第467話 加盟
俺たちはメンバー全員を3チームに分けて、それぞれに王の封蝋の手紙を持って、領主の元へ行ってもらい、城の人員を確保をしようとしている。
まだ他の貴族たちは城の惨状を知らない。
知っているのは、今、俺たちメンバーが派遣されている貴族だけ。
この貴族は王に忠誠を誓う近い貴族だけだ。
王が、どこまで城の惨状を書いたのか、わからないけど。
3時間くらいたったことから念話で連絡があり、もう少ししたら戻れると言ってきた。
まだキャサリンは俺の目の前で美味しいそうに食べている。
普段から食べていないから、庶民の味が美味しいのかも。
キャサリンって、城から出てきたのは俺たちと会った時が初めての王都だったのかな?
なんだか、俺より早く目の前の焼き串がなくなっていく。
「これ、美味しひですね」とキャサリン、口の中に入れてしゃべるんじゃないよ。
モグモグ‥‥‥
食べているところに、念話で帰ると行ってきたチームがいた。
俺が急に話し出したので、自分に話かけられたと思って「わかったって何がわかったんですか?」
「いや、キャサリンに行ったんじゃないよ、今からメンバーが戻ってくるって連絡があったんだよ」
「えっ、どうやって?」
「頭で考えると向こうにも通じるんだよ」と簡単に説明した。
「へー、そうなんですか?、あっ、そういえば本にそんなことが出ていましたね、念話でしたっけ」とキャサリン姫
「そう正解、その念話でいつでも、どこにいても話ができるんだよ」
「へーすごいですね」
そこに、全員が帰ってきたので、話は途中になってしまった。
「じゃ、あとはキャサリンに頼もう」と連れ帰った人たちをキャサリンに預けるしかない。
「あっ、そうですね、じゃ、皆さん、私についてきてください」と言ってキャサリンは部屋から出ていった。
「あー、ご主人さま美味しいもの食べている」とエイミー
「君たちも食べる?」
「うん、食べる」と即答
「食べてこなかったの?」と聞くと。
「私たちが到着して、領主にあってから、ドタバタしていましたから、それどころじゃなかったんです」とジャネット
「じゃ、お腹、空いている人、どうぞ」と言って買ったものを出してやったら、全員が空腹だったみたいで、椅子に座って食べている。
「クリス、この部屋を貸してもらったの?」
「うん、そうなんだけどね、隣がキャサリンの部屋なんだって」
「へー、そうなんだ」とアリシア
「でも、ここも大きな部屋ですね」とパトリシア
「うん、そうだけど、実用的な部屋じゃないね」
「どうして?」とソフィア
「だってトイレがないから」
「‥‥‥」
「‥‥‥」
「あっ、私、ちょっとお花摘みに‥‥‥」と言って数人が出ていく。
「ここの領主は、どんな感じの人だった」
「私たちが行った領主は、とても親切でしたよ」
「私のところも」
「まぁ、大体あんなものじゃろ」
まぁ、おおむねいいんじゃないかという程度だね。
だって突然、見ず知らずの人が王の手紙を持ってきたわけだから、しかも、その内容が大きすぎるから、しょうがないことでもある。
今は連れてきた人たちも、慌ただしく動いているし、人も少ないから、料理も出ないということになれば、俺たちは暇だから、もう帰ろうかと思っている。
この街でやる事はもうない。
俺たちは、加盟国への報告もあるから、帰ることにした、王様へ挨拶するために出向いた。
しかし、王様は目が回るほどの忙しさで話す暇もないので、王子の方を見ても、同じだった。
しかしキャサリンの方をみると暇そうにしている。
「キャサリン、俺たちは一度、帰るね」
「えっ、帰るんですか?」
「一度、帰って加盟国に報告もあるし、街の魔族をどうにかすることも考えないといけないしね」
そうだった、忘れていたけど、街に魔族がいるんだった。
街にいる魔族の方が厄介だな。隠れるところが多すぎる。
でも、魔族が潜伏している街は危険がいっぱいあるし、魔族に対応できる人がいるのか、問題もある。
たぶん、強い人は城を攻めてきた魔族に、すぐに殺されているだろう。
ということを考えれば、この国には強い人はいないということになるので魔族を倒す事はできない可能性がある。
どうするか?
しかし街から魔族を掃討すると、どれくらいかかるかわからない。
しかし、掃討することができるのは、俺たちしかいない。
今のところ、加盟国は何も言ってきていない‥‥‥
乗りかかった船でやるしかないのかな?
