第450話 ミーア
ミーア「だって同じ年代のアレクちゃんやアデルちゃんもエイミーちゃんもアイリスちゃんも、すごい魔法を使えるんだよ」
ミーアは、今、言った4人が特殊な能力を持った神獣だと知らないみたいだ。
「私だって使ってみたいけど、魔力がないから魔法は無理だって鑑定で言われたんだ。
そうしたら クリス様から魔法の練習会があるってお聞きしたんです。
これはもう行くしかないと思ってパパに頼み込んで参加させてもらえました」
さすがサイラス皇帝の娘だけあって、王様たちの前でも堂々としている。
そのうちにサイラス帝国の女王様になるからだろう。
「クリス様は大勢いるから話しかけるのもできないような状況で、汗をかいても拭くことさえ時間を惜しむように私たちの体を調整してくれたんですよ」
「うん、だからクリスは、終わったあと、すごく疲れて、すぐに寝て
しまったわ」とアリシアが暴露した。
みんながそれを聞いて、すまなそうな顔をした。
「 だって鑑定を受けて魔法が使えない、魔法力がないから諦めなさいって言われた時に、 どれほどのショックを受けたか。
だから同年代のアレクちゃんが瞬間移動してきたときに本当に やきもちを焼きました。
どうしてアレクちゃんにできるのに、私にできないのかと。
だからクリス様が魔法の練習会を開いてくださると言うことを聞いて本当にお歳はうれしく思いました」
「 私もまだ練習を始めたばかりですけど、飛行魔法の初歩みたいなものを使えるくらいになりました」
「素晴らしいよ、ミーア」と俺
「はい、ありがとうござます。
実は、私は、以前、お城を抜け出して、誘拐されています」とミーアは話し始めた。
「その時に、助けて頂いたのがクリス様です。
本当に、あの時はありがとうございました。
今でも私時々誘拐されていたときの恐怖を思い出すんですけど、クリス様が助けに来てくれたことが、嬉しくて‥‥‥」ミーアは少し涙ぐむ。
ミーアの方に手を置いているサイラス王
そこにブラッドフォード大公国の王が立ち上がって頭を下げる。
「申し訳ありませんでした、ブラッドフォード大公国の王族として恥ずべきことをしてしまい、 取り返しがつかないことをしてしまいました‥‥‥幼いミーア姫の 心に大変な傷を負わせてしまい、申し訳ありません」と床に手をついて謝っている。
ミーアが近づいていき「ブラッドフォード大公国の国王様、あなたが悪いんじゃありません、特に私も誘拐されてから眠らされていましたので、ほとんど記憶がないんです。
目を覚ましたら、目の前に、ここにいらっしゃるクリス様のメンバーの方がいましたから、助けられました」
ミーア「でも、誘拐されてから眠らされるまでの記憶が恐怖を感じさせますが、それ以上にクリス様に会うことができたことが、私にとっての救いです」
ミーア「 私は、私を誘拐した人たちを許すつもりはありませんがブラッドフォード大公国の王様は誘拐事件に関与していないとクリス様からお伺いしています」
「はい、私もクリス様に助けられた身であり、クリス様を崇拝しております」
「まぁ、そうですか」とミーアがクスッと笑っている。
「 あなたもクリス様の信者なんですね」とミーア
「はい、 病弱で、いつも寝ているような私でしたが、クリス様が私の体を直してくれて、 忙しい仕事にも 以前のように寝込むようなこともなく仕事をこなすことができています、これもひとえにクリス様のおかげなんです」とブラッドフォード大公国のハワード国王
「もう、私に謝る必要はありませんよ、ハワード国王様、もう、お戻りください、じゃないと信者としてやっていけませんよ」と笑っている。
もう一度、深く頭を下げて戻っていくハワードの姿を全員が見ている。
今日のミーアは以前のミーアとは違うような印象を受ける。
サイラス皇帝が「 魔法覚えてからの娘は、最近は言う事まで違ってきているんですよ。
以前のような子供っぽい娘もいいですけど、皇帝の後を継ぐ身となれば、いつまでも子供っぽいままではいられません。
ミーアは、女帝としての意識が芽生えてきたような、しっかりした言葉を口にするようになりました。
これもクリス様の魔法訓練のおかげです」と頭を下げるサイラス皇帝。
「女帝って‥‥‥パパ、もう」と女帝って言葉が恥ずかしいみたいで顔を赤くしている。
「いや、うちにはお前一人しかいないんだから、俺のあとを継ぐのはお前だけだよ、女であるから女帝なんだよ」とサイラス王
「クリス様が魔法練習をしてくださって、まだ、2日しか経っていませんが、私が飛行魔法を使えるなんて、驚きです」
「でも、ミーア、訓練するときは、特に飛行魔法は精神安定が重要だから、俺たちの指導を受けた方がいいよ。
もし、不安定になれば、飛んでいるところから落ちると命がないからね」
「えっ、そうなんですか?、考えただけでもゾッとしますね。じゃ、誰か、ついてくれますか?」
「うん、もちろん、私がつくよ」とアレク
「あっ、アレクちゃん、いいんですか?」
「うん、もちろん、ミーアちゃんのためなら‥‥‥」
「ありがとう、嬉しい、よし、これでクリス様に飛んで会いに行ける‥‥‥」
「えっ」
「えっ、私、何か言いました?」
「いや、大丈夫」
ミーアは自分で何を口に出したのかわかっていないみたいだ。
「でも、本当にミーアはすごいね」と話を切り替えた。
「はい、飛行魔法だけじゃなく、ウィンドカッターでしょ、ファイヤーボールなんかも使えますよ、これでクリス様のメンバーになれる目処がつきました」
「えっ」
「えっ、なんですか?」
「いいや、なんでもない」となんで俺が
なんだかミーアは魔法が使えるなれば、俺たちのメンバーに加われるつもりでいるのかな?
そんなことサイラス皇帝が望むはずもないのに‥‥‥
そのやりとりをサイラス皇帝は見ている。
口の端を上げながら、顔は俺を睨むようにして‥‥‥。怖いな〜
あっと、今日は、そんなことを話すために集まったんじゃないや、つい話が逸れてしまった。
でも、今度、ミーアに精神魔法を施す必要があるな。
あっ、そうだ、今でもいいや、どうせミーアがここにいるんだから。
「ミーア、ちょっといい?」と俺がミーアの横に移動する。
「はい、クリス様、どうしたんですか」と言いながら俺に抱きついてきた。
俺はミーアの頭に手を当て、あの時の恐怖が和らぐようにしてあげた。
完全に取り去ることが難しいかもわからないけど、少しでも恐怖が安らぐように。
「あれっ、少し、心が温かくなったような、安らいだような気持ちです。
うわっ、なんだか、すごい」とミーアは嬉しそう。
「これでミーアの気持ちが楽になれればね‥‥‥」と俺
そう言うとミーアは余計に俺に抱きついてきた。
サイラス皇帝の拳が力をこめる。
怖いよ、サイラス皇帝〜
「あの〜、ミーア、もう話するから‥‥‥」
「あっ、そうでしたね、皆様、ごめんなさい」と言って俺から離れてくれた。
メンバーのみんなに目を向けると、ジトーッとした目線ばかりだった。
しかもエレノアまで、目線が痛いほど‥‥‥
えっ、俺のせい?
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
💚 お読みくださりありがとうございます。😄
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この物語は異世界の物語であり、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。
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