第468話 盟主として

俺は本当はイーノック王国の加盟を拒否するつもりだった。


理由は、これ以上、増やしても守ることができなくなることもあるからだ。


俺は今のメンバー全員が協力してことに当たるけど、複数の国で起きたことで手が足りなくなってくることもあるからだ。


今は、メンバーはアリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロット、ジャネット、ロゼッタ、パトリシア、アレク、アデル、エイミー、アイリスの13人だ。


全員が飛行魔法を使えるようになったけど、まだ人間の女性は瞬間転移はできない。


ただ自分を守ることには長けている。


その理由は基礎魔法を毎日、時間があれば練習しているからだ。


基礎魔法で結界を張っていることになるし防御ができる。


そして攻撃力もいいところまで上がってきている。


特に遅れて加入したセラフィーナとシャーロットも上達してきている。


何よりも飛行魔法を習得していることが、すごい。


しかし事件が起きて規模が広がれば、それだけ人員が足りないけど俺の分身で賄うしかない。


俺の分身体が、どれくらい数を増やすことができるかも知っておく必要があるな。


今度、暇のある時に練習しておこう。


やはり毎日の基礎魔法が多くの可能性を広げてくれていると思う、しかし、基礎魔法は地味だ。


地味だから習得まで至らないことが多々ある。


そこかのスーパーヒーローじゃないんだから、そんなに簡単に見につくことはない。


みんな簡単に考えているけど、勉強と同じだね。


魔法も勉強と考えれば、初めてみる本をパラパラっと見ても、できる奴はいるかもしれないが、100人中98人はできない。


天才だって努力をしているけど、それが見えないだけ。


人に見えないところで努力するから、いざっていう時に使って、あの人はすごいって言われると思う。


俺だって、そうだよね、いつも悩んで苦しんで研究して使ってみることから始めてるんだ。


努力もしないで、使えるわけない。



今は7カ国だから、俺たちは13人しかいない。広い国土に散らばった悪い奴らを討伐するには少ない。


でも、これ以上は増やす気にはならない、その理由は、足手纏いになるからだ。


メンバーは俺の成長と共に進化してきたから良かった。


でもこれから新しいメンバーを加えて初めは守ることからしなければならないから容易いことはではない。


俺には自分で行動の結果、付きまとう制約がある。


盟主が勝手にするわけにはいかない。


もし加盟する国に以前のような魔物が大量に湧いて出てくると7カ国、全てから依頼があるだろう。


そうしたら2人しか一つの国に派遣できない。


まぁ、これは最悪のことだけど、起きないとは言えない。


以前は魔物が大量に湧いて出た時は、ライオネル公国とオーリス王国とオズワルド王国だけだった。


この時も悲しいことだが人の犠牲は出ている。



俺たちはイーノック王国の魔族は討伐することにした、俺たちしか討伐できる人がいないからだけど。


「王様、王都にいる魔族は、俺たちが見つけて倒していきますが、俺たちは王都に詳しくありません。

ですから地図をもらえるとありがたいです」


「すぐに用意します」と言って「イアン、頼む」と言ってイアンが走って部屋から出ていった。


イアンが息を切らしながら帰ってきた。テーブルの上に地図を広げながら地図の端が捲れないように固定する。


イーノック王国に来る時には、何気なく見ているけど改めて地図でみると王都がわかりやすい。


地図を見ながら検索魔法を使うと、魔族が固まっていない、バラバラに点在している。


判明した魔族の数は107人、それだけの人数が街に潜伏している。


俺はメンバーを4チームに分けることにした。


王都で行動するには、警戒が必要だ、魔族の位置がわかって行動しないと後ろからでも攻撃される。


なので検索魔法が使える神獣たちを中心にチームを組むことにした。


(西地区)ジャネットとアリシア、エイミー

(東地区)ロゼッタとソフィア、アイリス

(南地区)パトリシアとイザベラ、シャーロット

(北地区)アレクとコリンとアデル、セラフィーナの4チーム体制とした。


最後は4人になってしまったけど、神獣たちは3人配置した。


俺はチームには加わらないで遊撃として魔族を倒していく。


「えっと、アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロットには、以前の魔物の時よりも、今回は人に近い種族と戦うことになる」


「うん、そうだね」とアリシア

「でも、戦うって決めましたから」とシャーロット

「うん、そうだね」とイザベラ

「悪い奴らは、人っじゃないから」と珍しくコリン

「私も大丈夫です」とセラフィーナ

「うん、大丈夫だよ」とソフィア


王様が、それを聞いていて「誠に申し訳ない、こんなことに巻き込んでしまって、許してほしい、でも君たちみたいな綺麗な女性が赴いていくのに、私たちは何にもできないことが悔しい」


「そうですね父上、私もあんなに稽古していたのに君たちに剣の腕で負けるなんて」とイアン。


「本当ですよ、私も将軍から剣の指南をしてもらっていたのに‥‥‥」と落ち込んでいる。


アリシアが「まぁ、しょうがないですよ、私たちは、日頃から訓練してクリスに追いつこうと頑張ってきて、その結果ですから」


シャーロット「そうですよ、ここにいる皆んなクリス様に憧れて、なんとか追いつこうとして魔法の練習をしたんですから、簡単じゃないんですよ、それこそ血の滲む努力をしました」


「おお、やはり一国の姫である、あなたもですか?」


「はい、そうです、私とセラフィーナ姫が一番、遅れて加盟しましたから、大変でした。遅れるわけにはいかないし、努力して、努力して、魔法を練習しました。

だって、私たちは魔法使いじゃなかったんですよ」


「そうですね、本当に勇者物語と同じなんですね」と王様。


「私たちが魔法使いじゃないのに努力をして魔法使いに今なれたことが、とても嬉しいしクリス様に少しでも近づくことができたんじゃないかと思うんです」


「そうですかぁ、やはり勇者様は偉大なんですね」とイアン。


セラフィーナが「そうですよ、私もクリス様がいなかったら、今、ここに生きていることはできなかったでしょう」


「一つの国の姫様が2人もいることにも驚きですけど、その姫様が魔族と戦えるというのがすばらしいですね」


「はい、常日頃から本当にシャーロットが言ったように練習をしてきましたから、少しでも勇者クリス様の足手まといにならないように」


シャーロット「でもクリス様ったら追いつこうとしていたら次々に先に行くんです」


セラフィーナ「そうですね、本当にクリス様は研究熱心ですから自分の能力を高めることを常に考えていらっしゃいます」


「そして何よりもクリス様は、欲がなさすぎます」


「あっ、それは言えるわね」とイザベラ


なんだか怪しい雰囲気


シャーロットが「そうですよ、もう少し態度でハッキリ示してくださいよ」


セラフィーナ「こんなに綺麗な女性たちがそばにいるのに」


「まぁ、そこまでにしてくれる」とアリシア


ソフィアが「そうそう、クリスが考え出したからね」


「あっ、ごめんなさい」とシャーロット

「すいません」とセラフィーナ


王が小声で「いつも勇者様は、このような状況ですか?」とアリシアに訪ねている。


「そうですよ、いざっとなったら、すごいですから」


「それは頼もしい」

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