第235話 ブラッドフォード大公国 2
アリシアとの話を終えて、すぐにセラフィーナに連絡をとって、明日、会えるか確認したら、大丈夫だと言うことで、9時にメンバー全員で行くからと伝えた。
そして当日、僕の部屋に全員が集まって準備を整えた。
屋敷を管理してくれている執事のセバスチャンに説明をして、ライオネル公国のセラフィーナの部屋に転移した。
前日にセラフィーナに9時に行くと伝えていたので、目の前にはセラフィーナが立っていた。
ライオネル公国では、なぜか、セラフィーナの部屋に転移することが多い。
しかし、あらかじめ連絡しておかないと、急に現れたら着替え中だったら大変だから。
しっかりと前日に9時に行くと伝えていたので、セラフィーナが待っていてくれたようだ。
僕たちが転移で現れると、セラフィーナが僕たちのほうに近寄ってきた。
今回は、遊びに来たわけではなく、話しにくいことを説明しにきている。
セラフィーナの部屋で、僕たちは全員テーブルの椅子に腰かけて紅茶を飲みながら、クッキーを食べている。
「クリス公爵、今日はどのような用件で」とセラフィーナ
「セラフィーナには、大変いいにくいんだけど、君が誘拐されて捉えられていたブラッドフォード大公国の事なんだ」
この話を始めると、セラフィーナのほうに、アリシアとソフィアが近寄ってくれた。
「ブラッドフォード大公国は、主犯格の王様と第一皇子と大3大事は投獄されているわけだけど、裁判では当然、死刑だと思う。死刑になる前に、事件が起きたあと、この3人に精神魔法を使ったんだ。
俺が使った精神魔法は、重症の麻薬患者のようにしたんだ。
本当は、今度の事件を起こした張本人だから、どれでいいのかと思ったけど。
だからもう、人間としての生きる存在も価値もないように3人に魔法をかけた。」
セラフィーナとメンバーも、初めて話す事だったので全員が目を見張って集中して聞いている。
「そして今、大公国で次期国王になろうとしている第二王子のバーナード王子なんだけど、その人は全く無関係なんだよ。
今回のことが起きたのも、国と国の関係がなかったことが原因だと僕は思うんだ。
もし、国としての連携ができていれば、誘拐事件が起こり始めたときに、すぐに連絡が行っていたと思うんだ。
そうするとセラフィーナが誘拐される事はなかったかもわからないんだ。
もちろん、ライオネル公国の王妃と王様の弟の件も同時に仕組まれたわけだけど」
そこまで僕が話すと、セラフィーナは、顔を上に向けて、僕の目をしっかり見てくれた。
体は少し震えていて、目には涙を溜めているが、怯えたような感じはない。
これから王様になろうとしているわけだから、前を向いて歩いてほしいと僕は思う。
後ろを振り向いて、とらわれてばかりでは自分の人生自体がダメになってしまう。難しいことだけど
セラフィーナは、横にいるアリシアとソフィアの頭を自分に寄せて、
「クリス様、私も以前は恐怖心にとらわれていました。夜、寝ていても悪夢を見るくらい汗をいっぱいかいていました。公爵様の魔法のおかげで、ここ最近は、だいぶ減ってきたような気がします。
どうしてなのか考えていたら、多分、皆さんがいることや、シャーロットのおかげだと思うんです。
皆さんが来ていただけることで、本当にお城の中での生活が変わってきました。
私も前を向いて、これからクリス様に協力が出来るように頑張っていきたいと思います」
「これからも、時々は、皆様といろいろなお話やショッピングに行けることを願っています」とセラフィーナが言ってくれた。
そうするとセラフィーナのもとに僕以外の全員が集まった。
心が温かくなる。
僕も本当に、良いメンバーに恵まれた。
セラフィーナは今日は、公務はないと言うことなので、親睦を深めるために、いただいた屋敷に転移した。
夏は終わろうとしているけど、まだまだ暑い日が続いているので、今日も少しだけ海水浴をしようとして砂浜に来ている。
まだ、お昼前だ。
俺は早着替えで浜辺に出てきて、ビーチパラソルとテーブルと椅子を出して、テーブルの上にサンドイッチを並べていく。
そして飲み物も置いて、お腹がすいたら食べれるようにしておいた。
今日は全員で、海の中に入って泳いだりビーチボールで遊んでいる。
そして遊び疲れたので、ビーチパラソルの下で椅子に座って海を見ながらサンドイッチを全員で食べている。
海水浴ができるのも最後かな
今回は、買いに行くことができなかったので、前回、着ていた水着を着ている女の子が多い、
俺たちといることでセラフィーナの心の傷が癒えるようであれば、何回でもこようかと思う。
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