第296話 神獣と戦争6

神獣たちの、それぞれの役目をハッキリして行動に移すことにしたけど、エイミーとアイリスは、本当に見た目でも幼いけど、数百歳くらい言っているのかな?


でも、本当に、幼い感じだから、アリシアたちを守ってもらう大切な役目を受けてもらった。


アデルは、神獣見習いみたいなので、両方を受け持ってもらう。


前面に出るのは、俺を筆頭に、アレク、ロゼッタ、パトリシア、ジャネットになる。


つまりトラ、ドラゴン、クマ、不死鳥だね。


つまり、この5人でウルフと戦うことになるけど、戦うことになれば、どちらかが傷を追うことになるから、俺は最後まで諦めていない。


と言うのも、奴と俺は、同じ境遇でもあるからだ。


奴は戦争を憎んでいるのに、その戦争を起こそうとしている。


奥さんが死んだのを恨んでいる。


俺は、前世で、ツラい経験もしたけど、両親を恨むことはしなかった。


軍の奴らも、俺に酷いことばかりしたけど、見返してやろうと思ったけど、恨むことはしなかったよ。


俺には才能があったからかも、わからないけど、魔法を使えることを唯一の楽しみしていたから。


だから魔法で成り上がっていったわけだけど。


だから良くなかったんだね。


あまりにも他の奴らが使うことができなかった強い魔法を使うことができたから、そう言う面なら、自分もおかしくなっていたと、今なら、思える。


でも人が感じるツラさは、その人しかわからない。



俺は、 各国に置いてある通信魔法装置を起動させてすべての国が同時に話ができる時間を聞くことにした。


時間がないと言う国もあるけど、それを最低でも時間を作ってもらうことにした。


緊急だと言うことで。


「1時間後に、 通信魔法装置で話を始めるから」


と全員に説明した。


「 みんなそれまで休憩しようか」


とは、言ったけど、全員が安全を脅かされる状態にあるのでこの部屋とトイレに通じる様にしたから出ることができない。


俺も1人になることができないと感じたけどしょうがない。


俺は休憩をするために自分のベッドに横になっている。


アリシアが近づいてきて ベッドの上に座った。


アリシアがベッドに座って俺の手を握ってきた。


そうするとソフィアとイザベラとコリン、シャーロット、セラフィーナも近づいてきて、ベッドに座ったり椅子を持ってきたりして俺の周辺に近づいてきた。


アリシアと反対側に座ったソフィアが俺の手を握っている。


「‥‥‥」


何も言わずに、時間だけが過ぎていく。


俺が上を向いているとすすり泣きが聞こえてきた。


声のする方を見るとアリシアだった。


「グズッ クリス〜」


と言ってアリシアは寝ている俺に覆い被さった。


アリシアは、しばらく俺に覆い被さったまま泣いていた。


俺はアリシアが握っていた手をアリシアの背中に回して抱きしめた。


「 大丈夫だよアリシア、俺は勇者なんだから」


「 でも以前いた勇者はパトリシアが寝ぼけて火を吹いたから死んじゃったんだよ」


「俺は、そんなドジじゃないよ」


「えっ、えっ、で、でも」アリシアは泣きながら


「 俺は勇者なんだから、生きて帰ってきて、みんなを抱きしめるよ」


俺はベッドに寝たまま座って手を繋いでいるソフィアの顔を見て、そしてイザベラの顔を見て、コリンの顔を順番に見た。


みんなが目から涙が落ちていた。


俺も泣きそうになりながら、感情が込み上げてきたけど、我慢した。


目から涙が流れないように一生懸命がんばった。


俺だってツラいさ


こうならないように俺は立ち振る舞ったはずなんだけど、俺が中心になる必要が出てきてしまった。


昔から俺は外交的な人間じゃなかったから、いつもアリシアの後をついているような目立たない男の子だったと思う。


それが、どうだろう


俺が前面に出て、何かをなさなければ世界が滅んでしまう


ウルフのやつとは相打ちになる可能性もある。


両方が死んでしまう可能性もある。


本当は俺だって生きたいけど、そうはいかない場合もあるんだ。


でも、俺は最後まで希望を捨てない。


俺をやる気にさせる希望の光は、アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン‥‥‥


がんばって、頑張って、生きてやる。


俺には、頼れる人がいるんだ。


俺の体の上にいたアリシアが、ようやく泣き止んでくれた。


俺はベッドから立ち上がって、そろそろ用意をしなければいけない。


といってもテーブルに座るだけなんだけど。


テーブルに座っていると、まだ目が赤いアリシアが紅茶を置いてくれた。


そしてソフィアがクッキーを出してくれた。


俺は時計を見ながら紅茶を飲んでクッキーを食べている。


魔法通信をする時間になった。


全部の国が参加していることを確認する。


大丈夫みたいだ。


「これが、皆さんに説明するのは、最後になるかも知れません。ウルフは着々と準備を進めているみたいです。


いつ、戦闘が起きるか、わかりませんので、もうお知らせすることができないかも知れません。


ウルフと戦闘に入ったら、俺と、アレク、ロゼッタ、パトリシア、ジャネットの5人で奴と話をするか、戦闘になります。


あとのメンバーを狡猾や奴は狙うこともありますので、アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、セラフィーナ、シャーロット6人は、ここにいるアイリスとエイミーとアデルが守ります。


