第448話 起きる未来予知

あっと買い物を済ませて、買い食いしてブラッドフォード大公国の山の中にある山荘に帰ってきた。


ここにある温泉が、山が近いこともあり硫黄の匂いが強い。しかし、この温泉は、国王からもらった温泉なので山荘と広大な敷地だから、誰も入ることができない。


確か以前聞いたときには、見える山全部が俺の土地になる。


初めてここに訪れたときに魔法の力を試そうとして温泉の前の木を切り倒してしまった。


その結果と言っちゃなんだけど、見晴らしが良くなった。


俺は山荘の部屋に入って、ベランダに出てきて、目の前に広がる広大な森に目を向ける。


空気を吸ってみるけど、今は冬なので雪が一面にある。こんな景色もいいもんだ。


寒いけど、魔法で温めることができるから。


俺は今まであったことを考えているんだけど、ウルフは討伐することができたけど、いつかは再生されて生き返る可能性がある。


そして今度は魔族も非常に厄介な存在だ。


俺が考えことをしていたら、横にアリシアがやってきて、景色を見ている。


これがアリシアがいることに気がついても、アリシアは何も言わないで景色を見ている。


「‥‥‥」


「いつ見ても、ここから見える山々は綺麗だね」とアリシア


「そうだね」


「ねぇ、クリス、何を考えているの?」


「えっ」


「最近のクリス、以前と違うような気がするんだけど」


「そ、そうかな?」


「クリスが 違ってきたので、あの時、ウルフと戦ってからだよね」


「そう?」


「うん、私、わかるわ、クリスが何かに悩んでいることが」とアリシア


「実はね、生命の神クリスティアナが俺に言ったことが ひっかかっているんだ」


「神クリスティアナが言ったこと?」


「そう‥‥‥」


「何を言ってたの?」とアリシア


「神クリスティアナは俺のことを『運命の子』って呼んでいるんだ」


「運命の子‥‥」とアリシア


「うん、運命の子‥‥‥運命の子ってなんだろうなって‥‥‥」


「そうだね、わからないね、それだけじゃ」


「でも、俺、わからないまでも、たぶん、この先に起きることが絡んでいると思えるんだ」


「この先?」


「そう、この先のことで、たぶん、一大事が起きる」


「一大事?」


「それを俺が止めることができるか、どうかで世界のことが決まってしまう‥‥‥」


「それは‥‥‥、予感?」


「いいや、俺の未来予知」


「そんな遠くのことまで、わかるの?」


「いや、ハッキリとじゃなく、なんとなくだけど、起きるなって言う程度だけど」


「‥‥‥ねぇ、クリス、その時、私は生きていられるの?」


「そうだね、難しい問題だと思うけど、動き方に置いては、俺もアリシアも生きてはいられない‥‥‥」


「つまり、変化すると‥‥‥」


「そう、変化するんだ、俺が死んでしまう未来、アリシアだけが死んでしまう未来、そして両方が死んでしまう未来、それが、迫ってきていると言う未来予知」


「迫ってきている?」


「そう」


「迫ってきているから、あと数年のこと」


「えっ、たった数年のことなの?」


「うん、そうだよ」


「たぶん、前触れが起きるのは、1年後からだね」


「そ、そんな、もう時間がないじゃない」


「そうなんだ」


「さっき、クリスは、動き方に置いては、って言っていたよね」


「うん、そうなんだ、一つでも間違えると、この星自体が滅亡してしまう」


「えっ、そんな怖いことを言わないでよ、クリス」


「でも、事実なんだ、だから急がないといけないんだ」


「そ、そんなぁ〜、クリス 1人が悩まなくたっていいんじゃないの?」


「 そうは行かないんだよアリシア」


「どうして?」


「俺って勇者でもあり、救世主でもあるだろ?」


「‥‥そ‥うだね‥‥」


アリシアの顔が下を向く


「勇者っていうのは、困難に立ち向かってこそ勇者なんだよ、そして、世界を救ってこそ救世主なんだよ」


「‥‥うん」


「もちろん、命を捨てるようなことはしないさ、でも、もしも、ということはあるんだ。

だから、今は、悩んで、考えて、進みたいと思う‥‥‥それしかないんだよ」


「うん」


「進んでみて、悩んで、考えて見極めることができれば‥‥‥生き残れる‥‥」


「うん」


「俺は、神でもあるから、以前よりも使えなかった未来予知が精度を増してきているんだ」


「じゃ、本当なんだね」


「うん、そうだよ」


「アリシア、小さい時から、俺と遊んでくれてありがとう、俺はアリシアのことが好きだよ」


「私もよ、クリス」とアリシアは言ってくれて、俺のもとに数歩、歩み、腕を俺の体に回す。


「この世界が滅んでしまうようなことがないように、頑張るよ」


「うん」


「まず、何が起きようとしているのか、調査する必要があるんだ」


「うん」


「俺に協力してくれるかい、みんな‥‥‥」と俺は言った。


「!、えっ」


後ろには今、ここにいるメンバー全員がいた。


「やっぱり、気がつきましたか?」とジャネット


「うん、そして、ここにいるのがアデル」と言って、俺が数歩、歩いて透明になっていたアデルを拿捕した。


「あちゃ〜、よく分かりましたね、ご主人さま」とアデル


「以前とは、違うからね」


「失敗、失敗‥‥‥」と頭を掻いている。


アリシアの顔が赤い。


「みんな、今、聞いていたことがわかるね」


「はいっ」


「もう時間がない、1年なんて、アッという間だよ。

その時は早まることも、遅くなることもあると思うけど、急いでする用意する必要があるよ、でも、無理は禁物だよ、 体を酷使したり寝不足をしたりすると、いざと言う時に対処できなくなるからね」


「ご主人さま、何を用意しますか?」とパトリシア


「そうだね、まずは同盟国への通達だね、それはコリンに任せるよ」


「了解、任せて」とコリン


「そして、次は、全員が飛行魔法を習得して、飛べるようになること」


そこに手を挙げた人がいた。


「はい、アリシア、なに?」


「 クリスには黙っていたんだけど、もう皆んな、飛行魔法で空を飛ぶことができるんだ」


「えっ、そうなの?」


「うん、みんな空を飛べるよ」


「よし、じゃ、テスト飛行と行こうよ」


「うん、いいよ」とイザベラ


でも俺はびっくりした。全員が飛行魔法を習得していたなんて初めて聞いたから。


もちろん神獣たちは飛べるけど。


ここにいないシャーロット、セラフィーナも飛べるんて、驚きだな。


「じゃ、みんな、行こうか」と俺が声をかける。


「うん、いくよ」とアレク


1番に飛び出して行ったのは、もちろんアレクだった。


次には、アリシアとイザベラとソフィアがジャンプして飛び出す。


それに神獣たちが続いていく。


俺がみんなが飛んだのを確認して飛ぼうとしたんだけど、「ちょっと待った〜」と大声を出した。


アリシア、ソフィア、アレク、ジャネットは降りてきてと俺が言う。


「えっ、なに?」とアレク


「なんなの?」とアリシア


「みんな下着が見える‥‥‥」というと顔を真っ赤にして着替えに行った。


「もう飛ぶ前に言ってよ」とアリシア


だって飛んでから気がついたんだよ、それは、見えてから‥‥‥


カラフルなものが見えたから‥‥‥



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💚 お読みくださりありがとうございます。😄


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誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っていきます。


この物語は異世界の物語であり、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。


🍎 基本的に週末に連続で投稿していきます。それまでは時間が許す限り書き溜めていきますので、よろしくお願いします。🤗

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