第471話 城

俺が城に中は機能してないから、城と王都全体に結界魔法を張って入ることもできないように王都を守る兵に指示を出した。


今、色々な人が入ってくるのは良くないし、混乱するけど物流はいつまでも止める物流は止めることもでできないから、3時間と区切った。


全ての指示は俺に集めるようにした。


俺が執務室に座っても王の印鑑を扱うことはできない。


単純に指示するだけにとどめておく必要がある。


それ以上はイアンに聞きたいけど、精神的なショックから立ち直れていない。


「今は、人員の振り分けと水と食料の手配と警備関係を支持している。


それにはメンバーにも協力してもらうことができた。


特に水と食料の調達には協力してもらった。


というのは神獣たちは異空間収納が使えるから、馬車まで重たいものを運ぶ必要がない。


この国の兵士と共に街にある食料の店に調達に出ていった。


こんなところで時間を潰すよりも街の方が良い。


俺は時間と共に増えていく仕事をこなしながら、2人の回復を待つ。


文官や兵士たちが、次々入って来て俺の指示を待っている。


そして多くの血が流された城だから窓を開けて掃除も必要になるけど、それを行いながら入るものを調達する。


全部、俺のお金で対処するしかない。


お金の決済は国王の印が必要になるから。


普通は、緊急的に必要になる金銭があるはずだけど、どこにあるか、わからない。


ときどき、キャサリンとイアンに精神魔法を使って回復させているけど、もう少し時間がかかる。


精神魔法は悪くしていくのは簡単だけど、回復させるのは簡単ではない。


3時間のうちに回復させなければならない。


幸いにしろ文書は、コリンとエイミーとアイリスが協力してやってくれている。


俺はまとめてくれた書類を見ながら指示を出すだけでいい。


今はキャサリンとイアンは、部屋に戻っている。あまりの悲惨な状況を見せるわけにもいかないから。


コリンが人がいないときに、「クリスが王様みたいだね」と言われたが、そんなことしたくもない、と答えた。


国の有事の際に王族が機能しないなんて‥‥‥国の一大事が起きて、また、これも国の一大事だな。


1回目の馬車が城に戻ってきた。


食料の配布が行われ、休憩が始まる。


俺は休憩中でもパンを持ち歩き食べながら歩いて回る、城の壁や床にあった血が拭き取られていき綺麗になっている。


廊下を歩いていくと人が床に座って食事をしているけど、みんな沈んだ表情をしている。


俺に頭を下げながら「勇者様がいてくださって助かりました。ありがとうございます」とお礼を言われる。


だって王もいなければ、宰相もいないし財務大臣、軍務のトップの人もいない。


腕の立つ人ほど、戦って殺されている。あとは無抵抗でもいらない人は殺される。


警備の人にも声をかけて休める時に交代で休んでもらう。


俺たちも交代で休憩や食事を取ることにしている。


考えるのは、これから、どうするかということと、魔石を見つけること。


魔石は、イーノック王国の大事な水源だから、早めに見つける必要がある。


そう考えると、いつも俺の近くにいるエイミーに頼むしかないと考える。


以前、ボールドウィン王国で魔物が出た時に指揮を任せているから、できると思うし、俺の近くにいて手伝っているからやり方はわかっていることだろう。


俺は部屋に戻ってエイミーに「俺は魔石を見つけにいくからエイミー、ここは任せても大丈夫?」と聞いてみると「はい、ある程度、わかっていますから大丈夫です。もし何かあれば念話で連絡します」と答えてくれた。


「じゃ、ここは頼んだね」といって、俺だけで魔石を見つけにいくために城に貸し出されている部屋にきた。


イアン王子やキャサリンに聞きたかったけど2人は今は眠らせているから聞けない。


でも魔石は、水色だと思うから。


その形を色をイメージして検索魔法で探してみる。しかし、妨害魔法がかかっているみたいで反応がない。


だから魔族も見つけることができなかったみたいだ。


これほど強い妨害魔法をかけられるなんて、すごい人がいたもんだ。


俺は、さらに検索魔法のレベルを上げていく。やはり妨害魔法を突破するためには、何よりも魔法力だと思うんだけど、いや、待てよ、俺の神殿があったということは‥‥‥もしかして妨害魔法をかけたのは、俺‥‥‥なのか?


