第200話 オズワルド王国 4

俺は今、研究しているのは、魔法というよりも、超能力の分野、で未来予知と透視。


未来予知は時間魔法の一種だと思う。

例えば、前世の俺は、テーブルに乗っていたおもちゃを取るために、飛行魔法か念動力の一種を使っている。


そのどちらの魔法を使ったのかは、小さかったので分からない。

無意識に使った魔法だから。


どこかの勇者みたいに、努力もしないで使えればいいんだが。

そんな勇者なんて物語の登場人物なので、本当にいるのか、分からない。

英雄と呼ばれる人もいるみたいだけど、本の中の人物なのか、真実性はないので、本当か、どうか分からない。


本当に自分が、勇者でも、英雄にでもなっていれば、こんなに悩まなくていいと、いつも思っている。


勇者や英雄だったら、生まれながらにして、能力を持っているだろう。


まぁ、たまには、お前は、まだ、違うと言われて、一度、死んでから、英雄になったり、勇者になる物語りはある。


でも、物語の範囲だし、もう2度と死ぬのは嫌だし、あの時の俺の体を指した奴の顔を今でも思い出す。


自分が何をしているのか、分からずに、俺を刺して殺した農民。


その農民だって、必死に家族を守るために、俺を起こしたわけだけど。

戦争が、終わって、家族のもとに帰ることができただろうか?


本当に、戦争を仕掛けてくる奴らは、悪いことばかり思いつく、普通は、他国の農民なんて、殺されるだけだ。


それを違う国なのに、兵士として徴兵するなんて、非常識もいいところだ。

俺を殺した農民は、同じ国の国民なので、俺をことを知っていたかもしれない。


しかし、逆らうと、家族を人質に取られてしょうがなく、していることだってある。


人の命なんて、どう思っているのか、俺は、そんな奴らを許すことなんてできない。



誘拐する奴らなんて、自分の家族が誘拐されたらなんて、考えもしない。

誘拐されら家族は、子供を探して、探して、見つけ出すことなんて、不可能に近い。

誘拐犯は、複数の国にまたがっているから、そこまで見つけ出すことは不可能だ。


だから多くが子供が拉致されるなんて、思ってもいないで生活している。


それが、ある朝、水汲みに子供が出て行ったら、子供が夕方になっても帰ってこない。

もし、本当にアリシアが誘拐されて、見つからないことや、すぐに殺されていたとしたらと考えると、ゾッとする。


誘拐犯は誘拐した子供が暴れれば、簡単に蹴飛ばしたりして、怪我を負わしたり、殺すことに躊躇しない。


商品と言う意味もあるから、そんなことをしたら、価値が下がるとしか考えないから。



だから未来予知を練習しながらどんどん能力を伸ばしていくと、やっと3秒先まで未来がわかるようになった。


しかし、あまり先まで見てしまうと、自分の死まで見てしまう可能性もあるので伸ばすのは禁止よくないと思う。


例えば、俺が70歳まで生きて、老衰でも死ぬシーンなんか見るのは嫌だ。


それは仲間でも同じだ。


多分一番、長生きするのはアレクとロゼッタだろう!


アレクとロゼッタは神獣なので時間の流れは違う可能性もある。


普通に見たら13歳くらいの女の子と20歳くらいの女性なのに、本当に虎とドラゴンなんだから。


人が死ぬのを見るのは、つらいものだ。


俺の村にいた、兄貴のような存在だったケインは、冒険に行って戻ってこなかった。


死体も戻ってくる事はなく、村に墓はあるけど中には何もない。


人の死体と言うのも魔物にとっては絶好の餌だから。


もし未来予知が、その時に使えていて、かなりの先まで見えていたら、多分、俺はケインが行くのを阻止しただろう。


しかし、ケインの死が、俺も冒険者になるきっかけだった。


多分、ケインが生きていれば俺は、今でも村にいたかもわからない。


もしかしたら、今頃はアリシアと結婚して幸せな生活を送りながら田畑を耕していたかもわからない。


いや、アリシアから断れていた可能性もある。


人の未来なんて、見ないほうがいい、楽しみがなくなってしまうけど生き残っていくためには必要な手段だと思う。


前世では、俺は魔法師として、あまりにも有名になりすぎていた。


だから、俺を狙ってやってくる奴も大勢いた。


しかし、ときには怪我を負わせなければいけない時もあれば、戦って死に至らしめた時もあった。


そんな人生を送りたくない、前世でも使えなかった未来予知が必要になってくると思う。


ときには残酷なことも必要だと思うが、できるだけそういう事はしたくは無い。


しかし自分の手を汚さずに、済ませられるかというと、そうではない場合もある。


俺はアリシアが誘拐されたときには、全員を殺すつもりでいた。


それをソフィアが止めてくれた。


多分、あの時にソフィアが俺の手を握ってくれなければ……、と思いが強くなってくる。


今の俺があるのもソフィアのおかげだし、イザベラの悪口のおかげだし、コリンの無言のおかげだ。


無言にも意味があるから。


全員を守るために、次の日も、次の日も、努力をして未来予知を手に入れた。


そして透視の能力も手に入れることができた。


今では未来予知は、10秒先を予知することができるになった。


透視は、100メーターくらい見ることができるし、どのくらいの距離を見るかで範囲を決めることができるようなった。


本当は未来予知は10秒先よりも多い時間を見ることができるけど、見ないようにしている。


だから透視でアリシアがなにをしているか見た事はあるが1回だけで止めた。


どうしてか、と言うと着替えてだからだ。


いくら好きな人でも、プライバシーは、あるから。


後は未来予知と透視を、どこで、どう使うか!



早く実践レベルまで上げなければいけない。


発動するのに時間がかかっていては意味がないから。


そのためには、繰り返し、繰り返し練習すること。


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