第389話 フレーゲル伯爵

俺は、オズワルド王国のフレーゲル伯爵の屋敷の主人と思われる3階の部屋の中に転移してきた。


正面には大きな机があるし、椅子も豪華だ。


俺は椅子の後ろから外を見てみた。


下には、広大な庭が広がっていて、かなりの大きさだ。


庭には草花が咲き、木の手入れもしっかりとされているみたいだ。


その庭の片隅に似合わない小屋がある。


ん、道具入れか? この庭には場違いなほど、似合わないけど、まだ、新しいから、俺は後で見てみようと思った。


今、ここでは隠し金庫を見つけたので、中を検索魔法で見てみると、金貨や金塊もたくさんあるみたい。


あとは重要書類みたいだけど、取り出すのは、どうやろうかな? 

何か方法があるのか?


見たいのは重要書類だけ、金貨をくすねる誘惑に駆られるが、そんなことをしたら、悪い奴らと同じだ、と思ったから手を出さない、あっそうだ、ランドルフ国王に言って寄付してもらおうかな、もちろん寄付する場所は、この国の孤児院だけど。


中の書類が、取れないか、考えていると、あっ、そうだと思いついた。


俺は右手を出して、中の種類をイメージして、魔法を発動する。


そうしたら瞬間的に、書類の束が手のヒラに現れた。


ようし、成功だ。


俺は机の上に書類を広げて、一枚取って部屋の中に照らされる月明かりで書類を確認していく。


一枚、一枚、書類を手に取り、月明かりで見ていく、これも違う、これは領地経営の書類、これは領民からの嘆願書、これは農作物の買い入れ書類、これは請求書の写し、これは誓約書‥‥‥ん? 誓約書?


なんの誓約書なんだ?


誓約書には、次の年に収める農作物が少なければ、子供を差し出すと言う、とんでもないものだった。


これは、分けておいておこう。


次の書類は、金を貸した借用書だった。


それらが数十枚くらいあるけど、全て、お金を返すことができなければ、土地と建物をもらうと言う書類だけど、金利が無茶苦茶に高い。


俺は、この国の法律は知らないから、これが違法かどうか判断はできない。


まぁ、この書類も分けて置いておこう。


次は、本になって閉じられたものだが雇用契約書があった。


この屋敷にいるものの雇用契約、まぁ、これは普通だな。


俺は、閉じられた中を見てみた。


その中には、借金という項目と、お金の値段が書いてあった。


もしかして、借金の利子がわりに働かせているのか?


無報酬で。


ろくな奴じゃないな、フレーゲル伯爵は。


こんなことは伯爵の家族は知っているんだろうか?


それとも家族ぐるみなのか?


子供がいれば、加担していなければいいけど。


でも、子供が小さければ、親がいない寂しさを感じるだろうか、俺の前世の記憶のように‥‥‥


俺は、あらかた書類を見終えたので、庭にある場違いな小屋の前に転移してきた。


普通なら、主人の部屋から見えるように立てることはしないような見窄らしい小屋だ。


近く来て、余計に、そう思ってしまうほど、見窄らしい。


俺は検索魔法で小屋の中をサーチしてみる、そうしたら階段があって、そこには数人の女性が寝ている。


この屋敷で働いている人だろうか?


借金で働かせている人を屋敷に寝泊まりさせず、こんな隙間風が吹くような小屋の地下に置いているのか?


それも地下3階にいる。 つまり、それほど隠す必要があると言うことか?