全員が俺の判断を待っている。
「クリス様、国を見捨てないでくださいよ」とキャサリン
俺も立場があるからなぁ。加盟国にもなっていない国に対してできることは限られる。
アリシアが「クリス、どうにかならない?」
「う〜ん、難しいところだよ、加盟国だったら、魔族を掃討することができるんだけど‥‥‥」
それを聞いたキャサリンが父親のところに言って話している。
今更、加盟するなんて、やめて欲しいけど、切羽詰まった実情があるからな。
俺たちは加盟国で事件があった場合、お金をもらっているわけじゃない。貴族として定期的にお金をもらっているけど、ほとんどが活動費になるけど、使いきれていない。
そんなに贅沢はしていないし、屋敷も国から無償でもらっているものだから管理費も国が出している。
キャサリンと王と王子が、こちらに歩いてきた。
何を言われるのか?
「勇者どの、このまま帰ってもらっては困る。まだまだ魔族が街にいるそうなので、協力して欲しい」と王と王子と姫に頭を下げられた。
困った。
「もし、協力してもらえるならというわけではないが、以前から考えていたことだが加盟させてもらえないだろうか? ぜひ、頼む」
「う〜ん、困りましたね」
「そこをなんとか、このままじゃ、イーノック王国は滅びてしまう。勇者殿しか魔族は倒せない。なんとか、お願いします」と段々と口調が変わってきた。
「加盟するには、俺の一存じゃダメなんですよ、他の国の了承も必要だし、入ると言って、この場を乗り切ったら加盟はやめたじゃ他の国に迷惑かかるし」
「第一に俺が目指している国づくりは国同士の結びつきを持つことなんですよ。何よりも加盟国は戦争は禁忌です。俺は人が戦争で死ぬのを見たくありません。
1つの加盟国が外国の国に攻められたら他の国が協力して軍隊を送ることも必要になってきます。それに出し渋りがあるような国では加盟国として務まりません。
そしてもし
勇者物語に書いてあると思いますが、何かあった時には俺が最高司令官で現場を指揮します。
そのため、俺は他の加盟国から貴族の称号をもらっています。管理する領地はありませんが。そして活動費ももらっていますから加盟することは大変、負担もありますよ」
「それも、理解している。私は勇者物語を何回も読んでいる。そして以前書いてあった魔物が湧いて出た時も君たちだけで討伐したと噂されている」
「まぁ、全部ではないですけど騎士や兵士や冒険者の協力で討伐できましたから」
「そして勇者殿が戦っているウルフと言う存在もいる」
「ウルフは数ヶ月前に倒しましたから、生き返るのは、いつのことになるか?」
「やはりウルフは再生するんですか?」
「たぶん、俺はそう思っています、ただ、それがいつになるかわかりません。でもウルフは生き返るたびに強くなっているのは事実です」
俺もそうだけど‥‥‥
う〜んどうしようか、まぁ、しょうがないところもあるな。
「じゃ、ちょっと念話で連絡を取ります」
「よろしく頼む」
「コリン、文章を作成して」
「うん、わかった」とコリン
俺は初めて魔法通信を使わないで脳の中へ直接、言葉を送ることをした。
「皆さん、こちらクリスですけど、今、俺たちは海の向こうにあるイーノック王国に来ています。この国でニセ勇者の噂が流れてその真否を確かめにきたんですけど、すべては魔族の仕業で国の城も乗っ取られていました。俺たちがイーノック王国の姫の依頼で城の中の魔族は討伐したんですけど、街にも魔族がいるようなので、それを討伐しなければいけないのでイーノック王国は加盟したいと申し入れているんですが。
皆さんどう思われますか」と念話で送った。
「ちょっと時間を待ちます」と王に伝える。
「実際に目の前でみると、すごいな」
向こうからは魔法通信のところにいく必要があるから、待つことにした。
でも、そんなに待たなくて魔法通信の念話で帰ってきた。
その文章は
「勇者様に一任する」
「勇者様に任せます」
「勇者様の活躍を期待しています」
「勇者に従います」
「大恩あるクリスに従います」
「クリス殿、そんな遠くまで言っているのか、すごいな、もちろん盟主様に従う」
「従います」と言う回答ばかりだった。
まぁ、実際、俺たちが中心になって動かざる終えないわけだから。
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