第415話 城の研究施設2
俺たちは王の案内で研究施設に行こうとしている。
研究施設は下の階にあるみたいで王は、どんどん下に降りていくけど、お城が大きい分だけ、どれくらい歩かされるのか?
王族って、外出する時も、すごく大変だなって思う。うちの村の家なんか、数歩歩けば、もう外だよ。
今、拠点にしているオーリス王国の屋敷だって3階だてだから、通路と階段はあるけど、そこまで時間はかからない、まぁ、最近は瞬間転移することの方が多いから、長く歩くことがない。
お城は、その点違いすぎる。
通路も長いし、階段も長く広いから、外に出るだけで、20分はかかるだろうな、そこから馬車にのって城門を潜るから、また、5分くらいはかかるかな。
王は、どんどん、何も言わないで下に降りていく。
お城に住んでいるだけで足腰が鍛えられる。
まぁ、大体が王族が住むフロアから降りることはないのかな?
普段から階段を、こんなに早く降りることはないと思われる王様は汗をかいている。
俺たちは汗をかくこともなく、下への階段を降りていくけど、時間がかかるな〜
そして最後のフロアを降りたみたいだ。
王様は階段を降りることなく、通路を歩いていく。
そうすると扉の周りに物を置いている汚いところで王の足が止まった。
「すまぬな、研究員どもに言っているのだが、片付ける気がないみたいでな」
「あっ、いいえ、大丈夫です」俺の部屋も時々、こうなるから‥‥‥
王は、研究施設の扉を開けて中に入って、声をかけている
「お〜い、施設長?」
そんなに広いわけじゃないけど、奥から声がした。
「誰だ〜、私を呼ぶのは?」と出てきた施設長と思われる人物が、小太りで背が小さい男だった。
「あっ、王様でしたか、これは、これは失礼したしました」と挨拶したが、あまり丁寧ではない。
「施設長、こちらに居られる方に施設の中を見せてほしいんだが」
「あっ、そうですか、構いませんよ、どうぞ、私は忙しいので、研究に戻りますので」
「わかった‥‥‥」と王
あっ、研究施設の中のものは、お手を触れないようにお願いしますね、大事なものですから」と言って、立ち去って奥に行った。
俺たちは珍しいものを見るような感じでウロウロしている。
王は扉のところで汗をふいている。
エレノアも普段は来ないんだろうけど、中のものを見ている。
施設長はエレノアには気が付かなかったのかな?
同じ年代の子が他にもいるからか?
俺たちは目の前にある実験道具を見て回る、けど、‥‥‥なんだか変だ。
何が変なのかわからないけど、違和感がある。
そうだ、俺はオズワルド王国で姿を消した研究員が思い浮かべる。
でも検索魔法で探知しても普通の人と言う反応しかない。
でも、俺は思うんだけど、どこかにカラクリがあるはず。
今度、限界突破の状態で見てみるか?
でも、今は研究室を家探しする。
俺は気になったことがある、それは奥に行って、先ほど応対した研究員が、こちらをチラチラ見てみること。
本当に忙しいんであれば、そんな余裕なんてないはずだから。
俺は、広い研究室を歩きまわりながら、研究員に近づいた時には、目で見ないようにしながら、検索魔法で様子を伺うことにした。
王様は扉のところにいるので、俺は王様に気が疲れないように結界魔法を使って守ることにした。中をうろうろしているエレノアにも同様に結界魔法を行使した。
強制的な念話を使い、メンバー全員に、警報を発令する。
神獣たちと普段、念話をすることがないメンバーにも念話で警報を出す。
「全員、注意して、さっき会った施設長を注意して、全員で気づかれないように遠回りに見張って‥‥‥」
「あの、クリス、念話って、すごいね、初めて」とイザベラ
「私もびっくりしたよ」とソフィア
「私も〜」とコリン
「本当に見ていたら、急にクリス様の声がするんですね」とセラフィーナ
「もう、びっくりさせなでよ、持っているものを落としそうになったじゃない」とシャーロット
シャーロットは手に何か持っていたらしいけど、触るなって言われているのに。
アリシアから念話で「クリス、施設長だっけ、あの人が怪しいってこと」
