第329話 戴冠式直前


ウルフと俺を殺した奴が、どこに隠れているのか、確認しておく必要があるため、結界魔法と空間を研究してみた。


今日は、ブラッドフォード大公国の新国王の戴冠式がある。


これでハワードも正式に国王と言うことになる。


それを支えるために、アイザックと奥さんのライラが協力して国政にあたることになっている。


俺たちに課せられた任務は、それぞれの国の重鎮を瞬間転移で連れてきて集めること。


出席する国は、国交を結んでいる国が中心になるけど、オーリス王国(俺の国)、ダイラス連邦(丘にある屋敷で温泉がある)、ライオネル公国(セラフィーナの国)、リッチェスト国(戦争をおこそうとした国、王様が代わっている)、魔族の国サイラス王国(以前、子供が誘拐されて攻め込もうとした国)が参加をする。


オーリス王国からは王様とシャーロット王女が参加する、もちろん騎士や文官も数名いる。


オーリス王国と同じように王族が参加することが普通だけど、特使を派遣することもあると思うけど、旅には危険もつきまとうし、何よりも時間がかかる。


俺たちも旅の安全のために、運搬役を請け負うことになる。


神獣たちがいるので、分担して行うことにした。


もちろん料金はもらえるので、小遣い以上のお金になるから、本当に運搬するだけだ。


分担は、俺は、アリシアとセラフィーナのいるライオネル公国を担当する。


シャーロット王女とパトリシアが、オーリス王国を担当する。


コリンとロゼッタが、リッチェスト国を担当する。


ソフィアとジャネットとイザベラがダイラス連邦を担当する。


サイラス王国は、アレクとアデルとエイミーとアイリスが担当することになった。


特にアレクは、サイラス皇帝に可愛がられている。


ちょうどサイラス皇帝の娘さんと年が近いのもあると思う。


アレクが、皇帝にタメ口で話をしても、何も言わないし、逆にフルーツやお菓子をもらっているから、幼年組に担当してもらった。


「じゃ、行こうか」と俺が言うと、それぞれが瞬間転移して行った。


俺たちは、一番、最後に瞬間転移した。


俺とアリシアがセラフィーナの部屋に瞬間転移すると、連絡はしていたので、部屋に王様とセラフィーナと文官と騎士が待っていた。


総勢、13名になっていた。


「久しぶりです、クリス様」とセラフィーナ


「此度は、よろしく頼む」と王様


「はい、わかりました、じゃ、いきましょうか」


俺たちの周りに全員が集まって、瞬間転移を実施して、ブラッドフォード大公国の決まった部屋に瞬間転移してきた。


俺たちは、それぞれが担当した国の王族の警備も兼ねている。


それぞれに騎士もいるけど、俺たちは部屋の中の警備を担当する。


もちろん国賓だから、ブラッドフォード大公国の警備もつくけど。


画策をする奴がいる可能性もあるから、本当は、こんな時に戴冠式なんかしてほしくないんだけど、しょうがない。


そして全部の国が、初めて集まることになった。


付いてきた文官たちは意見交換で忙しいみたいだ。


騎士たちも、初めてきたわけだから、勝手は違うみたいで迷っているけど、俺たちは数回は来ているので、ある程度はわかっているから。


旅のつらさがないだけ、いいと思うけど。


以前はシャーロット王女の依頼で、初めて貴族の警備を受けたけど、本当にあの時は苦労したよ。


俺だけ荷物が積んである馬車だったし。


まぁ、一応、幌馬車じゃなく、貴族の馬車だったけどね。


その時は、シャーロットは馬車から出てこないし、どこかの貴族のお嬢様の警護だと思っていたら、自分の国の王女だとは、思っていなかったけど。


そこから俺の冒険が、そこから始まっているから、シャーロットには、感謝しかないけど。


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