俺は慎重になりながら、小屋の扉の中に転移して薄暗い階段を壁に手をつきながら降りていく。


小屋の地下3階には、それぞれの階で扉があったけど、扉を通るのに鍵を開けないで、転移しながら降りていく。


もうすぐ、女性たちがいる階に到着する。


最後の扉は鋼鉄製でできている。


鋼鉄製の扉も転移して中に入る。


鋼鉄製の扉の中には、女性が3人と女の子が一人いる。


俺はジャネットに念話でつなげて説明してソフィアと共に、ここに来てもらった。


俺のすぐ横にジャネットとソフィアが現れる。


念話で『ご主人さま、なんだか、ひどいあり様ですね」


俺も念話で「うん、そうなんだ」


ソフィアにも初めて念話をつなげて「ソフィア、聞こえる?」


「!あっ、はい」


「俺は今、君に念話で初めて話しかけているから、言葉に出さないで、頭の中で答えてくれる?」


「わかりました」とソフィアが頭の中で答える。


念話で「ジャネット、たぶん、捉えれている女性がいるみたいんだよね、見張りはいないみたい、女性は気を失っている」


地下3階だから灯りがないなか、見張りはいないみたいだから、


俺は光魔法で少し灯りをつける。


ほのかに灯った光が周囲を照らし出す。


牢屋が3つ鉄格子越しに見える、毛布一枚に一人の女性が寝ている。


他の牢屋を見てみると、女性二人と女の子が一緒に寝ている。


もう一つの牢屋は誰もいない。


俺たちは一人の女性に声をかけるけど、起きてこないから、しょうがないからジャネットに牢の中に入ってもらった。


体を揺さぶっても、なかなか起きてこない、あれっ?


死んでいるのか?、いや、確かに生体反応がある。病気か?


おでこに手を当てたジャネットが、「ご主人さま、熱があるみたいです」と言ってきたので「じゃ、ジャネット、全員を連れてみんなのところに転移してもらいたいけど、他の3人を確認するから、ちょっと待ってね」


俺はジャネットとソフィアを入れ替わってもらい、また、ジャネットに横の牢屋に入って、女性を起こす様に頼んだけど、女性も女の子も目を覚さない。


俺が検索魔法で見てみても、病気じゃないみたい。


もしかして騒がないよに薬を使ったのか?


俺は検索魔法で体内のある薬を検知することをすると、その薬は麻薬だった。


麻薬というと、以前の記憶が蘇るが‥‥‥どこか関係があるのか?


起きない女性たちを運ぶことにしたけど、今、屋敷に送ることはできないので、しょうがないから、みんながいる山荘にした。


女性二人と女の子はジャネットにお願いして、俺はソフィアと高熱と麻薬で寝込んでいる女性を瞬間転移した。



俺が山荘の部屋に女性たちを連れて転移してくると、念話でアリシアに伝えていたので、ベットの用意はできていた。


客用の部屋にベットを4台並べて、全員を寝かせる。


そして担当をアリシアとシャーロットに頼んだ、俺が麻薬の成分を抜くことをしたけど、その時に念話が入る。


「ご主人さま、奴らが屋敷に到着したぞ」とロゼッタ


「了解、じゃ、捕縛組は用意して」というと捕縛組は、イザベラ、コリン、セラフィーナ、ジャネット、パトリシア、ロゼッタ、アレク、アイリス、エイミー、アデルのメンバーが用意する。


つまりアリシアとシャーロット以外の全員だ。


アリシアとシャーロットは、麻薬を俺が抜いて回復魔法をかけたのを確認して目を覚ました時の食事の用意をしている。


なんだか、本当に最近は、冒険者っぽくなくなってきた。


もう冒険者ですって言えないかも。


勇者の仕事もしていないし、魔物討伐は以前したけど‥‥‥


あとは目を覚ますのは時間の問題だと思う。



屋敷に現れた男たちは6人で、見張りを一人、外に置いているみたいだ、


屋敷の窓をこじ開けて、中に入っていく男が5人、窓を超えて部屋の中に入る。


俺は「ジャネットとロゼッタの二人で、見張りを無力化して、このロープでしばっておいてくれる?」と言ってロープを二人に渡した、それで木にでも繋いで置いて」と伝えたら、二人とも、ニヤニヤしながら、瞬間転移して行った。


部屋の中に入って男5人は、一つずつ、部屋を開けてみている。


一人の男が階段を登りはじめた。



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お読みくださりありがとうございます。


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誤字脱字がありましたらお知らせください、すぐに訂正を行っています。


また意味不明な文章があることもありますが、なにぶん素人が書いている文章です。お知らせくだされば、訂正しています。


この物語は異世界の物語です、現実世界とは違いますので、その点はご容赦ください。

あくまでもファンタジー小説です。

前世の悪い記憶を持つ小心者の主人公が成長していく物語です。

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