第199話 オズワルド王国 3

俺たちはオズワルド王国の王都で宿を決めて、時間があったのでショッピングをして、また宿に戻ってきた。


今から夕食なんだけど、おいしいといいけどなっと思いながら食堂に行く。


食堂に行って全員が座って待っていると運ばれてきたのは、できたばっかりの料理で、どれもこれも美味しそうだ。


本当に見た目だけではなく食べてもおいしい料理だった。


おいしい料理を食べた後、宿のお風呂ではなくて、いつも行く温泉に全員で行くことにした。


ダイラス連邦の屋敷にある温泉だ。


もう、ずいぶん暗くなっている。


これは星空を見ながら温泉に入ることができるなと思いながら露天に来た。


俺が星空を見ながらの露天に入っている時は、誰も入ってくる事はなかった。


後でアリシアに聞いたら、たまにはクリス1人をゆっくり温泉に付けてあげようとなったらしい。


あとで6人で入ったそうだ。


気の使われるように嬉しいような、嬉しくないような?


俺は全員が温泉から出てくるのを待って、またオズワルド王国の宿に戻ってきた。


今日はたいして情報収集もできなかったので、早めに寝ることにした。


しかし俺は、研究するために、先ほどまでいた屋敷の地下3階にある閉じられた部屋に戻ってきた。


前回、見つけた研究ノートを開いていく。


何か参考になるような魔法を書いていないか、研究したりしていないか?


崩れそうになっている研究ノートをゆっくりめくりながら、あるところで手を止めた。


その項目には未来予知と書いてある。


ノートを書いた本人は、研究だけで実際には自分で使う事はできなかったらしい。


未来予知か!


どれぐらいの未来を見ることができるようになるのか。


研究ノートに書いてある未来予知の方法は、種類が違うが、分野としては俺が使っている遠視と方法が同じだと思う。


遠くを見る魔法と、未来を見る魔法なので、実際に目で見ることができるのが、遠視で、未だ起きていない何かを見ることができるのが未来予知。


遠視を使うときは、目に魔力を集中させてみることをしている。


同じように目にも魔力を集めて未来予知が使えるのかというと、そうではない。


目に魔力を集めて、何かをしないと、未来予知はできない。


研究ノートを見ながら俺はどうやったら未来予知が可能か考えてみた。


何か、どこかがやり方が違うんだと思う。


基礎魔法を展開するのは同じことなので、魔法を自分の体にまとわせるようにして濃密にしていく、そして、それを全部ではなくて目だけに集中する。


目だけ集中するとしても、遠くを見えるようになるだけだ。



う〜ん、何が足りないのか?


俺は考えている、未来と言うのは、自分の目では見えないもの。


その未来を自分の目で見るか、感じること、主には、人の動きや物の動きを予知すること。


人がどう動くのか、数秒先でも、どう動くのかわかれば?


例えば人が自分に切り掛かってくるとして、剣が、どのタイミングで、どう動いてくるのか。


相手が放った弓矢が、まっすぐ飛んでくるのか、風の抵抗を受けながら飛んでくるのか。


そういうのが、わかれば未来予知は使えると思う。


遠視は、ただ遠くを見ているだけ。


未来予知は見えないものを見る。


未来を予測する、う〜ん


なんだろ、う〜ん、なんとなくわかりそうな気がするんだけど


別次元?


未来と言うのは、今の次元じゃなくて別次元の事?


しかし、それじゃぁ今いる次元に同じことが起きるとは限らない。


う〜ん、何が必要なんだろう。どうすればいいんだろう?



考えてもわからなかったので、研究ノートをもう一度、見直していく。


そうすると思いついたことがあった。


遠視で見ているときには単純に遠くを見てるだけ。


さらに、その遠くにあるものが未来予知。


しかし目に見えるものではない。


見えるものの先にあるもの、それが未来。


その未来を予知すること、つまり見えるようになること。


なんとなく、こう考えると、わかるように思えた。


なので、遠視の先に、あるものを実践してみることにした。


目に魔力を集めて、遠視の先にあるものをイメージする。


そうすると、見えるのは、いろいろなパターンにぶれてきた。


つまり未来は変化すると言うことだろう。


未来は変化するから直前まではわからない。


それを予測すること。


未来予知の余地と言うのは、あくまでも憶測の範囲だろう。


だからいくつもに分かれている未来を直前に判断すれば良いと言う事。


あとは、その精度を上げていけばいいんじゃないかな?


それは訓練あるのみ!


もう、ずいぶん遅い時間になったけど、研究が波に乗りだしたので、俺はこのまま続けることにした。


大切なのは見えるものを止めないこと。


無限大とは言わないが無限大、先まで見るイメージ。


そこに時間の歪みが生じる。


その時間の歪みが未来予知だ。


それを魔法で実践すればいい。


最大限、魔力を目に集中させ、遠視よりも、さらに先を見るようにイメージする。


と言う事は透視も同じ原理だろう。透視は後でやってみよ。


今は未来予知の方が優先。


何回も練習していくたびに、徐々に1秒先の未来がわかってきた。


未来予知には時間が関係している、未来は時間の経過だ。


先の未来を見るということは、先の時間を見るということ。


つまり、未来予知とは、時間魔法だということ。先を見るためには、時間をすすめなけりゃダメだということ。


その理論を考えながら研究していくことが重要。


なるほど未来とは、時間が経過した状態なんだ。


時間が逆に動いたら、過去を見ることができるのかもしれない。


過去を変えることもできれば、未来が変化する可能性だってある。


過去があって、現在があって、未来がある。


それが時間の流れ……


もしかしたら、魔法で可能なのかもしれない。


しかし人が時間の流れに関与するということは……


何が起きるか、分からない‥


もしこの世に、神がいるとしたら、神の怒りに触れるかもしれない‥


なんてことを考えていたら、本当に時間ばかり過ぎてしまった。



これを、さらに続けていけば、多分数秒、先の未来までわかるだろう。


そして物質を透過してしまう透視。これも物質を見るんではなくて、その先にあるものを見るように集中する。


透視は、今、考えたことだからもっと研究をすることができれば壁の向こうのものを見ることもできるようになるだろう。


もう朝になってしまったので、少しは寝ることにしようと、俺は宿に帰った。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

2022年、2月23日(水曜日)

プロローグ編、そして1話から20話まで書き換えました。


初めはプロローグ編はありませんでしたが、増えていき、ついに10ページにまでなりました。


プロローグ編は1〜10あり完成しましたので、ご報告いたします。

特に最後は、力を入れましたので、お楽しみいただけると思います。


さらに第1話から20話までを新しく書き換えました。


プロローグはアルベルト編になっています。


アルベルトの成長と家族のこと、そして軍隊でのツラい生活、そしてライラとの出会いと‥‥‥お楽しみください‥‥‥作者より


お読みくださりありがとうございます。


いつも評価してくれる方、本当に励みになっております。

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