第245話 山の中へ


俺はブラッドフォード大公国の王様に家をもらったんだけど、地図だけ、もらって、近くには、その屋敷しか立っていないから、すぐにわかると言われて、方向を確認して透明化になり飛んでいる。


徐々に山間部になっているが、まだ家らしき建物は見えない。


もう少し飛んでいくと、木の間に建物が見えてきた。


「あっ、ご主人様、あそこかな?」アレク


「うん、周りには建物がないから、あそこだと思うね、やっと見えてきたね」


見えてきた建物は山の中腹分に立っていて、大きさが、すごくあり家というレベルではないような感じだった。


大きな木を切り倒して建てた感じの大きな家は山の中腹部に立っているので、景色もよく、空気が澄んでいる。


ダイラス連邦の温泉に入って街中の星空を見るのもいいけど、山の中で見る星空もいいだろうなと思う。


温泉といっても、温泉がある場所によって雰囲気も景色も違うから、いろいろ楽しめる。


建物自体は目で確認しても古い感じはない見たい。


しかし、誰が こんな辺鄙なところに建物を建てたんだろう?


それにしてもこれだけ大きい建物を作るのは大工さんは大変だっただろうな?


周りに木が、いっぱいあるから、 木で作られたログハウスみたいだ。


しかも、どこかから硫黄の匂いがしてくる。


遠くを見ると煙が出ている山があるから、硫黄の匂いが強いのかな?


屋敷の上空に来て周りを見渡すと木ばっかり見えるから、ここまで来るのは大変だろうなと思うが、ハワード王子からもらった屋敷だから、厄介払いされたのかなと思ったけど、俺たちが静かに過ごせる場所と思ったのかもわからない。


もし仮に、歩いてくるんだったら、本当に大変だ。


でも、その分だけ、かなり景色が良くなっている。


そして、山から吹いてきた風が、すごく爽やかだ。


そして屋敷周辺は、伐採されているので、敷地全体を見渡すことができる。


ハワード王子からもらった地図を見てみると、屋敷だけじゃなく、見える範囲全体が敷地のようだ。


つまり山も一つだけじゃなく、かなりの範囲の山が敷地の範囲に入っている。


つまり複数の山の中に屋敷が一見だけ立っていると言う感じだ。


これだけ広いと個人の所有ではなく国が所有していた物件だと思う。


しかも近くに降りてみてわかったけど、新しいものだ。


多分だけど新しすぎるので以前の所有者が進む前に何かの原因で済むことなく手放したんだと思う。


だから新品だということ。


木の匂いがしてくる。


俺たちは前もって鍵をもらっていたので、その鍵を使って開けば、間違いなく、この屋敷が、頂いたものだということになる。


屋敷のドアの鍵穴に鍵を刺してみる。


回してみるけど、回らない‥‥‥ あっ回った、しばらく使っていなかったから硬いだけだった。


間違いないようなので、ドアを開けて中に入って行った。


誰かが、「お邪魔します」と言った


誰もいないって‥‥‥


いや管理人くらいいるかも?。


でも、ここには周辺に建物がないよな。



リビングに全員、集めて、俺は最近ずっと感じていた、きな臭い感じがする方向に行こうと思と説明した。


その方向と言うのは、以前、行ったことがある港町のオズワルド王国よりも南だ。


そしてライオネル公国よりも北


つまりオズワルド王国とライオネル公国の間のトリスタン王国だ。


トリスタン王国は、新興国だ。小さい国があったが、トリスタン王が、戦いを仕掛けて多くの国を併合してできた国がトリスタン王国だ。


トリスタン王国ができる前には、小さな国や、いろいろな人種や民族が住んでいたが、それらを全て併合してできた国がトリスタン王国だ。


トリスタン王国は、30代の王様がカリスマ性で統治している。


しかし新しくできた国なので、いろいろなところで残虐な行為が繰り返されている。


俺が生まれた頃は、まだトリスタン王国はなかった。


つまりトリスタン王国ができてから、10数年だと言うことだ。


しかも戦争で併合しているので、小さな殺戮が後を絶たない。


しかも何故かわからないが、この国に冒険者が好むような迷宮がいくつも存在している。


俺も一度は、迷宮に入ってみたいと思っていたが。


ブラッドフォード大公国の王様からもらった屋敷に3日ほど滞在することにした。


この屋敷には、いろいろ探検してみたけど、お風呂がない!


どこかの扉を開けても、お風呂らしきものはない!


