第224話 ライオネル公国 5

俺たちは信用できない兵士よりも、今は、急ぐので、空間にとらえた賊二人を入れた。


もちろん縄で縛ったままで、今は俺の魔法で寝ている。


この城には俺たちの味方の区別がつかないから、本当だったら、兵士を呼んで、あと処理を頼むんだけど。


賊二人には、しばらく空間で寝てもらおう。


すぐに、セラフィーナとともに王様が寝ている部屋にいくけど、部屋の前には兵士が二人、立っている。


その兵士も味方とはわからないから、精神魔法で眠れせる。


兵士が眠ったのを確認して、王様の寝室に全員で入る。


「お父様、大変です、起きてください」


「うーん、なんだセラフィーナか、どうした?」


「お父様、大変なんです」


「まだ、夜だぞ」」


なかなか、話を聞こうとしない王様に焦れて、


「私が、先ほど、ナイフを突き立てられ殺されそうになりました」


ここで王様がやっと自体が大変だということがわかったみたい。


やっと目があいた。


「なんだと?」


王様は苛立つ


「セラフィーナ、もう少し詳しく話してごらん」


「今日、私の寝室に賊が二人侵入して、ナイフで殺されそうになりましたけど、この方達に助けていただきました。」


そして、やっと俺たちの方を見た。


「おお。其方たちが?」


俺は「はい‥‥‥賊二人を出します」


「ん、だす?」


俺は、空間に入れておいた二人を出した。


王様は何もない空間から人間2人が出てきたので驚いていた。


まぁ。普通の反応だよね


「今、警備のものを呼ぶから‥‥‥」と言って王様が声を出そうとしたので、


セラフィーナが、「ちょっと待って。お父様」


俺が「この城のものは信用できません」


俺が説明していく、

「 数日前、私たちの食事に毒がもられました」


「 なんだと」


「 私たちは部屋に運ばれた食事が目で見てなんだか、おかしいと気が付きましたので食べる事はありませんでしたので、無事でした」


「 では料理をするものか、運んできたものが犯人か!」


「 いいえ、多分、 料理をするものではないと思うんですけど、料理を運んできたものが怪しいかもわかりません。

しかし、その料理を運んできたものも、脅されて、やった可能性があるんです」


「 王様、時間がありませんので不躾な質問で申し訳ありませんが、私は北にある国のオーリス王国と言う国の公爵です」


そして俺は公爵と言う身分を明かし、ギルドカードを差し出した。


王様は俺が差し出したカードを受けたり、じっとみている。


「このカードは何だ? 実際に存在するの初めて見た」


「はい、滅多にあるものではありません」


「カードには、複数の国の紋章があるぞ」


「はい、それだけのことをやっていますので、そして私は、冒険者でもありますので、特Sランクです」


「な、なんと、特Sランクとな」


信用して早く動いてもらう必要があるので、本当は、使いたくない手を使う。


セラフィーナが、

「お父様、私が、保障します、こちらにおいでになるのは、オーリス王国のクリス公爵です。私が国をでて、冒険者になろうとしている旅の途中に誘拐犯に捕まってしまいました。誘拐犯から助け出してくれたのが、公爵です。そして特殊な力で、私をここまで連れてきてくれました」


