第246話 新たなる旅
俺たちは予定通り、三日間、山荘で過ごすことにしたけど、この3日間は女性たちのアピール合戦が始まっていたから、ひいてしまった。
なんだか、こういうのは苦手だ。
そりゃ、温泉に入った時は、みることもあるけど、背極的なことは苦手だけど、女性たちが近くにいるのは、いいと思う。
今までは、 パーティーメンバー、または、幼馴染みと言う目で見ていた。
アリシアから、「クリス、手を繋ごうか?」とか
ソフィアから、「膝枕してあげようか?」とか、うわ、最高!
イザベラから、「コーヒーをどうぞ」とか、今まで一度もなかったから、
コリンから、「お菓子あげる」と言ってもらったり、今まで一回もなかったから。
セラフィーナから「クリス様、皆んなみたいにクリスって呼んでもいいですか?」とか、もちろんOKだけど
シャーロットからは「このドレス、似合いますか?」と言って見せにきたり
今まで、なかったことだし、そんな、素振りもなかった人が、突然、変わるんだよ?
でも、悪い気はしない。
いつもは、俺が紅茶を淹れるけど、それを入れてくれる女性がいるということは安心できるし、その女性がテーブルに座って、一緒に紅茶を飲むんだよ、なんだか、いいじゃないか。と思えてきた。
お嫁さん候補になってしまったので、そりゃ、アリシアとはキスしたことはあったよ、でも、それ以上の進展も、それから何もないから‥‥‥
まさかイザベラも俺のことを好きだったとは、思えなかった。
でも最近のイザベラは、以前とは確かに違っていた。
俺が魔力を集中するときには、横に来て俺と手を繋ぐこともあったから。
変化には気がついていたけど、気がつかない振りをしていた。
だって、あのイザベラだよ。初めは信じられなかったけど、でも、最近は仕草が女性らしくなってきたから、お風呂でも近くに寄ってくるし。
今までは、そりゃ、近くに女性がいるわけだから、気にはなっていたけど、そんなことを考える余裕なんてなかった。
いつもどこかで、色々なことが起きるし。
俺たちは3日間の休養を経てトリスタン王国に向かうことにした。
初めて行く国なので、瞬間転移は使えないから、透明化の魔法を使って空を飛んでいくことにした。
今ではシャーロットもセラフィーナも高速飛行にも慣れているので、かなりの高速で飛ばすことにした。
そうすると3時間ぐらい飛んだら、トリスタン王国の首都の上空にたどり着いた。
透明になったまま適当な路地を見つけて地面に着地する。そして透明化の魔法を解除した。
そして俺たちは、路地から出て、街の大通りに出てきた。
トリスタン王国は、ライオネル公国よりも南にあるわけじゃないけど、そこそこ暖かい。
この国で、俺がどうして、きな臭さを感じるのか?
そこは、まだわかっていない。
俺の危険予知の魔法は徐々に精度を向上させているが、それでもまだ10秒程度の範囲だ。
なので未来を予知することレベルではない。
大通りを目的もなくウロウロしているんだが、ここでも情報収集を行うために、1番はショッピングをすることだと思うので、露店やお店に入って、工芸品や特産品や食べ物や洋服などを買うことにした。
うちのメンバーは、将来の嫁なん候補の女性が多いのでショッピングは、お手の物だ。
うちのパーティーには全員で10人いるんだけど、俺以外は全て女性。
最近、告白されたんだけど、なんだか全員が俺のことを好きらしい!
だから先将来を考えてほしいとアリシアが代表して行ってきた。
今まではアリシアとは、できたらそうなればいいなと思っていたが、全員とだなんてと考えると!
何がとは意はないけど、大丈夫なんだろうか?
確かに貴族には大勢の奥方がいる場合も多いし、王族なんかは世継ぎの問題から数人の奥さんがいることもある。
確かに俺から生まれる子供は公爵の地位を継げる。
公爵の地位は継げるけど、今は詳しい事は考えたくない。
その理由として考えられる事は、前世から引き継いだ記憶だ。
どうしても人生で自分が殺されるシーンが何度も走馬灯のように頭の中に浮かぶ。
いまだに自分が最期を迎えるシーンを思って寝ていても目が覚める時がある。
自分には先があるんだろうか?
好きな人と楽しく暮らせる未来なんてあるんだろうか?
アリシアや他のメンバーの女の子達と一緒に生活している事は思い描くのは難しい。
でも、それを俺は叶えたいと思っている。
アリシア、ソフィア、イザベラ、コリン、アレク、ロゼッタ、パトリシア、シャーロット、セラフィーナ、全員の名前を頭の中で思い浮かべて、叶えなければいけない願い。
今は全力で行動する時だ!
ここ、トリスタン王国は新しくできた国だ。
トリスタン王国の王都は、一分は、建物が古いから以前の使いながら、そこに新しく都を形成していったんだろうと思われる。
しかし、トリスタンと言う人物が、どんな人物だろうか?
またトリスタン自体が関係を持っていない別の組織が動いているのか?
まずはショッピングをしながら、宿探しからだ。
買い物をしながら宿の情報を聞き出す。
工芸品を買いながら店主に聞いてみたり、洋服を買いながら良い宿を紹介してもらう。
そうすると数件の店主が同じ宿を紹介してくれた。
場所を聞いて、その宿に行くことにしたが、宿の正面に来て宿の雰囲気や綺麗さや新しさを見ていると、店主たちが揃って言うことにも、うなずけるような宿だった。
シャーロットが言いたいと言ったのでお願いした。
宿の扉を開けて入っていくと受付に女性が座っていて、いらっしゃいませ、お泊まりですか」と言われたので、カウンターに近づきながら、
シャーロットが「部屋は空いていますか?」
受付のお姉さんは、「はい開いてございますが、どのタイプがご希望されますか?」
シャーロットは、「どういうタイプの部屋があるんですか?」
受付のお姉さんは「当宿には、5人部屋と1人部屋があります。」
と言ったので、シャーロットがちょっと考えて、「5人部屋2つと1人部屋をお願いします」
受付のお姉さんは「空きがありますので、何泊お泊まりになられますか?」
シャーロットは、俺を見て「2週間お願いします」と言った。
「宿帳にお名前をお願いします」と言われて、シャーロットは、シャーロット・フォン・オーリスとサインをした。
それを見たお姉さんが、「貴族の方ですね?」と言ったのでシャーロットと驚いて、「どうしてわかったんですか?」と聞いていたが、「アリシアがミドルネームがつくのは貴族が多いから」と言ったので、「な〜んだぁ」と言った。
そして受付のお姉さんは食事はどうされますか、と聞かれたので、俺たちは朝食と夕食お願いします、と言って料金を全額前払いした。
受付のお姉さんから鍵を3つもらって、部屋の確認のため全員で3つの部屋を訪れる。
うちには9人いるので、5人部屋に5人と、もう一つの5人部屋には、4人、そして階は、違うけど1人部屋が俺1人だ。
全員の部屋の場所を覚えた。
話し合いで集まるのは、5人部屋だけど4人しかいない部屋にした。
1人部屋の俺は、窓を開けて小さいベランダに出てきた。
3人も立つことができないような小さいベランダだけど、街の様子を伺うには充分だ。
この町に来て、思っていたことだが、以前よりも、きな臭さが強くなってきている。
何かが起こるんだろう?
何が起きるのか?
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