第439話 学園の魔族

学園の講師を引き受けて訪れた日に、魔物がいることは判明した。


「 みんなにちょっと聞くけど、今の奴は、いつからいたの?」と全員に聞いてみる。


「えっ、俺たちも初めて見た」


「私たちも、あの人なんて、初めて」


「あんな奴、知らない‥‥‥」


「見たことない」


と言うことばかり学生は言うので、今日、どこから情報を入れたか、わからないけど、今日の訓練から来たみたいだ。


と言うことは、どこかに隠れていたのか、人から教えてもらったのか、しかし、知っていたのは、教師だけ。


生徒は、ここに集められたことさえ知らない。


と言うことを考えれば、もう一人、いるのか?


と目線を教師たちに向けた。


目線を向けた途端、目を逸らした奴がいる。


ほとんどの人は、今、俺がしたことに対して驚きの目を向けているのに、一人だけ怪しい気配の奴がいるから、俺は、そいつにマーカーをつけようとしたけど、動き始めたので、そいつの前に瞬間転移して、同じように結界魔法で覆った。


そいつは歩みを止めて、俺の前に立ち塞がるようにしている。


「先生、どこに行くんですか?」


「いや、ちょっと、トイレに行こうかと」


「まだ、話が終わっていませんよ」


そこにシャーロットが「クリス様、どうか、したんですか?」と来ようとしている。


来ようとしているシャーロットと手で制して「来ないで!」と伝える。


「はぁ、チャンスだったのによ」と教師


「どうせ、この結界魔法は俺には、破れる代物じゃない」と言いながら教師の目はギラついている。


教師がとった方法は、驚くべきものだった。


俺が結界魔法で覆ったものとは違う結界魔法を自分の内側に張った。


その方法で、やったことはないけど、奴は、そこから瞬間転移しようとした。


俺は一瞬できるのか?と思った。


やはり、奴は出来なくて、転移しようとした俺の結界にぶち当たり、脳震盪を起こして倒れた。


しかし、すぐに目を覚まして、自分で自爆して死んだ。


「‥‥‥」 魔族って、すごいな。


そこに全員が駆け寄ってくる。


「今の二人は魔族です」と俺が言うと驚きの声が漏れる。


「えっ」

「魔族?」


「ちょっとクリス様、何を軽く言っているんですか?」とシャーロット


「えっ、どうして?」


「だって、あの魔族ですよ」とシャーロット


「うん、だから?」


「‥‥‥」


「はぁ‥‥クリス様、知らないみたいですね」


「だから、なんなの?」


王子で前へ出てきて「クリス様、魔族っていうのは、強い魔力を持って、悪事をする種族です」


「へ〜、そうなんだ」


「魔族にも上級魔族とか、中級魔族、下級魔族だと言われる魔法力の違いがあるんですが、今の魔族は‥‥‥」


「えっ、えっとね、生徒の中にいた奴は、下級だね、教師の中にいた奴は、上級だね」と鑑定したことを伝える。


「上級を、いとも簡単に‥‥‥」と王子が言いながら、呆然ぼうぜんとしている。


「皆さん、ちょっと休憩します」と言う理事長。


「はい、先生」って手を上げながらアデルが「ちょっと生徒のみんなと遊んでいいですか?」と


俺に言っていると思うので「怪我させないようにね」と伝える。そして念話で話を伝えるからと言っておく。


現場に残るのは、アデル、アイリス、エイミー、アレクみたいだね。


つまり幼年組が、生徒と遊ぶみたい。


「じゃあね」と言って、俺たち、残りのメンバーは部屋に案内される。


部屋に案内されると、シャーロットが、「あの生徒と、教師が魔族だなんて」と話し始める。


王様は「まさか、もう魔族がいたなんて‥‥‥」


王子は「恐ろしい魔族だ」


うん?、なんか、前から魔族を知っていたような感じで言うので、「以前に魔族と何かあったんですか?」と聞いてみた。


王様「そうですね、話ておいた方が良いと思いますが、私が即位して間もない頃に、一度だけですが、魔物が城を襲って来たことがあります。

その時には、ちょうど会議中で、私も狙われたんですが、その場にいた宰相が死にました」


「へー、そんなことがあったんですね」