皆さんにも神獣をつけたいんですが、今は無理なので、できるだけ自衛をお願いします。


たぶん、奴が狙ってくるだろうは、メンバーだと思います。


私がいない間の連絡は、ここに残るアイリスとエイミー、アデルに頼んでいます。


この3人は幼いながらも、心中です。私と同じ能力を持ちますので。


緊急な連絡は、いつでもしてください。


たぶん、私が戦闘に入ったら、余裕がなくなり、集中していないとやられてしまいます。


そして戦闘状況も、ここにいる3人が教えてくれます。


何か質問はありますか?」


「クリス殿、貴殿がそこまでしてやらなければならない相手なのか?」


「はい」


「しかも、神獣たちも協力してもか?」


「はい、初めて戦う相手です、何をするか、わかったものじゃありません」


「ここにいる全員が、また、皆さんの前に現れることができるように、俺は頑張ります」


「それでは‥‥‥」


と言って通信を切った。



俺はため息が出る


「ふぅ〜」


これで、連絡はしなくて良くなったから集中できる。


「え〜と、アイリスとエイミー、そう言うことだから、もし、戦闘が始まったら、状況を伝えてくれる?」


「うん」 、「わかりました」




アデルがジャネットのところに行き、何か、話している。


俺には聞こえないけど、俺は疲れたぁ



アデル


ヒソヒソ小声で話している


アデルが話し始めると、アレク、ロゼッタ、パトリシアが集まってきた。


つまり戦うメインの神獣たちが集まる。


アデル「ねぇ、ご主人さまは、私に戦闘に参加してほしくないように言っているけど私も、ついて行っていい?」


ジャネット「うん、いいわよ、多分、あなたは役に立つと思うから、でも危険なことはしちゃダメよ」


アデル(キツネ)「うん、わかっているわ、私たちのせいだもんね」


「そうね、本当は人間は関係ないのに‥‥‥」


アデル「ねぇ、ジャネット、奴は、どう動くと思う??」


「そうねぇ‥‥‥たぶんだけど、今はウルフは人と人を戦争させて自滅させようとしているわ」ジャネット


「そうみたいだね」アデル(キツネ)


アデル「勝てるの?」


パトリシア(クマ)「勝つわよ」


ロゼッタ「ご主人さまを死なせるわけには、いかんのじゃ」


アレク(トラ)「そうよね、今までのご主人さまの中でも、最高のご主人さまだもの」


ジャネット(不死鳥)「ご主人さまを全力で助けて、帰ってこなきゃね」


ジャネット「いい、私たちは、殺されても、数年で生き返ることができるわ」


アレク(トラ)「そうだね、でも、ご主人さまは、そうじゃない」


ジャネット「本当だったら、私たちだけで処理しなければいけないんだけど、もう私たちだけじゃ、奴には敵わないわ」


アデル「うん、わかっている‥‥‥」


パトリシア(クマ)「たぶん、奴は不死の力を手に入れたかも‥‥‥」


ジャネット「そうだね、奴は、恨みの力が強すぎて、たぶんだけど不死になっているかも」


アデル「ねぇ、それ、ご主人さまに伝えなくていいの?」


ジャネット「今は、良いと思う」


アデル「どうして?」


ジャネット(不死鳥)「だって見てわからない?、ご主人さまは勇者として死ぬつもりみたいに聞こえるんだけど‥‥」


アレク「そ、うだよね、私も、そんな気がする」


ジャネット「いい、みんな、ちょっと協力してくれる」


「何?」、「なに?」、「なんじゃ」‥‥‥


ジャネット「今から神レイチェル様に連絡取るわよ」


アレク(トラ)「あっ、わかった」


ジャネット「じゃ、行くわよ」


「‥‥‥‥‥‥」


一瞬の間だった。


ジャネット「ふぅ〜、これで神レイチェル様に教えてもらったから、安心だわ」


アデル(キツネ)「うん」


ジャネット「でも、もうなっていたんて」


ロゼッタ「そうじゃな、驚きじゃ」


ジャネット(不死鳥)「私たちだって、ご主人さまを選ぶ権利はあるわよ」


パトリシア「うん、そうだね」


ロゼッタ(ドラゴン)「私が消し炭にした以前の勇者とは、ご主人さまは勇者としての格が違うわよ」


アレク(トラ)「あっ、そんなことがあったね」


アレク「でも、俺くらいのレベルで勇者の称号がつくんだね」


ジャネット(不死鳥)「あれは、最低レベルの勇者だよ」


アデル「へ〜勇者でも、レベルがあるの?」


ジャネット「うん、そうよ、勇者としてのレベルは、初心者レベルから無限大まであるのよ」


ジャネット「ロゼッタが、寝ぼけて消し炭にしたのは、最低限の能力しかない勇者だったのよ」


「へ〜」


ジャネット「それを勘違いして強いと思い込んだのよね」


パトリシア「もう、本当に馬鹿だったわ〜」


ロゼッタ「ほんとうに、どうしようもなかったのじゃ」


ジャネット「 勇者の称号が現れた途端、努力しないんだもん、あきれたわ」



(注、年齢順)

ジャネット(不死鳥、フェニックス)

ロゼッタ(ドラゴン)

パトリシア(くま)

アレク(トラ)

アデル(キツネ)

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