俺だったら、強い妨害魔法をかけることができる‥‥と言うことは、どこかにキーワードみたいなものがあるはずだ。


俺が妨害魔法をかけたとして、後世の俺に残るのは、流行りこれだと思う。


それは基礎魔法だ。


俺は王都全体に基礎魔法を展開してみる。


そうするとやはり反応があった。


反応があった場所は、この城の下だ。


つまり俺の神殿があったところに近い。


俺は先ほど、訪れた神殿に瞬間転移でジャンプした。


神殿がある高床式の下に反応があることがわかった。


俺は神殿の下に空間があることを見つけたので、妨害魔法のことも考えずに瞬間転移して地下に来た。


俺が光魔法であたりを照らす。


地下には、下へ続く階段があったので、下へ降りていく。


階段をどんどん、下へ下へ降りていくと、もうどれだけ降りたかわからない。


しばらく降りていくと、そこで階段は終わっていたが水の音がしている。


水の音を頼りに歩いていくと、巨大な魔石があった。


綺麗な水色で大きな魔石だった。


俺は魔石周辺を結界魔法で覆って防衛した。


少し高くなっているところに大きな魔石があり、そこから水が湧き出している。


色々な方向に魔石から出た水が流れていく。


俺は、しばらく魔石を見つめていた。


なんだか、気分が安らぐような場所だな。


水の音も良い音に聞こえる。


もしかして1000年前は、ここは砂漠なのか?


だから井戸を掘っても水が出ないから魔石を利用しているのかな?


ということは、建国したのは、もしかして俺?


まさかと思うけどイアンとかキャサリンは俺の子孫なんてことはないよね。


多分、その時、出会った人だろうな、この国を建国したのは、俺がどこまで関わっているのか、わからないけど、これほど多くの関わりがあるのがあったら言い逃れようがない。


魔石から湧いてくる水を見ながら思っていると、魔石がはまっている部分の下のところに扉があるのが気がついた。


さっきまでなかったのに、気がつかなかっただけか?


なんだろう?


俺は歩いて近寄って行き、そして扉を開けた。


その中には何もない‥‥‥


なんだ、何も入っていないじゃないか‥‥‥と思っていたら、俺の声が聞こえてきた。


『ようこそ、ここまで辿り着いたな』と俺の声


「‥‥‥」


『ここに来たということは、この国で何かがあったわけだ』と言い出した。


「君は俺なのか?」と返事はできるのか、わからなかったけど聞いてみた


声は『そうだ』と答えた。


『今、君は1人でここにきているようだな』と見えるような感じ言う。


「そうだよ、今は、俺1人だ」と答えた。


『君は、あと数ヶ月したら過去でも未来でも瞬間転移する能力を手に入れる』と話し出した。


「えっ、そうなの?」


『ああ、その能力で過去に飛び、俺と同調することで、更なる能力を力に入れることになる』と言い出した。


「同調?」


『そうだ今の俺は思念にしかすぎない、君自身が過去に転移して事件を解決してくれるように残した思念だ』


やはり未来の俺が過去にいって、何かの事件を解決したということか?



俺が未来や過去に転移できる能力を手に入れるのは、正確にはわからないが数ヶ月後‥‥‥


それを手に入れたら、俺は過去に転移しなければならなくなるのか?


それを聞いていたかのように『もちろん、君、1人じゃない』と答えた。


「過去で何があるんですか?」と聞いてみた。


『その時代にいたウルフが関係している』


「ウルフが?」


『そうだ、ウルフの奴も未来と過去を行き来できる』


「えっ」


『検索魔法でサーチしても見つかることがないのは、未来か過去にいるからだ』


「なんだって?」


「検索魔法で、いくらサーチしても空間だろうと思っていたことだろう、また、次元が違う場所だとか、それこそ見つかるわけはない』


「じゃ、ウルフは今も未来か過去にいるということですか?」


『そうだ』


「‥‥‥」


『相当なショックだろうが、事実だ』


「ウルフは自分で、その能力を手に入れたんですか?」


『違う』


「誰かの協力があったということですね」


『そうだ』


「じゃ、聞きますけど、魔族とウルフがどうして協力しているんですか?」


『魔族にも魔王がいる、その魔王と戦ってウルフは勝った、そして魔王は奴の配下になったからだ」


「ウルフと戦った魔王は死ななかったんですか?」


『ウルフの奴が再生させた』


「そんなことまでウルフはできるんですか?」


『そうだ』


「‥‥‥」


『ウルフの奴も神に近づいている』


「えっ、神に?」


『そうだ、適当な対照を選ぶと邪神という言葉が適当なところだ』


「悪の魔王ですか?」


『そうともいう』


「それは、困りましたね」


『そうならないように君も更なる高みになる必要がある‥‥‥』


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