第421話 魔法の鏡5
床に倒したままにしておいた魔法の鏡を壁に立てかけて固定した。
「じゃ、あとは頼むね、念話が通じるから、じゃ、行ってくるよ」
「うん、クリス、気をつけてね」とアリシア
「注意しなさいよ」とイザベラ
「水分を取るようにね」とソフィア
「何かあったら逃げて私のもとへ」とセラフィーナ
「気をつけて」とシャーロット
「‥‥‥」コリン
「ご主人さま、行ってらっしゃい」とエイミー
「ご主人さま、帰ってきたら、美味しいものを食べましょう」とアデル
「ご主人さま、頑張って」とアイリスと言われて、俺たちは鏡の中に5人で入っていく。
魔法の鏡に入るのは、俺とジャネット、ロゼッタ、パトリシア、アレクの5人だ。
俺が魔力を流していく、多めに入れると数人は通ることができる可能性もあるけど、危険なことはやめておいたので、俺が鏡に魔力を注いで、まずは、様子を見るために、顔だけ中に入れて、危険がないことを確認して、また、魔力を注いで800にすることを繰り返す。
神獣たちも鑑定は使えないから加減がわからない。
念話で繋げながら、最後に俺が鏡の世界に入る。
そして念話でメンバー全員に、(みんな聞こえる?)と確認をとる。
ここで、もし念話ができなければ作戦は中止する必要があるから。
しかし、そんなことはなく、念話は正常に全員に通じている。
鏡の中に入っているメンバーは、俺の顔を見ながら待っている状態だ。
俺は索敵魔法を展開しながら先がどうなっているのか確認を行っているけど、前回と少しだけ違うところがあるみたいだ。
前回は四角形のような感じを受けたんだけど、今回の空間は長細く感じる。
相変わらず色は白いままだけど壁や床にも天井にも鏡があるから、全面の部分に鏡があることになる。
この空間は自然と形を変えるんだろうか?
それとも誰かが空間を操作して形を変えているのか?
なんにせよ警戒しなければいけないと思い、言葉よりも念話で話すことにした。
(みんな聞こえるよね、 チャンネルはオープンにして全員と会話ができるようにしているから、アリシアたちも何かあったら念話で話してね)
(了解)とアリシア
念話(じゃ、検索魔法では何もないみたいだから、全員で瞬間転移しながらいくよ)と言って手を出して繋ごうとしたら、すぐにアレクが手を繋いできて、喜んでいる。
横並びに手を繋いで、現地点から見える範囲に小さいジャンプを繰り返していく。
手を繋いで一人が瞬間転移の魔法を使うことで、誤差がないから。
小さいジャンプを繰り返しても、何もないので鏡を見ることにした。
一つずつ鏡の中を見ていく。
そういえば鏡は魔力を入れて起動するんだったと思いあたって、念話で(みんな、鏡の魔力を感じるようにして‥‥‥)と告げた。
俺も検索魔法で魔力を感じるようにしたら、ところどころ魔力反応があった。
念話で(みんな、わかった?)と聞いてみると
念話で(はい、あそこと、あそこに魔力反応があって、数カ所にありますね)とパトリシア
念話で(それで、その鏡をみてみると対角線状にあるよね)
念話(ですね、ご主人さまが言った通りですね)とジャネット
鏡は天井や床や側面にもあるわけだから縦横無尽にどこからでも映し出すことが可能なわけだ。
ということを考えれば鏡の中にいる人物からも前面から攻撃される恐れがあるのかも。
う〜ん、なんだか、この世界は、俺たちには手厳しいかも。
ウルフが 作った空間なのか、どうなのかわからないけど、奴の方が、ここに長くいて慣れているとしたら危険だな。
念話で(みんな、一つの方向だけじゃなく下にも上にも横にも気を配っ‥‥‥)と言おうとしたら床の鏡からビームが飛んできた。
ビームは当たらず、避けることができたが、見た人影は、一瞬だったけど、ウルフだった。
しかし、もうそこにはいない。
その鏡を覗いてみると、普通に家の家具が映し出されているのと、女性が料理を作っている。
念話(これは、奴の独壇場だな、さそい込まれたのか?)
もうやつには俺たちが魔法の鏡の中に入ってきた事はわかっていると思うので作戦を立て直す必要があるので、もう一度、元の場所に一気に戻って鏡の世界から出ることにした。
念話で戻る前に警戒させるので、(一度、出るよ)って言っておいた
俺たちは入った時と同じように、魔法の鏡から出てきた。
「あっ、クリス、怪我はない?」とアリシア
「大丈夫?」とソフィア
「お帰りなさい」とシャーロット
「なんだか、ウルフに、誘い込まれた気がする‥‥‥」
「つまり、罠だったってこと?」
「かも‥‥‥」
「ごめんなさい」とアリシア
「ん、どうしてアリシアが謝るの?」
「だって、私が目撃してクリスに伝えたから」
「それはアリシアのせいじゃないよ、俺の方が至らなかったせいだよ」
「まぁ、まぁ、お二人さん、どちらのせいでもないよ」とシャーロット
「そうですよ、悪いにはウルフです」とセラフィーナ
「しかし、魔法の鏡の世界は、本当に奴が使いこなしている世界だな」
「何があったの?」と気を取り直しているアリシアが訪ねる。
「 初めて入った鏡の世界とは形が違っていて鏡の数が増えているし床にも天井にも鏡があったんだ」
初めて入ったときには横にしかなかった鏡が天井にも床にも増えているから、俺が入る前に説明したように下上横から狙うことができるからビームを1発打たれたんだ」
「クリス大丈夫だったの?」とアリシアが体を触ってくる
「うん、大丈夫だよ、アリシア、心配しないで」
「あっ、うん、わかった、ごめん」顔を赤くしている。
「 それでも、本当に厄介だね」ソフィア
「どう対処しようか? 考えなきゃね」と俺
俺「通路を変化させることができるし、鏡の数も変えることができるから、鏡を中から破壊するしかないかな?」
「でも、鏡を中から破壊したら、こちらにある鏡はどうなるんだろ?」とアリシア
「最悪な場合、爆発?」とイザベラ
「うん、そうなる可能性もあるよね」と俺
「そうすると、被害が出ることもあるね」とソフィア
「うん、そうだね。あっ、そうだ、鏡に結界魔法で覆ってみたら、どうだろう?」
「結界魔法ですか?」とセラフィーナ
「うん、そうすると、奴の攻撃をできなくすることができると思うんだ」
「あっ、そうですね、クリス様の魔法は、変幻自在ですもんね」とセラフィーナ
「えっ、そう?」
「そうですよ、普通なら、そんなこと考えたってできませんもの、さすが未来の夫です」とセラフィーナ
後半は無視して「結界魔法で奴の攻撃を防ぐのと、結界魔法を透明じゃなくしてしまえばいいんだ」
「たとえば‥‥‥」と言ってアリシアに結界魔法を行使して、「今は透明だけど、これを‥‥‥」と言って灰色にしてみた。
「どうアリシア、これなら内側から見える?」
「ううん、全然、見ない」
「うん、これで多分、大丈夫だと思うよ」
ジャネットが「 ご主人さま、ちょっと休憩にしませんか、お腹が空きました」
「あっ、そうだね、モグモグタイムにしようか?」
「あっ、賛成」と言いながら食べていたお菓子を横においた、アデル。
まだ、食べるのか?
あとのメンバーは、トイレ、トイレと言いながら部屋の外に出て行った。
あっ、俺もトイレに行っておこう。
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