第391話 フレーゲル伯爵3

俺は、ランドルフに屋敷を襲ってきた6人の捕縛を頼んで、お母さんは、ブラッドフォード大公国の山荘の屋敷に寝ておいた方がいいと思うので、ランドルフだけ連れてオズワルド王国の執務室に戻ってきた。


さぁ、今から大変なことが起きる。


まだお城の中に、フレーゲル伯爵がいるみたいだけど、たぶん、俺の屋敷を襲った奴らの報告を待っているところと言う感じかな。


余裕で部屋で待っているみたいだ。


俺のメンバーの女性たちをお城の近くに運ぶことになると思うけど、流石にお城には来れないと思う。


それは、女性メンバーが捕まった場合だけど、男たちが捕まった場合は、想定していないだろうな。


俺はなんだか、楽しみにしている気分。


新国王の母上を拉致したんだから、伯爵でも、タダで済むわけない。


ランドルフが、帰ってきて、すぐに指示を出している、その対象となるのは、フレーゲル伯爵を捕まえること、そして屋敷に騎士や兵士を派遣して6人の賊をほ捕縛すること、当然、今は、俺は公爵だから、伯爵の手の者が侵入しましたって言えるから。


あとはランドルフに任せて、ブラッドフォード大公国の山荘に転移してきた。


ランドルフのお母さんもいるけど、他には女性二人と女の子がいる。


神獣たちには、見張りの二人を残して、あとは帰って来るように言った。


残ったのは、ジャネットとロゼッタが残ったみたいで、他は全員が帰還した。


ほどなくして、屋敷にきた兵士に賊を引き渡して、ジャネットとロゼッタも合流した。


これで全員、揃ったので、ランドルフの母親は休んでもらっているけど、女の子は先に目を覚まして、食堂とは違う部屋で同じような歳のエイミーとアイリスとアデルとアレクと食事をしている。


神獣たちの幼年組は、もう出会って2年から3年経つけど、一向に成長していない。


やはり時間の経過が違うのだろうな。


そして女性二人が目を覚ましたとアリシアが言ってきてくれた。


俺たちは、女性に会うために部屋に入っていく。


今度は女性たちは、もう着替えたあとだった。


一人の女性は20代前半くらい、もう一人は30代前後に見える女性は、ロリーというらしい。


部屋に入っていくと俺がベットの横の椅子に腰掛けて、話を聞くことにした。


アリシアも俺の横に椅子を持ってきて、座っている。


「えーと、俺はクリスって言います。あなたたちをフレーゲル伯爵の屋敷から助けたんですが、話を聞いてもいいですか?」


年配の女性が話し始める「はい、助けていただいたことには感謝しております。と捉えられていたので礼金も今は払うことができませんが、必ずお支払いします」


ん?、助けていただいたことには? なんだか言葉が‥‥‥


「私たちは、旅の途中のものでして、ある目的で、物語に出てくる勇者様を探しております」


「勇者様?」


ロリー「はい、勇者クリス様です」


「その勇者にあって、どうするんですか?」


ロリー「それは、いくら助けていただいた方に対しても言えません」


「そうですか」


俺のことを知らないし、どうして俺に会いにきたのかも言えないか?


そんな人たちを俺たちが助けたのに?


「もう一人の、あの女の子は、あなたたちの子供ですか?、年齢が合わないような気がしますけど‥‥‥」

早くて結婚していれば、問題ない都心だけど。


「いいえ、姫さ‥ま‥‥は‥‥はっ」ロリーが話してしまった、まずい、という顔をしている。


「姫様?」


ロリーは迷ったみたいだけど、一度、口に出してしまえば‥‥‥という感じで、話し出した。


「はい、一緒にいたエレノア様は、ボールドウィン王国の第3王女殿下です」


「それは、どこにある国ですか?」


「えーっ、クリス、知らなの?」とアリシア


「うん、知らないけど」


アリシア「ボールドウィン王国といえば、この隣の大きな大陸の一大国家だよ」


「へー、そうなんだ、知らなかった」


アリシア「いつもは勉強ばかりしているのに、そんなことは知らないんだ」


「勉強するときには、地図なんか、見ないよ」


アリシア「あっ、そうか」


ロリー「あの、話を続けてもいいですか?」


俺「あっ、はい、ごめんなさい、どうぞ」


「実は私たちは、オーリス王国にいく途中に、捕まりまして、他にも男性の護衛がいたんですが、裏切りにあいまして、数人は殺されてしまいました。生存を確認できないまま捕まりまして‥‥‥」


ロリーが徐々に普通に話してくれるようになった。

少しは俺たちを信用してくれたんだろうか?


「そうだったんですね、それは残念です、お悔やみ申し上げます」


「ありがとうございます」


「それでオーリス王国に、なんの用事があるんですか?、 あっ、言えないんだったらいいんですが」


「はい、姫様のことも 喋ってしまいましたし助けていただいた、御恩もありますので、そんな方を信用しないわけにはいきませんので、私たちは、オーリス王国にいらっしゃる、ある方にお会いするため、旅の途中でございました」


俺は「そうなんですか? あっ、ちょっと待っていてください」と言ってアリシアに「シャーロットを読んできて」と頼んだ。


アリシアは立ち上がって部屋を出ていったので、手持ち無沙汰を感じて、俺は立ち上がって紅茶を淹れることにした。


テーブルの上には何もないけど、俺の異空間収納から茶器を出して、紅茶の葉っぱを出して濾し器に入れて、魔法でお湯を出す。


なんだか女性たちは、俺のことをじっと見ている、珍しいんだろうか?