「はい、その時には、どうして狙われたのかもわからずに、時間ばかり経過してしまって、そのことをすっかり忘れていました。

王子には、伝えていたんですが、生まれていなかったシャーロットには話していませんでした」


「でも、クリス様、よく分かりましたね、魔族だって」とシャーロット


「あっ、それはね、うちのメンバーを色目で見ていて、軽蔑するようなことを言っていて、俺、頭に血が上ったからだね」


「‥‥‥」全員が黙った‥‥‥


「クリス様、血が上っても、あんなことを確証もなくしてはダメですよ」とシャーロットから指を口の前にて立ててたしなめれらた。


「いや、冗談だから‥‥‥」


「もう、こんな時に、冗談もよくありませんよ」とシャーロット


「本当は、奴の近くにいた時の、匂いだね」と言葉をつなげた。


「匂いですか?」とシャーロット


「そう、人じゃない匂いがしたんだ」


シャーロットが自分の腕を嗅いでる。


「でも、これで学園の生徒も鍛えないといけなくなったね」


「そうですね、魔族に対抗するだけの力を持つ必要がありますね」と王子


そこにタイミングがよく、外で遊ぶ声が聞こえてきた。


その声はアレクだったけど、その後に爆発の音が響いてきた。


俺は立ち上がり、窓から外を見てみると、アレクが嬉しそうに、生徒を相手に戦いを挑んでいる見たい。


「これくらい防げないと、死んじゃうよ」と言っている。


俺が瞬間転移して、アレクのそばに転移して、アレクの頭を軽く叩いた。


「君、大丈夫?」と言うと、怪我はないけど、洋服は焼けていた。


「こらアレク、何をしたの?」と聞くと、「だってあいつが、私のことを馬鹿にしたんだよ」と言うから、他のメンバーの顔をみると、うん、うん、と頷いている。


「だから、懲らしめてやろうとしたんだよ」


エイミーが「私もアレクは間違っていないと思います」と言い出した。


アデルも「私も、そう思います」


アイリスが「ご主人さまのことを悪く言うのは、許せません」


「‥‥‥、君、何を言ったのか、知らなけど、この子たちも俺たちの後継だから、君たちが束になっても勝てないよ」


服が焦げた生徒は、大きく頷いているし、恐怖で、体が震えている。


「許してください、ごめんなさい」と言っているので、「許すのは、今日だけだよ、次、やったら俺が相手するよ」と告げる。


「ひいっ〜、もうしません、許してください」と言いながら逃げていった。


俺が校舎を振り返ると、窓から全員が見ていた。


窓が開いて、剣士学園の学園長が、「あの生徒は、私の生徒ですが、成績も群を抜いてトップの者です、最近は、素行も悪くなるばかりで困っていました。クリス様、申し訳ありません」


剣士学園のトップを、アレクが倒したわけか!


それも遊び半分で‥‥‥、これじゃ、思いやられる。


ぜんぜん、力が足りていない。


そこで、王に向かって「王様、明日、この国の兵士、騎士のトップを集めてください」


「やっと、クリス様がやる気になってくれましたな」と王様


学園の生徒どころか、この国を守る兵士や騎士の実力がない気がする。


一応、国軍を見る必要がある。


こんなんじゃ、 現場にいても足手まといになる。


王から「クリス様、あなたは、この国の最高司令官ですから、好きに鍛えてもらって構いません」


シャーロットが「そうね、私から見ても、全然、ダメだわ」と手厳しい。


鼻息が荒いシャーロット


「お兄様も、明日は必ず、来てください。勇者様直伝の方法で鍛えて差し上げます」


兄である王子まで鍛えるらしい。


シャーロット、あまり張り切りすぎないように‥‥‥


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

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この物語は異世界の物語です、空想の物語ですので混同されることがないようにしてください。


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