う。


「この3人をチェックインしたいんだけど」と女性に言うと


「では名前だけお願いします」と言う女性はペンを渡しながら言うのでサインする。


「はい、では、ごゆっくり」と言うので「あの部屋は?」と言う俺。


「あっ、そうでした、うっかりしていました、3人様は401ですね」と言って鍵を渡してくれる。


「じゃ、行こうか」と階段を登っていく。


3階まで上がってきて「君たちはここね」と言ってもらった鍵で扉を開けて中を確認した。


401の部屋はベットが3台置いてあって、テーブルがあって椅子が3脚だけあるし、あとはクローゼットがあるのみだから、俺の部屋と同じで、ただ少し広いだけ。


「俺は、この下の301だから、よかったら下の俺の部屋に来るように」と言って鍵を渡して、部屋を出ようとすると3人がついてきた。


結局は全員の4人で俺の部屋の中に入る。


あっ、そういえば俺の部屋鍵かけていなかった。401の部屋も鍵をしていないので、俺が鍵を受け取って401の扉を閉めてきた。


4人が俺の部屋に入ると座るところがないので、仕方なく、俺が椅子を持って401に転移して、401の部屋で話を始めることにした。


まぁ401の方が少し広いし、椅子も3脚あるから。


話をするのに401号室に移り、椅子に座って話をしていく。


「ここが1000年前だなんて、信じられないね」とアリシア


「そうですね、アリシアの言う通り、あまり変わっていないような感じですが」


「でも間違いなく1000年前だね」と俺


「ここにウルフがいるの?」とアリシア


「うん、間違いなくいるね」と俺


「それで、ここは、どの辺ですか?」とジャネット


「ここはね、オーリス王国の前の国でガルシア帝国だよ」


「ガルシア帝国!」アリシア


コリンも普段、書いている本から顔をあげて驚いている。


「ガルシア帝国っていったら、ご主人さまの前世のアルベルト様の国を滅ぼした国ですよね」とジャネット


「うん、そうだよ、でも、あの戦争が起きるのは、今から約700年後だよ」


「700年、そんなにガルシア帝国は続いたんだね」とアリシア


「戦争を起こした国王が、すごく悪い奴で猟奇的な奴だったと思えるね」


「じゃ、今、国王を暗殺してしまえばいいじゃない」とアリシア


「今の国王は、700年後の戦争とは関係がないよ」


「そうですね、たぶんガルシア帝国の初代王様?だと思えますね」


「でも、その子孫が人を大量に殺していくわけでしょ。先祖も関係があると思うけど」とアリシアが引かない。


「でも、大体、建国してから、どれくらい経つのか、わからないけどこの街ができたことを考えれば建国は20年から30年は経っていると思うよ」


「ここで考えても拉致が開かないから何か食べに行かない、情報収集も兼ねて」


「うん、行こう」とアリシア


行くのは宿を紹介してくれた焼き串屋


歩いても近いし、それにしても次元の転移はお腹が減る。


先ほども焼き串を4本食べたばかりなのに、もうお腹が減っている。


宿から歩いて屋台のおじさんのところにいく。


俺たちは店主の前に行くと「おじさん、焼き串を30本、焼いてもらえる」


「おお、昼間の人かい、30本もいるのかい?」


「うん、ちょっとね、あと美味しかったし」


「じゃ。ベンチに座って待ってな」といっておいちゃんが焼き串を焼き始める。


3人はベンチに座ったけど、俺は情報収集のため、店主の横に張り付く。


あたり一面には焼き串の美味しい匂いが立ち込めている。


先ほど焼き串を買ったときに俺は外から来たと伝えてあるので「この国は誰が王様なの?」と聞いてみた。


「そりゃ、ガルシア帝国皇帝陛下さ」


なるほど、やっぱり自分の名前を国の名前にしているんだな。


「その王様は良い王様なの?」と聞いているとジャネットが横にきた。


コリンも話を書き留めるためにきた。


「ああ、良い王様だぞ、なんせ統率力があって国をここに作ることになったわけだし、でも、最近は王も高齢のためか、あまり良くない。でもな俺現在の王の兄が王だった時の前の国は、酷かったな、重税で、兵士も騎士も嫌な奴ばかりでな」


時々、店主はジャネットを見ている見たい。


店主は尚も話す。


俺よりもジャネットの方がよかったみたい。


「おじさん、もっと話聞かせてよ」とジャネット


「おお、いいぞ、この国は以前は別の王族が支配していたんだが、横領とか圧政に苦しんでしたら、王の弟が国を乗っ取ったんだ。

前王様は国家反逆罪っていう罪に問われて処刑されてな。

その後を継いだ王が、本当にいい人でな。

重税もなくなり、平和になったということさ」


「へー、すごくいい王様だね」


「おう、ガルシア王は、すごいぞ、そら焼けたぞ」といって焼き串30本を袋に入れてもらった。


俺たちはベンチに座りながら、ほくほくの焼き串を食べていく。


もちろん全部、食べるわけじゃない、残りは異空間に入れておけば、また熱々で食べれるから。すぐに店主や人に見えないところで異空間に入れておいた。


俺たちは残りの焼き串を食べながら街や人を見ている。


でも特段、変わったところは見れない。


しかし居酒屋らしきところで事件が起きた。


それは喧嘩だ。


大柄の男と女性が喧嘩を始めた。


表に出てきて、殴ったりしているみたいだけど、俺たちは関係ない。


しかし女性が殴られて、こちらまで飛んできた。


そこにアリシアが「ちょっとかわいそうだよ、一方的に殴られているみたいよ」と


本当は俺は手を出したくはなかったけど、アリシアに言われたらしょうがない。


殴られた女性は口元の血を拭きながら、まだ立ち上がれない。


俺が立ち上がって「もう、その辺でいいんじゃないか」と大男に声をかけた


「なんだ、お前は、お前が代わり俺様に殴られるのか?」


「ああ、それもいいかも」


「じゃ、お前をやっけて酒を飲み直すことにしよう」と大男は俺に拳で殴りかかってきた。


俺は大男のパンチを片手で受け止める。


大男は驚きの表情をする。


さらにパンチに力を込めて押し倒そうとする大男。


俺の体はびくともしない。


大男は必死に拳に力を入れるが、俺が動かないので額から汗が吹く出す。


力で俺を倒そうとする大男は、腕にばかり集中しているので、俺は足払いした。


酔っ払ってる大男は足もとを救われ、2本とも足が宙に浮き頭から落ちる。


頭を強打した大男は意識を失う。


後ろではアリシアとジャネットとコリンの3人が女性の怪我の手当てをしていたが血を吹いてハンカチを当てる程度しかできない。


大男が倒れて意識を失ったので、俺は女性4人のところに行く。


女性が額の傷をハンカチで抑えながら「ありがとうございます」と俺にお礼を言った。


「君、危ないよ、あんな大男と」


「はい、申し訳ありません、酒場で飲んでいたら奴が絡み出して断ったら、喧嘩になってしまって」


「そうなんだ」


「でも酒場って、酔っぱらいばかりだから注意しないとね」


「はい、ありがとうございます、私、ヒルダって言います」


「あっ、俺はクリスで、そっちはアリシアで、もう1人がジャネットね」


「皆さん、仲間なんですね」


「うん、そうだよ」とアリシア


「それでヒルダさんは、どうして酒場に? 酒を飲みたいわけじゃないでしょ」といってみた。

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