「はい、どうぞ」と言って入れたての紅茶を差し出す。


二人は紅茶を受け取り、一口飲んで、「体が休まります、ありがとうございます」と頭を下げて言ってくれた。


そのときにアリシアが、シャーロットを連れてきた。


「はい、なんですか?」


「あっ、えっと、この人は、信じられないかもしれないけど、オーリス王国の姫様なんだ」


「!、信じられないかもってどう言うことですか? クリス様?、私、れっきとした姫ですけど、もう、クリス様と出会ってからの私って、どんどん姫っぽく無くなるじゃないですか」


「あー、そう、今のシャーロットが良いと思うよ?」と俺がいうとシャーロットは顔を赤らめてしまった。


「話は違うけど、この人たちは、オーリス王国に用があるんだって」


「えっ、そうなんですか、それで呼ばれたんですね」


「はい、どう言う要件ですか?」


二人は話の展開についていけないみたいで、目を丸くしている。


「あの本当にオーリス王国の姫様なんですか?」


「はい、そうですよ、シャーロットと言いますけど、今はクリス様の冒険者メンバーですけど」


といらないことを言う。


「姫様が冒険者をしているんですか?」


「はい、私と、もう一人、姫がメンバーにいますよ、そちらの方はライオネル公国の姫ですね」


「えっ、二人も姫様がいるんて、何て言うパーティーなんですか?」


「えっ、そういえばパーティーの名前なんてないですね、決めていませんでした。クリス様、今度、決めましょうよ」


「まぁ、そのうちにね‥‥‥」


一般的に冒険者はパーティー名がついているけど、恥ずかしいような名前ばっかりなんだよね。


恥ずかしいパーティー名を、名乗たくないよな。


名前なんて、暁のなんたらかんたらとか、赤いなんとか‥‥‥とか


「あの、それで、オーリス王国にいる人に用事があるんだって」


「えっ、誰です? 私の知っている人だったらいいんですが‥‥‥」


「私たちがお会いしたいのは‥‥‥ 」


なんだか、言いにくそう。


「俺たちがいない方がいいんだったら出て行きますけど」


「あっ、申し訳ありません、そうじゃないんです」


「その方がいるか、どうかもわからないんですけど、その方が登場する本がありまして、まるでおとぎ話のような方なんで、本当に実在しているかもわからないんです」


ここでなんとなく想像がついた‥‥‥


俺は確認のため「‥‥‥本というと?」


「勇者物語と言う本に出てくる方なんです、確かオーリス王国の公爵だとか書いてありまして、しかも、その方が勇者だって書いてあるんです。

私たちは、その方に助けてもらうため遠くから旅をしてきました。

今、王族で国を抜けられるのは、エレノア様しかいなくて‥‥‥」


アリシアとシャーロットが俺の方を見る。


「‥‥‥」


「あの、その人に何をしてもらいたいんですか?」


「実はボールドウィン王国に厄災が訪れていまして」


「あっ、厄災?」


「はい、そうです」


「どんな厄災なんですか?」


「それは、その方にしか、言ってはダメなことですので、申し訳ありません」


アリシアが「じゃ、大丈夫ですよ、伝説の勇者が、ここにいますから」


「えっ、どこにですか?」キョロキョロしている。


シャーロット「目の前にいる人が、その本に出て来る人ですから」


「えーっ、嘘でしょ、こんな若い方が、あの本の勇者様なんて、嘘言わないでください。

とても信じられませんよ、嘘つくなら、もっとマシな嘘をつくべきじゃないですか?

いくらわたしたちを助けてくれたからって、そんな嘘はいけませんよ」


なんだか、すごい言われよう‥‥‥


ロリーがシャーロットを長くジト目でみている。


ロリー「!、あなた様の、その気品といい‥‥‥も‥しかして、本当にオーリス王国のお姫様ですか?」


どうで俺たちは平民上がりで、気品なんてないよ、フンだっ


ロリー「姫様が嘘をつくわけなんか、ありませんよ‥ね。じゃ、本当なんですね。本当に実在していたんですね?

じゃ、本当に数々の功績があって、多数の国の公爵ということも事実なんですか?」

ロリーが俺の方を向いて話しかけるが‥‥‥


「まぁ、そうですね」俺は、ぶっきらぼうに振る舞う。


ロリー「あっ、だから、先ほどの紅茶を淹れる時も不思議な魔法を使ってらっしゃるから、目が釘付けになってしまって‥‥‥」


若い方の女性がハンナと言う名前らしいけど「本当、だったんですね、物語で本当にいるとは思っていなくて藁をも掴む思いで旅に出て‥‥‥あ、あ、夢のようです」


ロリーが「勇者物語の本は、本物だったんですね、よかった〜」


そこに食事が終わってエレノア姫が、幼年組と一緒に部屋に戻ってきた。

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