以前の所有者は、お風呂に入らなかったのかなと思うが。


建物の散策は終えたので、自分の部屋に戻ってベランダに出てみた。


ベランダに出ると、2階からでも景色は、素晴らしいと言っていいほどよく見える。


冬に屋敷に来るのもいいかもわからないし、夏の山も最高だろうなと思う。


特に冬に来ても、俺たちには歩いて登ってくると言うことがないので、ここまで飛んできて過ごせばいいわけだから。


一面、雪景色で、出入りはベランダからすればいい、なんて言うことを考えながら、下を見下ろすと、1つの建物に目が行った。


俺がベランダから飛行魔法を使って建物に行ってみると、ここがお風呂場だった。


お風呂場の建物の中に入って行くと、強いわけじゃないけど卵が腐ったようなにおいがした。


これは、もしやと思って、脱衣場から湯船がある所まで行くと、温泉だった。


しかも露天風呂だ。


ハワード王子も凄いところをくれたなと思った。


しばらく、露天から見える景色が絶景だったので見とれていた。


しばらく露天から見える景色に目を奪われていたが、今、気がついたことがある。


ここには脱衣場は、今、俺が入ってきた一つしかない、そして湯船も温泉も1つしかない。


つまり2人以上で入れば、混浴になる。


しかし、洋服を脱ぐところも一つだけ。


つまり家族風呂。


夫婦でもない男と女が、同じ部屋で洋服を脱ぐのは、勇気がいる。


まぁ、一緒に洋服を脱がなければ良いだけの話し。


俺が、しばらく考えながら、立っていると、女性たちが入ってきた。


「わ〜、すごい景色が良い」、「絶景じゃなぁ 」、「 早く入りたい」、「変なにおいがする〜」、「こんなところで温泉にはいれるなんて」と言っていた。


しばらく景色を見ていたが、女性たちもあることに気がついた。


家族風呂だと言う事に…。


「俺は後で入るから、女性たちが入っていいよ」と言って出ようとしたら、


「クリスは、ここの主なんだから、そんなことしなくていいよ」と言われた。


「もしよかったら、クリスさえよければ一緒に入ろうよ」


「それとも、一緒じゃ、イヤ?」とアリシアに言われたら、入るしかないけど。


「みんなは、良いの?」俺が言うと


「実は、最近、クリスに対して変だったから話しをしたんだけど」


「俺に対して?」


「そう」


「私は、昔からクリスのことを好きでお嫁さんにしてほしいと思っているの」


初めてアリシアから告白された。


「そして全員に相談したんだけど、その時に言われたの! クリスが好きなのは私だけじゃなく、全員が好きだって」


「全員っていうのは、9人だよ…」


「最近のクリスって、普段はそうでもなくても、いざと言う時に、すごく行動的で格好いいんだもん。」


「そんなクリスが今は国の公爵なんだもの、そんな人を独り占めにしたらバチが当たると思うの、もちろん独り占めしないけど‥‥‥」


「だから私は考えを変えたの、もちろん1番目はあきらめないけど」


全員が俺の方を見ている。


さっきアリシアは9人って言ったよね。


という事は、ソフィアもイザベラもコリンも、神獣の3人も?


「クリスから言われるの待っていると、遅くなってしまう。もちろんまだ先の話で構わないわ、」


今は返事はいいから、一応、考えといてほしいとアリシアに言われた。


「そして今から、アピールしていくから、クリスが、良いと思ったら言ってきて」


俺は、「ソフィアとイザベラやコリンも、それでいいの?」


ソフィアとイザベラやコリンもうなずいた。


俺は、「アレクとロゼッタとパトリシアもそれでいいの?」


と言うと3人ともうなずいた。


俺は、「シャーロットとセラフィーナも?」


2人は顔を赤くしながらうなずいた。


俺は、「そうだったんだぁ…」


ソフィアが「あの、クリス、年上だけど、いいかな?」


「うん、ソフィアはいつも頼れる存在だし、俺もいいと思っていたよ」


「うわ、嬉しいな」



イザベラが、「いつも意地悪してごめんね」


「なんだか、クリスって守ってあげたくなるんだけど、気をひこうとして、それで意地悪していたの」


「ごめんね、クリス」


「あっそうだったの」


「私もクリスのことが好きです、だってクリスって時々、すごく格好いいんだもん」


うん、うんと全員が頷いている。


コリンが「私もクリスが好き」


「ありがとう、コリン」



神獣たちは、「私たちは、ご主人様だから、ついてきたの」


「でも、まだ、全員が考え中」と言ってきた。


神獣たちは、なんだか、思っていることがあるみたいで、違うみたい。



セラフィーナが「えーと、私は、もうすぐ即位しなければなりませんが、ややこしいと思いますが、私の夫になるのは全て知っているクリス様しかいません。こんな私でもよければ、よろしければ、お願います」と言ってセラフィーナは頭を下げた。


「もちろん、こちらこそ」



シャーロットが「私もアリシアのお友達としてみていたんですが、本当に、すごい方だと思うと、胸がときめいてしまって、いつもクリス様のことを思うと、嬉しくて‥‥‥私もいいですか?」


「‥‥‥はい」


「でも、俺は、まだ、成さなければならないことがあるように、思うんだ。それは、この先に、何かが待ち構えていることなんだと思っている。本当の返事は、それが終わるまで、待ってもらえると嬉しいんだけど」


「俺も、みんなと長くいるけど、嫌いだったら、離れていると思うよ」

「俺がみんなと一緒にいるのは、俺もなんとなく、みんなを家族同然と思っているからだよ」


「ここにいるみんなが欠けるようなことがない限り、俺は全力で、守っていきたいと思う」


「でも、そのためには、さっき言っていたことが、どうしても引っかかってしょうがないんだよ」


「それが終わった後で、気持ちがわからなければ、みんなをもらうことにするよ」


「よかったね〜、みんな」


キャ〜キャ〜言っているけど、俺が言うことを聞いていた? 君たち


アリシアが、「じゃあ、これからは、全員でクリスに、もらってもらえるようにアピール合戦だよ」


それにしても神獣たちを退けて6人ですか!?





神獣たちの方をたまたま、見たら、こちらを3人で、じ〜と見ていた。


えっ? なに??


神獣たちの目は、何かを訴えているような目をしていた。


アレクだけは指を咥えてたけど。


何、アレク? 俺が美味しそうだって言うこと?





「じゃ、それで、いいよね?」


「うん‥」


「じゃ、遠慮していないで、温泉に入ろうか?」


「‥うん」


なんだか女性の前で、着ている洋服を脱ぐのって恥ずかしいな。


女性たちは、それでいいのかな?。


俺は恥ずかしいから、壁のほうを向いて洋服を脱いでいる。


女性の方が多いから、俺の方が恥ずかしい


俺たちはそれからすぐにタオルを巻いて温泉に入った。


なんだか、いつもと違う。


いつもと違う景色が目の前に広がっているような気がした。

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