セラフィーナは力強く、「この方ほど誠実で信用できる方はいません」


「わかっておる、複数の国の紋章があるカードなぞ、夢物語のレベルじゃぞ、しかも、特Sランクだと、おもしろいぞ、公爵」


なんだか王様がすごく乗り気になってきた。


「 それでは次はどうすればいいのじゃ」


「今から王妃様の寝室に行ってもらいます」


「 王妃じゃと?」


俺は怒気を強めて言った「 そうです、王妃様の寝室です」


「もう、部屋で寝ているだろう」


「いいえ、王様、王妃様の寝室に行きましょう」


ここからが本番だ。 これで失敗すれば、大変な事になる。


その前に信用をおける兵士を聞いた。


「このものなら、大丈夫じゃ、わしのことを思ってくれる長年、勤めているものじゃ」


その兵士を俺は知らないから、今日は、ちょうど、わしの部屋の横で書類の整理をして、そのまま、そこに寝ていると思うぞ」


王様の寝室の横にある扉を開けると、王様の執務室があったが、その横に机が置いてあって今でも電気がついて男は仕事をしていた。


俺たちが扉を開けて王様と一緒に入っていくと、その男は立ち上がって王様を迎えた


「 おい、カール、 すまんがこの者たちの話を聞いてくれ」


「 はい、分りました。王よ」


そして俺たちはカールに馬車乗り場が見える位置にに行ってもらって、王城に入る馬車を見てくるように頼んだ。そして、それに誰が乗っている人物を確認してもらう。


しかし、しぶしぶ王様はガウンを着て、王妃が寝ている部屋を訪ねた。


しかし、そこには、主はいなかった。


「おい、こんな夜更けに、どこに行ったのじゃ」


布団をめくって暖かさを確認してみても、冷たくなっていて、寝た形跡はなかった。


そして我々メンバー全員と王様で、この部屋で待っていると、そんなに時間が掛からなく扉が開いた。


一瞬びっくりした王妃だったが、「あら、あなた、どうしたのよ、こんな夜遅くに私の部屋に…」と冷や汗をかきながら行っていた。


「ブリジット、こんな夜遅くに、どこに行っていたんだ」


「喉が渇いたから冷たいお水を飲みに行っていたのよ」とブリジット王妃


そこに王様が使いを出していた、カールが戻ってきた。


カールは王様に耳打ちしている。


「ブリジット、馬車で城に戻ってきたそうだなぁ、確認は取れているぞ」と王様


王様は、「どう、言い訳するつもりだ」


そこに、俺が依頼してカールが頼んでくれた医者が現れた。


「ドクターランドルフ、王妃を調べてくれないか」と王様が言った。


何を調べるんだろうと思っていたが、俺たちメンバーは出てくれと言われたので室外に出た。


妃が騒いでいる声がする


しばらく待っていると、扉が開けられた。


王妃がベッドの上で泣いていた。


「証拠が明らかになった」うなだれている王様


つまり医者が奥さんの浮気を確認したと言う事だ。


関係を持って、すぐ帰ってきたからね!