「うん、間違いない。気配はないんだけど、前の王族が集まって、ウルフが伯爵の皮をかぶっていたことがあったでしょ。多分、それが原因で、探知魔法や検索魔法や索敵にも引っかからないんじゃないかと思うんだ」
「えっ、そう言うことなの?」
「うん、たぶんね、考えたんだけど、人が生きているうちに、憑依する方法だと思う、その中に隠れてしまうと、わかりづらくなる見たい」と念話で話をする。
俺の後ろにエレノアの姿を見つける。呑気に鼻歌を歌いながら実験道具を見ている。
俺はエレノアの近くにいて、小声で「エレノア、俺のそばから離れないで」というと、エレノアは、一瞬、意味がわからない顔をしたが、すぐに俺の腕に飛びついてきた。
小声で「えっ、ちょっと、手を離してくれる‥‥‥」
エレノア「だって、今、クリス様が離れるなって」
「そう言う意味じゃないから」
「もう、なんですか」と怒りながら腕を離して離れるエレノア。
「ちょっとやばいことになりそうだからね、俺にひっつかないでくれると嬉しいかな」
「えっ、それって‥‥‥」
そこに大きな爆発が起こり、俺はエレノアに注意を向けていたため、初動が遅れた。
爆発の方を見てみると、ウルフがいた。
壁や床やテーブルの上にも、人間のものと思われる残留物が散らばっている。
嫌な匂いが充満してくる。
「おいっ、勇者様よ、どうしてわかったんだ、こんなに完璧に隠蔽していたのによぅ」
「おい、おい、ウルフよ、俺がお前のことを見逃すはずもないだろう?」
「そんなに俺のことが好きなのか?」と人をおちょくる。
「はっ、お前、馬鹿だろ」と言いながら結界魔法で守っているけど、エレノアを後ろに隠す。
エレノアは恐怖のあまり、ガタガタ震えているから俺の洋服を掴んでいる。
まずい
俺は念話で「アデル、エレノアを頼む」と送った。
アデルはすぐに瞬間転移で現れてエレノアとともに瞬間転移した。
エイミーに王様も頼むと念話で送り、エイミーと王様も瞬間転移して消えた。
「おい、おい、今更、あんな奴ら狙っても意味ねえよ」
「そうだな、お前がやろうとしたことは、俺たちが潰させてもらったからな」
俺たちは遠巻きながら、残りの全員でウルフを囲っている。
「おっ、お前らもいるのか」と神獣たちを見て言っている。
「ええ、ウルフ、いえ、前は猪だったわね、久しぶりね」とジャネット
「そうか、お前らは、そちら側についたのか?」
ん、そちら側?? どう言う意味だ?
俺たちの陣営と、敵対する陣営を言う意味なのか?
「おう?、 フェニックス以外にもトラとクマとドラゴンもいるのか?」
「そうだよ、私たち全員が、相手だと勝てるかな?」とアレクの挑発
「おいおい、俺様を見くびるなよ、昔の俺とは違うんだよ、そんなこともわからないのか?」
俺が「ああ、わかっているさ、俺たちも、お前と戦った時とは、違うからな、そのまま、お返しするぜ、昔とは俺たちも違うんだよ、ウルフよ、そんなこともわからないで、あ〜ぁ、がっかりするぜ」
「‥‥‥」ウルフは何も言わない。
さぁ、どうする?
ウルフは、何を考えたのか、わからないけど、急に俺の前に瞬間移動して、俺にアイススピアを打ち込んできた。
俺は手に持ち打ち込んできたアイススピアを交わして、研究材料が載っていたテーブルをひっくり返す。
上に乗っていた本や実験道具が大きな音を立てて割れる。
「ガシャーン」
「お前、よく俺の攻撃をかわせたな」
「当たり前さ、そんなへなちょこな攻撃なんて」
次にウルフは俺から離れて、アリシアを攻撃した。
しかし、瞬間転移で消える光跡が見えたので、奴よりも早くアリシアの前に瞬間転移で現れて奴の攻撃を撃退に成功した。
「きゃっ」とかわいい声を出すアリシア
「お前な、俺に敵わないからと言って、女性を狙うなんて、格好悪いぞ、男の面汚しだな」
アリシアは驚いたのは、まさか、クリスが現れるとは思っていなかったせいであり、決して守られる存在だけではなかった。
それはアリシアは、部屋の被害を小さくするために、しっかりと考えて、ウルフと同じアイススピアで俺の後方をすり抜けて、放ったからだ。
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