第451話 会議
ボールドウィン王国の俺の屋敷で、国の王様たちを集めて、会議をしているけど、時間はかけられない。
本題に入ることにする。
本題とは、俺の未来予知が導き出したこと。
たぶん、このまま手をこまねいていると、あと2年も経たずに、この星が滅亡する。
もう、この場では、ごまかしている必要はないと思うので、はっきり言うことにした。
「皆さん、聞いてください、俺には未来を予知することができる魔法があります。
かなりの精度で、未来がわかりますが、今は結果しか、見えていません」
ざわめきが起きる。俺は、それを無視して説明を続ける。
「皆さん、静粛に」
「そ、その結果とは‥‥‥」とオーリス王
「星自体が崩壊してしまいます」
「なんだって‥‥‥大変じゃないか」
「でも、それは変化する未来の一つです」
「未来の一つというと?」
「未来は変化しますので、変化することでいい未来もあれば、悪い未来もあると言うことです」
「そ、そうか、よかった」
「いいえ、それは違います、今、行動を起こさないと、先ほど、言ったことが起こります」
「 つまり、このままでは星は崩壊すると言うことだね」
「はい、未来を変えるためには、行動するしかありませんが、行動すればいいわけではなく、どう動くかで変化する未来です」
「その滅亡は、いつ起きることですか? クリス様」とハワード王
「このままで行くと、たぶん、2年後です」
「2年‥‥‥、その2年の間に、我々が、どう動くかで防げる可能性もあると言うことですね、クリス様」
「そうです」
「皆さんは、どう行動しますか?」
みんなが顔をお互いに合わせている。
オーリス王が「もう、避けては通ることもできないと言うことだと思う。
皆さん、我々では、どうしようもないと思う。ここはクリス様の考えを聞くしかないと思うが、どうだろうか?」
「それがいいと思います」とハワード王
みんなが頷いている。
「俺ばかりにま任せてもらっても、困ります、一人がすることは限界があります」
「そして、俺にも、これからどう 動けばいいのかと言う事は分かっていませんけど、結果の未来だけは見えています」
俺が目を閉じて未来予知の魔法を発動する。
この部屋にいる全員の顔が俺を見ているけど、目が真剣で怖い感じがする。
「今、俺に見える未来は、この星自体の存在がありません」
「そ、そんな〜」とエレノア
「星自体がな‥い、なんて」とオズワルド王
「 もちろん俺の未来予知が外れればいいことなんですけど、何度未来予知をしようと思う、今、現在の結果は同じことが予想されます。
この星を滅亡させてしまうのは、誰なのかと言うことも全然わかっていません。
もし俺の未来予知が嘘だと思って疑われる方は、この場を立ち去っても構いません」
「どうぞ、立ち上がってくだされば、瞬間転移で国までお送りします」
俺は目を閉じて返事を待つ。
みんなが顔を見合わせしているようだ。
「‥‥‥」「‥‥‥」「‥‥‥」
「‥‥‥」「‥‥‥」「‥‥‥」
「‥‥‥」
ガタッと席を立つ音がした。
誰かが席を立って出ようとしているのか?
俺は目を開けた。
そこにはオーリス王が立っていた。
「クリス様、我々の中に、そんな疑いを持つものなどいません。我々は、みんなあなたに助けてもらいました。そのご恩をお返ししないまま、そんな勝手な決定はできません。
ここにいるものは、すべて、大恩あるクリス様を信用しています、あなたほどの欲望もない人は初めてですし、金銭も、我々の方から払いたいと思う事ばかりです。
でも、クリス様は必要以上はお受け取りになられません。
どんなに助けられているか、我々はよく知っています。
国に魔物が襲来した時もクリス様はいち早く駆けつけてくださって我々を助けてくださいました。
その時のお礼もまだしていません。
考えてみれば、今、私の国にいる貴族だって国を作るときに貢献をしたと言うだけであって今、現在、貢献をしているのかというとそうではありません。
クリス様程、我々の国に貢献なさっている方はおられません。
ここにおられる皆様も、同様にクリス様に助けていただいております。
先陣を切ってクリス様が動こうとしているのに、我々が動かなくてどうしますか?
ねぇ、皆さん‥‥‥」と言ってオーリス王は周りを見渡す。
そこに賛同の拍手が起きた。
俺は、拍手は恥ずかしかったけど、目頭が熱くなる思いだった。
よかった、この人たちに出会えて‥‥‥
「皆さん、ありがとう、必ず俺が、皆さんが住む、この星を救って見せます。 でも俺もわからないことばかりですから皆さんの協力が必要です」
「ぜひ、クリス様を中心に、協力します」とオーリス王から宣言された。
それに、みんなも賛同してくれる。
「クリス様が一番、ツラいのは、わかっているつもりです」とハワード王
「そうですよ、あんな危険な魔物まで先頭を切って戦うんですから」とサイラス皇帝。
「皆さんに、ちょっとお聞きしたいんですけど、国に国宝に値する魔石がありませんか?」
「それはあるにはあると思うが、最近は見ていないから確かに言えないが‥‥‥」とダイラス連邦の首長
「そうですね、うちにもあったと思いますが、国宝の魔石なんて、使うようがありませんから」とライオネル公国の王
「じゃ、あるんですね」
「それを、どう使うつもりですか?」
「結界を張ります。
国を結界で覆うほど大きくは作れませんけど、王都だったら可能だと思うんです。
それを維持するために魔石を使います」
「じゃ、結界はクリス様が張ってくれると言う事ですか?」とハワード王
「そうです、たぶん、俺しかできないと思います。そんな大規模魔法は」
「でも結界を張ったから安心ではありません。星がなくなろうとしているのに、結界の中にいれば安全か、というと次元が違います」
「そうですね、クリス様に張って頂いたからと 安心していると、根底の星がなくなるんじゃ意味ありませんからね」とサイラス皇帝
「 ですから結界を張っても安心するんじゃなくて、備えておいて欲しいんですけど。そして結界の中は避難所になるわけですから、周辺から人が多く集まってくる可能性もありますので、蓄えも必要になります」
「 それをワンシーズンでやっていただけなければいけません。
ですから皆さんが国に帰ってやらなければいけない事は大量にあります」
やらなければならないことは大量にあるけど、今、やらなければ、間に合わない‥‥‥
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この物語は異世界の物語であり、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。
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