よっぽど王妃が浮気していたのが王様は、ショックだったみたいだ。


「相手は誰なんだ?」


はっきり答えるわけないじゃないかと思ったけど、よっぽど、ばれたのがショックだったみたいで


王妃は「あなたの弟よ」


答えてしまった。


「あぁ、これで私の計画も全て、おわりだわ。こうなったら、道連れにしてやるわ、あなたの弟も

私が捕まるのに、子供たちの親である公爵が生きているなんて考えられないわ、全てぶち壊してやる」と王妃


「私の子供が王になるはずだったのに、目障りなセラフィーナを誘拐させたのに。こんなことでばれるなんて。


あ〜ぁ、ついちゃいないわね。


私の子供を王位につけるために、年月をかけながら作戦を練っていたのに、その手始めがセラフィーナを誘拐して殺すことだったのよ。


セラフィーナが戻ってくるなんて、信じられなかったわ。


あー、それから私の子供たちは、あんたの子供じゃないから、親は公爵だからね 」とまで言われていた。


王妃はカールに連れられて行った。


俺が空間にいれていた賊二人が、取引に応じて、全て、しゃべったそうだ。


この二人は取引に応じて、素直に白状したので、国外追放になっただけで済んだ。


そして、弟である公爵も捉えられて爵位は没収された。


のちに2人とも死刑になったそうだ。妃と王の弟の二人が主犯格だそうだ。


公爵の家族は親戚に預かられ、貴族になる事はできない。



この責任をとって王様は引退を考えているそうだ。そうとうショックが大きい。


当たり前だけど。


準備にも数年かかるため、整い次第、現在の王は引退してセラフィーナが王位につくそうだ。


セラフィーナが嫌がっていたけど王様になる。




俺達と別れる日が近づいてきている。




しかし、そうはいかなかった。


セラフィーナが次期国王と言う権力を持ったため。


セラフィーナにもう少しこの国に留まってほしいとお願いされたため、俺たちは、しばらく、この国に入ることに決めた。



しかも、部屋は国賓が泊まる大きな部屋になってしまった。


まだ、この街も散策していないのに、お城から出ることがあまりできない。


なんてことを考えていたら、ベランダに出ると城門の外に路地があるのを見つけた。


メンバー全員で話し合って、俺たちは、街へお忍びでいく相談をした、もちろん透明になって、飛行魔法で飛んで行くことに。


そして路地に着地して、透明魔法を解除して街を散策したら、帰ってきたらセラフィーナに怒られた。


「街に行くなら、行くって私も誘ってくださいよ」と言われたので予定を聞いて空いていたので、次の日に街に遊びに行った。


そしてメンバー全員がセラフィーナと王様に呼び出された。


王様が「今回は、大変、お世話になった」


俺が、「いいえ、王様、俺たちが勝手にしたことです、気になさらずに」


セラフィーナが「父と話したんですが、今回の功労者に対して、報いるべきだと」


俺は、「いえ、そんな事は、気になさらずに〜」 俺は嫌な予感しかしない


セラフィーナが、「いいえ、公爵様、それでは私の気が収まりません」


俺が、「そんなこと、別に本当にいいんだよセラフィーナ」と言って流そうとしたけど‥‥‥


より強い口調になってセラフィーナが「今回の事件では、本当に助けていただければ、私は今、ここに、いなかったでしょうし、お父様も、どうなっていたか分かりません。

本当に公爵様には感謝いたしております。

その恩に報いるためには、わが国でも、クリス様に公爵の地位を授けようと思います。」


「あなた様に、わが国の公爵になっていただき、これからも私を助けて欲しいんです。」


「そして、以前、言っていましたよね、クリス様はいろいろな国で貢献をなさっておいでです。


そして、わが国でも、国家を揺るがすことになるかもわからなかったもの、解決してくださいました。


それほどの方に、このまま国との縁を切る事はできません。


もちろん今回のことに対して報奨金もお出ししますし国にお屋敷を用意いたしますので、ぜひ公爵になっていただきたい。」


なんだか、逃げられそうもない言い方。


他のメンバーを見てみると、もらうしかないわね、と言う感じで、うなずいている。


「‥‥‥はい、分りました」と言うと王様とセラフィーナが、ほっとした感じをしている。


「本来なら、騎士爵、男爵、と順番になっていくんですけど、今回の出来事は、あまりにも大きすぎました」


「ぜひクリス様は、わが国と縁を長く持っていただいて、セラフィーナを助けていただきたい」と王様が言ってくれた。


もうさらに、俺の能力をバラすしかないと思って、

「王様、この国は俺の国からも遠いので、来る時は飛行魔法で飛んできたんですが。 俺には転移の魔法が使えます。


「王様、立ってもらえますか、そしてセラフィーナも」


俺は、「みんなは、待っていてもらえる、すぐ戻るから」と言ってメンバーを見た。


「王様、今から俺の住んでいる屋敷に瞬間転移します。初めて瞬間転移にすると少しだけ、ふらつきが起こりますので注意してください」、と言って王様とセラフィーナを俺の住んでいる屋敷に転移させた。


セラフィーナは助けられた時に経験しているから、驚きも少ないけど、王様も、びっくりはしていたが、窓の外は違う景色があり、明らかに違うと言う事だけはわかってもらえた。


そして、俺は話し始めた。


今、私が住んでいるオーリス王国と、北のダイラス連邦は国交樹立を始めています。


つまりいろんな意味で連携を図ることができるように国同士を結びつけたいんです。


遠く離れているとあまり意味は無いかも分かりませんけど、ご検討されてみませんか? 俺は一応、進めてみた。


王様が「国と国が、いろいろな意味で連携し合うと言うことだな」


セラフィーナが「素晴らしいことですね」


俺が「いろいろあったあとですが、国同士が連絡を取り合うと言う事は大変重要なことだと思いますので、その取り次ぎを、俺はしてもいいと思っています」


俺は「王様さえよければ、都合を聞かなければいけませんが今からでも面識を持つためにも私の国の王様に会うこともできます」


2人は、うなずいて、ぜひとお願いされたので、しばらく、この部屋に待ってもらうことにした。


屋敷の執事であるセバスチャンにあとをお願いした。


俺はオーリス城の中に貸し出されている部屋に転移してきた。


扉を開けて近くを歩いていた人に声をかけて王様のお伺いを立ててもらう。


すると、すぐに連絡が来た。


そして王様の部屋まで行き今までの経緯を説明して、どうするか確認したが、まずは相手と会ってみないと、と言われたので、今からでもいいですかと、聞くと驚かれたけど、急だなとは言われたけど、了承されたが。


なので、また屋敷に戻ってきて、2人を連れて、また城に行く。


ライオネル公国の王様と姫様をオーリス王国の王様と王子と妃と王女、と宰相に合わせた。


王様たちが話し合っている間、俺は暇なので、メンバーのもとに帰ってきた。


そして全員に話した。


すぐに戻らなければいけないので、またオーリス王国に戻る。


すると、まだ部屋には誰もいなかったので、侍女がいたので、紅茶を入れてもらった。


今日は顔合わせくらいなので、そんなに待たずに2人が戻ってきて、その後にオーリス王国の王様と宰相もいた。


遠い国同士だけど、オズワルド王国を経由すれば商人の流通はあるので、協力はできるんじゃないかなと思っているけど。


後は当事者同士の話なので、俺はオーリス王国の王様と宰相に挨拶をして、セラフィーナの国のライオネル公国に戻ってきた。


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